3月、ファッションウィークのパリでジュエリーのサロンNouvelle Boxが今回も開催された。これは2021年にダレン・ヒルドロウが世界のジュエリーブランドとバイヤーたちの出会いの場として組織したもので、高い効果を上げている。毎回パリのファッションウイーク中に開催され、ここにスタンドを構えるのはダレンのお眼鏡にかなったブランドばかり 。今回の話題はThe Jewelry Cast(ザ・ジュエリー・キャスト/@thejewelrycast)の参加だった。
The Jewelry Castは2025年2月にダレンによって設立された、Balint Samad、Castro Smith、EX-A Studio、Farbey & Myszczynski、Jasmin Ataullah、Jet McQuiston、Martina Kocianova、Meghan Brownなど10の新世代ジュエリーブランドを集めたラベルだ。これらのブランドを自身のジュエリー界でのキャリアと知識を生かして、見守り、そして国際的ブランドに成長させるのがダレンの仕事である。ラベルの設立の際には、スポンサーのSMO(Single Mind Origin)から各ブランドに彫刻的ピース1点、ジュエリーピース1点のクリエイト用にと5グラムのゴールドが提供されたそうだ。
Balint Samed
伝統といまの時代を融合させて美しく大胆なジュエリーをデザインするBalint。マレーシアとハンガリーにルーツを持つロンドン育ちの彼のインスピレーション源は、昔から伝わるハンガリーの刺繍からヒップホップからと様々だ。 @balintsamad
Castro Smith
ロンドンを拠点とし受賞歴もあるCastro Smithは、金細工師であり伝統的な手彫りの彫刻家でもある。歴史、神話、自然界などにインスパイアされて、絵画と版画における経験を生かした精緻なジュエリーをデザインしている。 @castrosmith
EX-A Studio
エリオット・アンドレ・グリーンフィールドが設立したブランド。デジタル製造と伝統的方法を用いて、独自のアプローチでクリエーションしている。彼をインスパイアーするのは未来や異世界。作られたというより発見されたという印象を与える貴重な工芸品をクリエイト。 @ex.astudio
Farbey & Myszcynski
2019年にアートカレッジで出会い、コラボレーションを始めたジョシュアとリチャード。ジョシュアは作業台でのジュエリー作りを学び、リチャードはセントマーチン校でデジタルファブリケーションを学び、のちにブランドを設立。それぞれの異なるアプローチを取り入れ、過去を尊重しながら未来を問いかけるジュエリーを制作している。日本では銀座のドーバーストリートマーケットが販売。@joshua.myszczynski @richardfarbey
パリで開催されたNouvelle Boxではそれらも含めて、8つのブランドがバイヤーたちにジュエリーを披露する機会となった。昨年、東京でもNouvelle Boxの開催があったけれど、いまのところThe Jewerly Cast についてのお披露目来日予定はないという。若手のファッションブランドだけでなくジュエリーブランドもこうして集まってくるパリ。モードの都ならではの吸引力は衰えていないようで、未来に羽ばたくブランドを発見する楽しみが常に待っている。ザ・ジュエリー・キャストの中にはFarbey & Myszcynskiのようにすでに日本で購入できるブランドも含まれているけれど、未上陸の気になるジュエリーの宝庫なのだ。
Jet McQuiston
職人技と現代的なプロセスを融合させてクリエートされるジェットのジュエリー。絶滅危機の花のような脆弱な生態系歴史的ストーリー、恋愛物語などをテーマにエナメルを施したゴールドのジュエリーを制作している。ジュエリーをデータ保存の最適な場所と考える彼女にとって、ジュエリーは何千年にもわたってコミュニケーションを続ける貴重な器なのだ。@jetmcquiston
Martina Kocianova
森を散歩しながら、バスケットをきのこでいっぱいに……。スロバキアの森で育ったマルティナにとって、きのこは護符。彼女の空想力を開花されたきのこのジュエリーは、とてもチャーミングだ。スロバキアでは2024年度のヤング・デザイナー賞を受賞した。@martikocianova
Megan Brown Jewellery
ヨークシャー北部で100年の歴史を持つ繊維工場の経営者の家庭に生まれたメーガン。伝統的な金銀細工の訓練を受けた後、2016年にブランドを設立した。育った環境から織物への興味を掻き立てられた彼女は、複雑な質感と機械のダイナミックな動きが反映されたジュエリーをクリエイトしている。@meganbrownjewellery
Jasmine Ataullah
英国とパキンスタンの血を引くジャスミンは、南アジアの伝統と儀式的な装飾、建築の影響を融合させてジュリーをデザイン。ワックスカービングから最後の仕上げまで、ブライトンに構えたアトリエで彼女自身が手で行なっている。時代を超越した素材としてゴールドを用い、複雑な模様で彩ったジュエリーはシメトリーが基盤だ。@jasmineataullah