ヴァン クリーフ&アーペルが誇る、12星座のシンボルメダル「ゾディアック」を語る。
時計とジュエリー、永遠のパートナーともなりうるこのふたつ。だからこそ、ブランドやそのモノの背景にあるストーリーに耳を傾けたい。いいモノにある、いい物語を語る連載「いいモノ語り」。
今回は、ヴァン クリーフ&アーペルのメダル「ゾディアック」の話をお届けします。
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VAN CLEEF & ARPELS
ZODIAQUE

幸運を願って身に着けたい、星座のシンボルたち。
いまジュエリーシーンで人気が高まっているアイテム、ゴールドのメダル。さまざまなデザインがリリースされているなか、星座をモチーフにしたヴァン クリーフ&アーペルの「ゾディアック」コレクションも注目度が増している。シンプルながらも存在感があり、毎日愛せるステディなジュエリーになっているのがうれしい。
メダルにあしらわれた黄道十二宮の星座モチーフは、古代ギリシャやローマの美術品を思わせる格調高いデザインで表現。でも、乙女座のモチーフには女性とともにユニコーンも描かれていて、ヴァン クリーフ&アーペルらしい解釈もプラスされている。メダルの裏にはそれぞれの星座を示す占星術のマークと星座の期間を表すローマ数字があしらわれ、お守りとしてもパワーも感じられる。

夢や願いを大切にするこのメゾンが、お守りのような小さなチャームを長きにわたってデザインし続けていることは、よく知られた話。1950年代にはすでに星座モチーフをあしらったイエローゴールドのメダルが登場し、日常づかいのジュエリーとして多くのパリジェンヌたちの心をとらえてきた。自由な組み合わせで楽しめる星座のメダルは、やがてボリュームのあるラグジュアリーなジュエリーへと進化し、カフリンクスやキーリングにもなって、ジェンダーを超えて愛せるコレクションへと発展。黄道十二宮の星や占星術は、メゾンにとってなじみ深いシンボリックなモチーフだったのだ。
現代の「ゾディアック」コレクションは、どこか古代コインのような趣。それもそのはず、古代のメダルの制作にも使われた「スタンピング」という伝統技法で仕立てられているからだ。この技法はゴールドに強い圧力でモチーフを打刻するため、立体感のある精巧なレリーフを浮き上がらせることが可能。古代のメダルのスタンピングのずれをイメージしたかのような装飾や、縁の小さな欠けをあえて再現した繊細な作りでアンティークなムードを出している。柔らかな風合いのマット仕上げと相まって、ゴールドに独特のニュアンスが加わっているのも大きな魅力。星座によっては8回ものスタンピングを繰り返し、モチーフを細やかに表現したものもあるという。
これまで人気だったイエローゴールドに加え、ホワイトゴールドの新作メダルも仲間入りした「ゾディアック」コレクション。自分との繋がりを強く感じられる特別なラッキージュエリーとして、デイリーに愛用していきたい
本間恵子
ジュエリー&ウォッチジャーナリスト
とある神社復興のクラウドファンディングに参加したら、返礼品として送られてきたのは小さなお守り袋。中に真珠がひと粒入っているとのことで、ほっこり。
ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク
0120-10-1906(フリーダイヤル)
https://www.vancleefarpels.com
- photography: Ayumu Yoshida
- styling: Tomoko Iijima
- text: Keiko Homma
- editing: Mami Aiko
*「フィガロジャポン」2026年6月号より抜粋