北フランスの街、リールで見つけたお土産5選。
フランスにありながら、地域的にも文化的にもベルギー寄りのフランドル地方に位置するリール。「フランスらしさ」と「ヨーロッパらしさ」が自然に溶け合うこの街は、独特の空気感があって、何度も足を運んでいるお気に入りの場所だ。
徒歩で巡れるサイズ感、フレンドリーな街の人たち、そしてロンドンからユーロスターで約80分というアクセスの良さ、などなどこの街に惹かれる理由はいくつもある。今回はこのリールの魅力を伝えたくて、初めて訪れる友人ふたりを引き連れての一泊旅行へ。

そんなリールで見つけた、とっておきのお土産を5つご紹介します。
01. クラフトビール
ベルギーがすぐ隣という土地柄もあって、ワインよりもビール文化が根付いているリール。ドイツの醸造技術とフランスの洗練が共鳴し、個性豊かでバラエティに富んだローカルビールが揃っていて、普段はあまり飲まないビールについ手が伸びてしまう。こだわりのビールを楽しめるバーや専門店が多いのも、この街ならではの醍醐味。

Ministry of Beer
10 Rue Esquermoise 59800 Lille, France
https://www.instagram.com/ministry_of_beer/
02. オリーブオイル

毎日使うオリーブオイルは、国外へ出かけるたびについ買ってしまう一品。丁寧にセレクトされた南仏やイタリアのオリーブオイルが並ぶOliviers & Coは、ヨーロッパ各地に展開する専門店だけれど、可愛い店構えに惹かれて入店。こちらで見つけたバジル風味のオイルとグレープフルーツ酢のコンビは、お土産にぴったりの組み合わせ。


親切に商品の説明をしてくれた店主のフランソワ。学校帰りらしき息子さんが「パパ!」と声を上げながら店に駆け込んできて、お店の奥のコーナーで閉店時間まで待ってる姿にほっこり。昔ながらの商店街のワンシーンのような光景を垣間見れて、この街の魅力をあらためて実感。
Oliviers & Co
85 Rue Esquermoise, 59000 Lille
https://www.oliviers-co.com/en/
03. はちみつ
フランドル地方は農地や草花に恵まれて、養蜂が盛んな地域。小さいリールの街なのにはちみつ専門店が何軒も存在し、この土地でははちみつがいかに身近な存在であるかが自然と伝わってくる。そう言えば地ビールや名物のワッフルにも、はちみつがたっぷりと使われていたな、と気づいたり。
エキナセアやエルダーベリーを配合した、どこか風邪薬のようなはちみつも見つけたので、喉の弱い自分用にひとつ。

Le Comptoir du Miel
17 Rue Lepelletier, 59800 Lille, France
https://www.lecomptoirdumiel.com/
04. マドモワゼル・シャポーの帽子
パリにアトリエと本店を置きながら、スタイリッシュな人々が多いリールにも店を構える帽子ブランド。愛らしいお店の中には、イギリス王室が纏うような格式張った帽子ではなく、日常の延長にあるような、さりげなく装いにフィットするチャーミングな帽子が揃う。思わず手に取りたくなる、気負わない雰囲気のアイテムが店内にずらりと並ぶ。

2階から螺旋階段を降りてきたオーナーのマダムによると、これらの帽子はすべてパリのアトリエで、職人の手によって一つひとつ丁寧に仕立てられているという。




「この帽子、シンプルに見えるけど、だからこそ作るのが難しいのですよ」との言葉に、静かな自信と精巧なクラフトマンシップを実感。パリにある本店にもいつか行ってみたいな、と思わせてくれる素敵な一軒です。

Mademoiselle Chapeaux
12 Rue Bartholomé Masurel, 59000 Lille
https://www.mademoisellechapeaux.com/
05. Méertのお菓子と紅茶
リールといえばここ!と言えるほどのアイコン的存在、Méert。起源は1607年まで遡って、18世紀から菓子店として歴史を重ねてきた老舗中の老舗。一歩足を踏み入れると、王侯貴族や文化人に愛されてきた時間へタイムトリップしたような感覚に包まれます。
お菓子、パッケージ、そして意匠に至るまですべてが美術品のように美しくて、小さな宮殿に迷い込んだかのよう。





お店の奥に呼び鈴が見えたのでスタッフに聞いてみると、かつてこの建物の上階には職人や使用人が住み込みで暮らしていたのだという。都市型商家(メゾン・ド・コメルス)の典型で、製造から生活までがひとつの空間で完結していた名残なのだと教えてくれた。

広い敷地内には製造所とレストランが併設されていて、販売されるお菓子はすべてこの場所で丁寧に作られている。だからこそ、いつでも作りたての究極のデザートが味わえるというわけ。
いつ訪れても混み合っていてゆっくり店内を堪能するのが難しいので、今回は開店と同時に入店。インテリアや調度品をじっくり楽しむなら、早めの時間に訪れるのがおすすめです。

Maison Méert
25-27 Rue Esquermoise, 59000 Lille
https://www.meert.fr/



おまけ
ロンドンに帰る前に立ち寄ったのが、今回の旅の目的のひとつでもあったクラランス ホテルでのランチ。先月、義理の両親が宿泊したこのホテルのディナーが非常においしかったと熱っぽく語っていたのだ。
18世紀のお屋敷を改装した美しいホテル内のレストランでいただくモダンフレンチ。

旬の素材を使ったコースは全て文句なしにおいしく、思わず感動。次回はぜひこのホテルに泊まりたい!




Clarance Hotel
32 Rue de la Barre, 59800 Lille
https://www.clarancehotel.com/en/
しかし今回もリールの人々のフレンドリーさには驚かされた。パリほど観光客が多くないぶん、純粋に客を迎えることを喜んでいる雰囲気があるし、お隣ベルギーからの買い物客が毎週末のように訪れるためか、サービスの質も申し分ない。ニューヨーク暮らしの間に、お店の人と気軽におしゃべりするのが当たり前になった私にとって、リールはどのお店でもスタッフとの会話が自然に弾んで居心地が良い。
帰りのユーロスターの中でパリジェンヌの友人に、「パリをディスるわけではないけど、リールの人ってとっても親切だと思わない?」とメッセージを送ったところ、「”Les Gens du Nord”(北の人たち)という曲(北フランスの人々は心に太陽を持っている、という歌詞らしい)が昔からあるくらい、北の人が優しいのは有名なの」と返ってきた。なるほどね。

今回初めてリールを訪れた友人も、すっかりこの街を気に入ってくれた。またこの街の素晴らしさを広めるために、次は別の友人を連れてこよう、と心に決めたのでした。
- text:Satski Gamble