ロワイヤル通りに蘇ったラリック本店、100周年を祝う珊瑚色の「トゥールビヨン」が誕生。

Paris

1926年にラリックが発表したフラワーベース「Tourbillons(トゥールビヨン)」。満開のシダにインスパイアされたというデザインには、スピードやムーブメントが感じられる。旋回するカーブが生み出す光の遊びが実に見事だ。マットな部分と透明な部分が描くコントラストは、くるくるとまるで催眠術のよう。創業者ルネ・ラリックの娘スザンヌ・ラリック=アビランドがデッサンを描いた、モダンで時代を超越した花器である。誕生時はガラスで製造されていたが、1942年に息子のマルク・ラリックがメゾンを後継してからはトゥールビヨンを含め、全てがクリスタルで作られている。

メゾンの大胆なクリエイティビティを代表し、メゾンのサヴォワールフェールのアイコンである1926年生まれのトゥールビヨン。100周年を記念して、6月1日に珊瑚色が3サイズでお目見えする。なお26点限定の金箔のXXLサイズはブティックのみの販売。

見事な彫刻作品ともいえる、このトゥールビヨン。その100周年を祝って、コーラルカラーのバージョンが6月1日から販売される。1年近くかけての改装工事を終えて昨年末に営業を再開したロイヤル通りの本店を、この機会に訪れてみてはどうだろうか。パリ8区、コンコルド広場とマドレーヌ寺院を結ぶロワイヤル通り11番地に所在する。ここに創業者ルネ・ラリックがブティックをヴァンドーム広場から移動してから、90年が経過した。R.LALIQUEとエントランスの上に掲げられていたブティック。1945年にルネの息子が継いでから、メゾン名はラリックとなりいまに至っている。

90年前にマドレーヌ寺院とコンコルド広場を結ぶロイヤル通りの11番地に引っ越してきたラリック。

改装後のブティックはクリスタルの商品が並ぶブティックを超え、ラリックが提案するアールドゥヴィーヴルを体感できる115平米の空間だ。伝統とモダニティ、遺産とクリエイティビティが繊細な対話を交わす、コスモポリタンな芸術家カップルが暮らすアパルトマン。そんなイメージで構成されている。

エントランスの天井で軽やかに舞うのは、メゾンのエンブレムである60羽のクリスタルのツバメたち。ラリックというメゾンのポエジーにこうして迎えられる。店内で待つのは装飾品、インテリアデザイン、アール・ドゥ・ターブル、ジュエリー、香水そしてホスピタリティというメゾンの7つの柱。キャビネ・ドゥ・キュリオジテ風の棚には、サイズが小ぶりのさまざまなオブジェが並んでいて、これらはちょっとしたギフトを探している人には宝庫だろう。いちばん奥の中庭に面し、自然光が差し込む温室風空間はサロン風にテーブルとソファが配置されている。テーブルはマルク・ラリックの時代の有名なサボテン、天井から下がるシャンデリアのひとつはオリヴィア・プットマンのデザインによる2011年の「オルグ」……ブティック内で散歩をするように歩けば、コーナーごとに足を止めてしまう。感動と光にあふれるブティックだ。

60羽のツバメが天井に遊ぶブティックのエントランス。テラミネラルのシリーズも揃えられている。
左:ツバメはルネ・ラリックの時代からメゾンのエンブレムだ。 右:比較的手頃な価格のオブジェを集めたキャビネ・ドゥ・キュリオジティ風のコーナー。photography: Mariko Omura
テーブルウェアのコーナー。100ポイントをはじめ、ワイン好きが喜ぶ美しいグラスが並ぶ。
左:ジュエリーの売り場。広くゆったりとしている。 右:カラフルなカボションのコレクション。photography:(右)Mariko Omura
ラリックにはインテリア・デザインスタジオがあり照明器具、パネル、ウォールデコレーションなどを手がけている。改装後のブティックには、デザインスタジオの仕事がフルに生かされている。
芸術家のアパルトマンをイメージしたコーナーを、デザインスタジオの仕事が飾る。

Lalique
11, rue Royale
75008 Paris
営)10:30~19:00
休)日
https://jp.lalique.com/
@lalique

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大村 真理子

madameFIGARO.jpコントリビューティング・エディター

東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。2006年から「フィガロジャポン」パリ支局長を務めた後、フリーエディター活動を再開。主な著書は『とっておきパリ左岸ガイド』(玉村豊男氏と共著/中央公論社刊)、『パリ・オペラ座バレエ物語』(CCCメディアハウス刊)。