静かな自信とともに心を開く。ランバン2027年サマーコレクション「Gentle Confidence」。

Fashion

ランバンが、ピーター・コッピングによる2027年サマーコレクション「Gentle Confidence(優美なる佇まい)」を発表した。舞台となったオペラ・バスティーユでは、建築が纏うブルータリズムの力強い質感と、柔らかな質感やモノクロームのシルエットが鮮やかなコントラストを織りなし、その空間からショーは静かに幕を開ける。

今季のまなざしの先にあったのは、ジョージア・オキーフやティナ・チャウをはじめ、時代を超えてアート、カルチャー、ファッションを彩ってきた多面的な女性たちの姿だ。その創造性と精神性が、官能性と幾何学的なフォルム、そして遊び心というかたちをまといながら、コレクションのそこかしこに静かに息づいている。

なかでもメンズウェアの美学は、しなやかな素材と伸びやかなプロポーションによって柔らかく再解釈され、シャープなタキシードジャケットは、エレガントなフルレングスのコートドレスへと姿を変える。時代を超えて受け継がれるクラシックに、新たな息吹が吹き込まれた格好だ。

そのしなやかなシルエットを土台に広がるのが、深いブラックとピュアなホワイトを基調とした世界。そこにプレイフルな色彩がふと軽やかに差し込まれ、予期せぬコントラストが生まれていく。それは同時に、自らを取り巻く環境に安らぎを見出し、自由に佇む女性の姿を映す鏡でもあるのだろう。実際、会場の床を分かつ黒いラインと呼応するように、V字やダイアゴナルに走る黒と白の切り替えが、コレクション全体を貫くグラフィカルな輪郭を描き出す。そこに差し込む赤やミントグリーンが、モノクロームの世界にふと体温を灯していた。

シアーなパネルや光を透かす繊細な素材もまた、開放感に満ちた瞬間をつくり出し、イエローや黒、白のレースが、その繊細さをいっそう引き立てていく。肌と布地、そして動きが織りなす官能性は、コレクションを貫くグラフィカルなラインとも静かに呼応しながら、存在感のあるサンダルへと受け継がれ、端正なシルエットにさりげない手仕事の気配を宿していた。

洗練されたサルエルパンツやレイヤードスタイル、存在感のあるニットポンチョは、どこか遊牧的な装いの記憶を呼び起こし、ランバン ウーマンを新たな世界へ、そして冒険へと誘っていく。

やがて迎えるイブニングには、ビーズやスパンコールをまとったドレスがドラマティックな輝きを添え、フランスのアトリエが生み出す魔法のような魅力を静かに映し出す。

そのランバン ウーマンが少しずつ心を開き、私たちをその世界へと迎え入れるとき、新たな地平が広がっていく。そこに垣間見えるのは、女性らしさと、かけがえのない繊細さ。静かな自信を纏いながら、まだ見ぬ新たな世界へとまたひとつ歩みを進めた。

  • photography: Lanvin text: Akiko Mizuguchi