フランスで庭はじめました【2021 Janvier】

コロナ禍とご近所戦争勃発で思う、楽しい毎日。

Paris

冬の高台にて、霧のセーヌ川を眺めながらこんにちは、吉田パンダです。眼下に広がる街はご近所のLes Andelys。フランスは相変わらずのコロナ禍にありますが、気晴らしに古城でも眺めるかとガイヤール城を訪ねました。

英仏百年戦争では両国が拠点として奪い合い、17世紀以降は最も美しい廃墟のひとつとなっているガイヤール城。

高台から遠い夕焼けを眺めていると、新型コロナ?何それ?と思いますが、こんな場所でもマスクは着用。撮影する時に眼鏡が曇って困ります。最近はもう、フレームを見なくても撮れるようになってきました←それはない。

さて、前回の更新から2カ月ほど経ってしまいましたが、シャトーパンダの庭の進捗をお伝えします。

「ほとんど何もしてないけどね」

いや、それを言ったらブログ終わるでしょ。やめて。

「新しいことと言えば、ボクがパンダ部屋に住むことになりましたよ」

はい、その通り。庭猫だった2匹目のトラ猫サビの去勢手術、ワクチンなどを終えて、晴れて(?)家猫となりました。これで猫2匹、、。

「なでる?」

ちなみに2匹の猫はまったくうまくいかず、サビはいまのところ機材部屋にほぼ幽閉されています。ごめんな、ナデナデ。

「わらわ以外、リビングに立ち入ることは決して許さぬ」

毛布大好きノアさまが、そう申しております。

さて庭ですが、隣家との仕切りに沿って果樹を植えました。リンゴ、イチジク、サクランボ、ミラベル、レンヌ・クロード、アプリコット等々。それぞれ1本ずつなので結実しないかもしれませんが、なんとなく生垣代わりになればいいかなと。しかし木の仕立てにもいろいろあるんですね、quenouille、gobelets、demi-tigesなど、知らなかった単語だらけ。あまり樹高を高くするつもりはないので、低い仕立てのもので揃えています。しかししかし、ここで問題が、、、。

フランスの法律で隣家との境に植樹する場合、「樹高2m以上の木は隣家との境から2m離さなくてはならず、樹高2m以内の場合は最低50cm離すこと」と定められていて、今回植えた場所が境界から2m離れていないのでお隣の老夫婦から苦情を言われています。

今現在の樹高が2mを超えていなくても、「いずれそうなるから、もっと離して植えろ!」というのが向こうの言い分で、「2mを超えた分はちゃんと切るから問題ないよ!」というのがこちらの主張です。妥協点はいまだに見つかっていません。ちなみに隣が境に植えているリラの木は、30cmくらいしか離れていないのに2m超えてます。綺麗なので何の不服もありませんが、よくそれで自分は主張できるなと←ご近所戦争勃発!

そのことを相手に伝えたら「じゃあ切るよ!切ればいいんだろ!」とキレられたので、いやそういうことじゃないよと。フランス語には美しい単語がありますよね、tolérance(寛容)でしょと言っても何の解決にもなりませんでした。どこいったのさ、フランスの寛容。こちらの民法に詳しい方がいらっしゃいましたら、編集部までご一報ください!やれやれ。

そんなわけで、木を植えるために最近(昨年の11月末)は穴掘りばかりしていました。これはいちばん大きな里桜(白妙)を植えるために掘っていたんですが、、。

地中から大きなコンクリートの土管が出現。直径1mくらいあります(!)。念のため業者に確認したところ、井戸か水道関係のものだろうということで放置することに。せっかく掘ったんですが、また埋めました。ナポレオン金貨がザクザク入った壺だったらよかったのにね、、。

穴掘りは続きます。今度は邪魔な切り株を除去しようと、ひたすら掘ってみました。

地中から掘り出した根。できるだけ長く傷つけないように掘り出してしまう、この日本人気質どうにかしてください。疲れるし←アホ。

最終的にこんな感じまで掘りましたが、真っ白に燃えつきました。もうダメ。ギブアップ。この段階でも切り株はビクともしません。斧も歯が立たないし、専用のチェーンソーなどは持ってません。ほかにもうひとつ切り株があるので、ふたつまとめてプロに除去してもらうかと見積もりを出してもらったところ、11万円ほどかかると。ちょっと予算オーバーだったし、切り株を除去してもすぐ木は植えられないということで、土管に続いて再び元どおりに埋めることに、、←またかよ!

引き続いてはこちら。壁に並ぶのはガレージに収納していた人たち。

ガレージの中を白く塗ってみました。頑丈な棚を並べてキャンプ道具とか収納したいですね。

あと、FacebookのMarket Placeでご近所から古道具をいくつか購入。木製の車輪はノワゼットの木に立てかけています。いかにも田舎暮らしって感じじゃないですか?←見た目だけな。

それと外の水道の外枠に、大理石製暖炉のファサードを。

こちら天板。暖炉ファサードの上に植木鉢とか置いたら素敵かしらと思っていたんですが、、←また何かあるんか。

野外で設置しようとしたまさにその時、右側の部分がバラバラに壊れ落ちました。エーー!!マジか、何でいま? ちきしょー!! 金返せーー!!←つい心の声が。もともとは17世紀のもので、向こうの外し方が悪かったこともあり、脆くなっていたようです。いまは石用のボンドでジグソーパズルのごとく組み立てに挑戦するとともに、全体を固めるためにモルタルも買ってきました。悔しいので必ず修復します←何と戦ってるの。

というわけで、植樹用に穴を掘ればコンクリート土管にぶちあたり、果樹を植えれば隣のじいさんから文句を言われ、高い古道具を買ってくれば目の前で壊れ、憧れの田舎暮らしも一筋縄ではいきません。でも、それでいいんだと最近よく思います。いまは世界全体がコロナ禍でフランスも飲食店はテイクアウトのみ、文化施設はすべて閉まり、18時以降は外出禁止で移動もままなりません。個人的にも2020年3月以降フランス以外での撮影はすべてキャンセルになり、21年も先行き不透明です。それでもイライラしたり、自分や他人を責めて過ごすのは何か違うかなと。隣家と喧嘩しても、買ったものが壊れても、コロナ禍でも(並列なの?)。つまり、思いどおりに物事が進まなくても毎日を楽しく過ごすというのが今年のスタンスです。皆さんもガレット・デ・ロワでも食べて、甘やかに日々を過ごしてください。次回の更新もどうぞお楽しみに。

photos et texte : PANDA YOSHIDA

写真家。長年住んだパリを離れ、現在フランスはノルマンディー地方にて、犬猫ハリネズミと暮らしている。庭づくりは挫折中。木漏れ日とワインが好きで夢想家、趣味はピアノ。著書に『いぬパリ』(CCCメディアハウス刊)がある。instagramは@taisukeyoshida

この記事の元URL: https://madamefigaro.jp/paris/210124-panda-yoshida-garden.html