世界的に大人気なロゼワイン、その造り方についてワインジャーナリスト柳忠之が解説!

FIGARO Wine Club

ブドウ品種の特徴がわかると、ワイン選びはグッと楽に! ワインジャーナリストが解説する連載「ワイン学習帖」。今回はさまざまなペアリングに対して万能選手なロゼワインについて、柳忠之さんが解説。


Vol.25 ロゼ

世界的にロゼワインが大人気だ。軽めの料理がトレンドなことに加え、温暖化の影響で重い赤ワインが飲みづらい日が増えたこともその要因。ただし、ロゼワインとひと口にいっても千差万別。ここでは製法の違いによる、ふたつのスタイルを解説しよう。

ひとつめは「ダイレクトプレス」。摘み取ったブドウをすぐさま搾り、その果汁を発酵させたロゼ。色調は総じて淡く、味わいは軽やか。フローラルな香りとフレッシュ感を特徴とする。南仏プロヴァンス地方のロゼがこのタイプだ。

もうひとつは「マセレーション」または「セニエ」と呼ばれる製法。ブドウの果汁に果皮を漬け込み、望む色合いになったところで引き抜いた果汁を発酵させる。赤い果実の香りが華やかな、飲みごたえのあるタイプが多い。前者は春から夏にかけて、後者は秋冬に飲みたくなる。

シャトー デスクラン
ウィスパリング エンジェル 2024

CHÂTEAU D’ESCLANS
WHISPERING ANGEL 2024

国・地域:フランス プロヴァンス地方
アルコール度数:13%

ミネラル感たっぷり、南仏生まれの正統派。750ml ¥3,410/MHD モエ ヘネシー ディアジオ(https://www.mhdkk.com/enquiry

プレミアムなロゼワインブームの立役者が、南仏プロヴァンス地方のシャトー デスクラン。ウィスパリング エンジェルは全米で最も売れているロゼワインだ。グルナッシュ、サンソー、ロール(ヴェルメンティーノ)をダイレクトプレス。バラの花弁のように美しく淡いピンク色。フローラルなアロマを持ち、味わいは上品な辛口。ハーブのフレーバーと塩味を伴うミネラル感が、小エビのカクテルなどシーフードを誘う。

色の濃さ ●〇〇〇〇
酸味   ●●●●〇
果実味  ●●〇〇〇

シャトー ダケリア
タヴェル 2023

CHÂTEAU D’AQUERIA
TAVEL 2023

国・地域:フランス ローヌ地方
アルコール度数:14%

セニエ法で造られる、濃いめのしっかりタイプ。750ml ¥3,850/ラック・コーポレーション(03-3586-7501)

タヴェルは辛口ロゼのみに認められたローヌ地方南部のA.O.C.(原産地呼称)。この地で400年以上の歴史を誇る、銘醸ワイナリーがシャトー ダケリアだ。グルナッシュやシラーなど全部で6種類のブドウを用い、除梗破砕後、12~24 時間果皮を漬け込む。色調は濃いめのチェリーピンク。イチゴやラズベリーなど赤い果実の香りが広がり、味わいはリッチでボリューミー。仔羊など赤身肉にも合わせられる。

色の濃さ ●●●●〇
酸味   ●●〇〇〇
果実味  ●●●●〇

柳 忠之

ワインジャーナリスト

ワイン専門誌記者を経て、1997年に独立。以来フリーのワインジャーナリストとして、ワイン専門誌はもとより、数々のライフスタイル誌においてワイン関連記事を寄稿。日本ソムリエ協会発行の資格試験向け教本執筆者ながら、ソムリエ資格を有さず、業界のブラックジャックを自称する。シャンパーニュ騎士団シュヴァリエ、ボンタン騎士団名誉コマンドゥール。

*「フィガロジャポン」2026年6月号より抜粋