香水の本場フランスの新たな名香、トレンドの香りをキャッチアップ!
老舗パフューマリーの新作からデビューしたてのニッチまで、香水の話題に事欠かないフランス。
香料とその掛け合わせから生まれる“嗅覚のためのアート”のトレンドは、モードと同じくキャッチアップして。
HERITAGE, REIMAGINED
20世紀に登場したファッションメゾンの伝説の香りが、再解釈して蘇ったり、装いを変えて登場したり。複雑でクラシック、でもそれこそがいま最も新しい。

1. Chanel
ローズ、ジャスミン、イランイランをアルデヒドが引き立て、サンダルウッドとヴェチバーが温かみを添えるオードトワレ。1924年発売当初のシンプルなデザインにインスパイアされたボトルに着替え、モダンにアップデート。
N°5 オードゥ トワレット 150ml ¥24,860/シャネル
2. Balenciaga
1947年に初の香水ル ディスを創作。2025年9月、当時の美しいフラコンを再構築し、10種の香りで蘇った。アイリスのパウダリーな印象はそのままに、バイオレットやインセンスが気品を添える。
バレンシアガ ル ディス パルファム 100ml ¥46,090/バレンシアガ クライアントサービス
3. Agnès b.
80年代に登場して長く愛された香水ル ベーがフローラルブーケだったように、昨年再び誕生したのはチュベローズやシリンガなどの春の庭の白い花のブーケ。サフランが輝きを与え、ロックなタッチに。
アニエスベー ルパルファン オーデパルファム 100ml ¥17,600/アニエスベー
NIGHT MOOD
フレグランスもジェンダーの区別がなくなり、男女ともにウッディノートへの関心が高まる一方。タバコやレザーとともに、温かな夜のニュアンスを。

1. Van Cleef & Arpels
夕暮れに咲き、クリーミーでふくよかな甘さが広がるチュベローズ。フレッシュで涼しげなオープニングから花の香りが広がりサンダルウッド、バニラ、ムスクへ、夏の夜のひとときを思わせる。
ヴァン クリーフ&アーペル コレクシオン エクストラオーディネール フルール ドゥニュイ オーデパルファム 75ml ¥27,940/インターモード川辺
2. Chambre52
2024年に6種の香りで誕生し、25年のベスト・ニッチ・フレグランス・オブ・ザ・イヤーに輝いた新星。受賞作のこちらは、ほのかに残るタバコの煙に、サフランやアイリス、ジュニパーの気配がホテルのルーフトップを思わせる。
シャンブル サンカン ドゥ タバコ メモリーズ オードパルファン 100ml ¥42,900/エドストローム オフィス
3. Louis Vuitton
アンバーとクリアなウードをベースに、みずみずしいマンダリンのトップから、カルダモンやシナモン、サフランなどのスパイス、アンバーグリスのミネラル感などで、千夜一夜物語を描くよう。琥珀色の世界が広がる新作。
ルイ・ヴィトン アンブル・ルバン オー ドゥ パルファン 100ml ¥57,200/ルイ・ヴィトンクライアントサービス
4. Serge Lutens
中東の歴史や知と芸術をもとに、香りの美と希少性を極めた“光の王国”コレクション。その5種の香りから、レザーとアイリス、ホワイトムスクによる洗練されたノートを。温かみがありながら夜空の星のような透明感で、優美な魅力を放つ。
セルジュ・ルタンス ロワイヨームデリュミエール ズラファ 100ml ¥57,090/ザ・ギンザ
5. Maison Francis Kurkdjian
バイオレットに始まり、ダマスクローズが貴重なウードに深く寄り添い、煌めくサテンのような側面を託す。バニラやベンゾインへと優しく移ろい、センシュアルな余韻が肌に温かく残る。かつて限定で登場した香りがリバイバル。
メゾン フランシス クルジャン ウード サテン ムード オードパルファム 70ml ¥50,380/ブルーベル・ジャパン
TWISTED ROSE
フローラルノートの中でもローズは特別な存在。最近は棘を思わせるスパイシーなアクセントに注目。気負わず、ひねりの利いたエレガンスを纏って。

1. Givenchy
トップのマンダリンやプチグレンがグラース産のローズとコントラストをつくり、甘やかなイランイラン、温かなアンバーウッドへと移ろう。オートクチュールのエレガンスに包まれて。
パルファム ジバンシイ ラ コレクション パルティキュリエ ド ジバンシイ アンセパラブル オーデパルファム 100ml ¥41,800(6/5発売)/LVMHフレグランスブランズ
2. Guerlain
高濃度の香料を閉じ込めたマイクロパールとアルコールフリーのウォーターベースの二相フォーミュラで、オーデパルファンと同等の香りとスキンケア効果を両立。ダマスクローズを主役にブラックカラントやライチがみずみずしい人気の香りが肌と穏やかに溶け合う。
アクア アレゴリア ペルレ ローザ ロッサ 125ml ¥24,310(限定発売)/ゲラン
3. Dior
クリスチャン・ディオールのラッキーモチーフである星形の5つの頂点をバラの多彩な側面として、レモンピールのようなシトラス、ライチやラズベリー、洋ナシのフルーティ、山椒のスパイシー、ムスク、ハニーが軽快に現れる。
ラ コレクシオン プリヴェ ローズ スター オードゥ パルファン 100ml ¥45,100/パルファン・クリスチャン・ディオール
4. Frederic Malle
名調香師のひとり、アニック・メナルドが手がけた新作は、ビターでスパイシーなイモーテルとダークなダマスクローズ、クリーミーなサンダルウッドが共鳴する大胆で個性的なノート。女性がつければマスキュリンに、男性はその逆に。
フレデリック マル コントル ジュールオードパルファム 100ml ¥53,130/ブルーベル・ジャパン
NEO GOURMAND
スイーツを食べた時の幸せな気持ちをそのままに、グルマンノートは進化を続ける。王道のバニラに加え、ミルクやナッツなど、未体験の“味”を楽しみたい。

1. L’Artisan Parfumeur
ヴェチバーとシダーウッドの落ち葉を踏みしめながら森を散策している時のようなアーシーなニュアンスの奥から、ソバの実によるナッティな香ばしさが現れる。オリジナリティあふれるアロマティックなウッディグルマン。
イル エテ アン ボワ オードパルファム 100ml ¥32,780/ラルチザン パフューマー
2. Matiere Premiere
調香師オーレリアン・ギシャールが、ひとつの香料にこわだってクリエイト。マダガスカル産バニラの濃度を高め、ベネズエラ産トンカビーンをプラスすることで官能的に。まろやかで上品な甘さ。
マティエール プルミエール バニラ パウダー エキストレ ド パルファム 50ml ¥45,980/ブルーベル・ジャパン
3. D’Orsay
まず香るのはイチゴミルク! 果実のみずみずしい明るさとまろやかなヴェールに幼い頃の記憶が蘇るよう。次第にホワイトウードを核としたウッディへと深まっていく、その豊かな調和にすっかり虜になっているはず。
エクストレ ドゥ パルファン ホーリーベリー 90ml ¥52,800/ドルセージャパン
4. Caron
専属調香師に就任した英国出身のルイーズ・ターナーによる初の作品は、従来の甘いイメージを覆す透き通るようなバニラ。硬質でエネルギッシュなミネラル感と洗練されたウッディが爽やかで、光に満ちた静寂と安らぎに包み込まれる。
キャロン アトマ オードパルファン 30ml ¥27,500/フォルテ
5. Dusita
タイ王国出身のピサラ・ウマヴィジャニがパリで創設。独学で習得した彼女自身が調香する。ミルクやキャラメル、トンカビーン、アーモンドなどビター&スイートなアロマがカフェ時間に誘う新作は、昨秋の発売以来、日仏ともに大人気。
ドゥシタ トンカ ラテ オードパルファム 50ml ¥25,300/ノーズショップ
UP-AND-COMER
大手香料会社と調香師がしのぎを削るフランスでは、ニッチ香水の質も高い。目が離せないアップカミングな6つのブランドと調香師にフォーカス。
香りのトレンドが、社会のムードを映し出す。
いま、パリのサントノレ通りは香水店が続々と軒を連ね、老舗も大手もニッチもひしめき合う。実は香り選びにはコンサバな傾向があり、日常に香水が当たり前の国でも、さらなる香りへの関心が高まっている表れだろう。そんなフランスの香水事情をパリの香りのスクール、サンキエムソンスの公式日本パートナーを務める小泉祐貴子代表に聞いた。
「ジェンダーレスにつくられるニッチブランドがウッディノートを主力にしたことから、女性にもウッディが広がってきました。とはいえ、女性向けは圧倒的にフローラルノートが多く、なかでも昨年からのトレンドはローズの香りにひねりが加わり、新しい華やかさに。幸せな気持ちを呼び起こすグルマンノートは、バニラはもちろんクリーミーなミルクやビターなカカオ、香ばしいニュアンスのキャラメルなど素材がさらに増えています。その背景にはコロナ禍の反動から、人々に華やかさや幸福感を求める余裕が生まれてきたこともあるでしょう」
ひとつの香水が大ヒットして時代を表すことはもうないけれど、香りの傾向は“いま”を映し出す。
もうひとつ注目なのは、パルファンと同程度の賦香率の“エキストレ”と呼ばれるタイプが増えていること。日本人には濃厚で難しいかと思いきや、少量でまろやかに香りが長く続くので、上級者にはたまらない。しかし、こんなにも香りの幅が広がり、選択肢が増え続ける中で、何をどう選べばいいのだろう?
「何よりその香りが好きかどうか。まずはさまざまな香りに触れてみることです。香りを適切に分類するスキルを習得していただくと、より楽しく世界が広がります」
新たな香料が開発、洗練され、調香師たちも育っていく。その本場フランス発の最新フレグランスを取り入れて、自らの香りの印象をアップデートしてみては。
Cinquième Sens Japon
1976年にパリで創立された香りのスクールの日本校。2021年に東京・中目黒に開校し、初心者の基礎習得からプロのスキルアップまで本国のトレーニングプログラムを提供する。気軽な調香体験も。奥深いフレグランスの世界へ。
https://www.cinquiemesens.jp/
アニエスベー
0120-744800
https://www.agnesb.co.jp/
インターモード川辺 フレグランス本部
0120-000-599
https://www.vancleefarpels.com/jp/ja/collections/fragrances.html
エドストローム オフィス
03-6427-5901
https://www.chambre52.com/
LVMHフレグランスブランズお客様窓口
03-3264-3941
https://www.givenchybeauty.com/jp
ゲランお客様窓口
0120-140-677
https://www.guerlain.com/jp/ja-jp
ザ・ギンザお客さま窓口
0120-500824
https://www.sergelutens.jp/
シャネル カスタマー ケア センター
0120-525-519
https://www.chanel.com/jp/
ドルセージャパン
03-6804-6017
https://dorsay.jp/
ノーズショップ
050-2018-6146
https://www.parfumsdusita.com/
https://www.essentialparfums.com/en/
https://lentropiste.com/en
https://www.etatlibredorange.com/
https://jusparfums.com/en-int
https://neydo.cloud/
https://hellenistparfums.com/en
パルファン・クリスチャン・ディオール
03-3239-0618
https://www.dior.com/ja_jp/beauty
バレンシアガ クライアントサービス
0120-992-136
https://www.balenciaga.com/ja-jp
フォルテ
0422-22-7331
https://www.parfumscaron.com/en
ブルーベル・ジャパン 香水・化粧品事業本部
0120-005-130
https://www.franciskurkdjian.com/int-en
https://www.fredericmalle.com/jp
https://matiere-premiere.com/
ラルチザン パフューマー カスタマーサービス
03-6778-7477
https://www.artisanparfumeur.com/jp/ja/
ルイ・ヴィトン クライアントサービス
0120-00-1854
https://jp.louisvuitton.com/jpn-jp/homepage
- photography: Masaki Ogawa
- styling: Takashi Imayoshi
*「フィガロジャポン」2026年5月号より抜粋