齊藤工が撮影、『ゾッキ』で親友役を演じたふたり。
「齊藤工 活動寫眞館」について
俳優・斎藤工が、アーティスト・齊藤工として手がける、モノクロ写真。尊敬する人、会いたい人にカメラを向け、映画のメインキャストを撮影するように、一瞬の表情と佇まいを写し取る。フィガロジャポン本誌「齊藤工 活動寫眞館」に未掲載のカットと、齊藤自身の言葉で、撮影舞台裏を綴ります。今回は、まもなく公開となる映画『ゾッキ』で、齊藤工監督パートに主演した九条ジョーと森優作が登場。
話題の映画『ゾッキ』の公開まであと少し。
熱狂的なファンを持つ漫画家・大橋裕之の漫画を竹中直人、山田孝之、齊藤工が共同監督。それぞれがお気に入りのエピソードを選んで監督したという本作で、齊藤工が手がけたのは原作『ゾッキA』の冒頭に収録された「伴くん」。主人公の伴くんを演じるのはお笑いコンビ「コウテイ」の九条ジョー、そして伴くんの親友・牧田役は森優作だ。
「伴くん」の大ファンでもあるという齊藤は、それだけに「とても慎重にキャスティングするべき」と考えたという。原作を読んでから映画を観る人も、映画を観てから原作に触れる人も、九条と森がいかにキャラクターたちのイメージを体現し、さらに豊かで魅力的にしているかに驚くはずだ。
「おふたりの実際の親友のような距離感を見て、この空気をそのまま映し出せば『伴くん』は成立すると感じました。
ワンカットの居酒屋のシーンは、当初予定していたカット割りをやめて一連ワンカットでいこうと思ったのも、それまでのおふたりを見ていたからです。感謝しています」
すべてのエピソードが、原作者の大橋の故郷である愛知県蒲郡市で撮影された。蒲郡の町と自然の風景が、登場人物たちのおかしくて切ない日常を包み込むように存在している。本来は「伴くん」の登場人物ではない役を演じた松田龍平も、意外な形で伴くんの物語に少しだけ登場する。齊藤が撮影した松田のポートレートは、ぜひフィガロジャポン本誌5月号を見ていただきたい。
「松田さんは、佇まいや表情だけで【映画】にしてしまう、恐ろしい才能だとあらためて痛感しました。
コンビニで牧田に謎に爽やかに頷くシーンがありますが、あの不思議な理解力に慄き、『伴くん』の物語は動き出します。松田さんの頷きひとつで」
公開に合わせて、いくつかの劇場にて齊藤が撮影した出演者たちのポートレートの写真展も開催される。『ゾッキ』の世界を見事に表現したキャストの、映画とはまた違った表情もぜひ楽しみに劇場を訪れたい。
●監督/竹中直人、山田孝之、齊藤工
●脚本/倉持裕
●音楽監督:Chara
●出演/吉岡里帆、鈴木福、満島真之介、柳ゆり菜、南沙良、安藤政信、ピエール瀧、森優作、九条ジョー(コウテイ)、木竜麻生、倖田來未、竹原ピストル、潤浩、松井玲奈、渡辺佑太朗
/石坂浩二(特別出演) 松田龍平 國村隼
●原作/大橋裕之『ゾッキA』『ゾッキB』カンゼン刊
●2020年、日本映画
●113分
●配給/イオンエンターテイメント
●3/20(土)より愛知県蒲郡市先行、3/26(金)より愛知県先行、4/2(金)より全国にて公開
©️ 2020「ゾッキ」製作委員会
zokki.jp
2013年、下田真生とともにお笑いコンビ「コウテイ」を結成。20年、「ABCお笑いグランプリ」にて優勝、「M−1グランプリ2020」では準決勝に進出。21年、映画『ゾッキ』出演。
2013年、映画『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』で俳優デビュー。21年、映画『ゾッキ』出演。3月26日より公開の映画『騙し絵の牙』では斎藤工と共演。
TAKUMI SAITOH
長編初監督作『blank13』が国内外の映画祭で8冠獲得。18年、パリ・ルーヴル美術館のアート展にて白黒写真作品が銅賞受賞。19年も出品。18年よりHBO Asiaの国際プロジェクトにて2年連続日本代表監督を務め、多数の賞を受賞。アジアアカデミークリエイティブアワードではそのうちの1作『Life in a box』が最優秀監督賞を受賞。3月26日より出演作『騙し絵の牙』、4月2日より監督作『ゾッキ』が全国公開。主演作『シン・ウルトラマン』、出演作『CUBE』『狐狼の血LEVEL2』などの公開が控える。企画・制作を手がけたクレイアニメ『オイラはビル群』が今春WOWOWにて配信予定。移動映画館「cinéma bird」の主宰や「MiniTheaterPark」の活動など。