秋の木立に包まれた、シャネルの最新コレクション。
Le cercle Chanel
2018-19年秋冬のコレクションの舞台となったのは、美しい秋の森。パリのグラン・パレには、秋の木立が再現され、ランウェイや客席には、落ち葉が敷き詰められた。
ショーを終えたカール・ラガーフェルドは語る。
僕は幼い頃、8年ほど、森の奥にある家に住んでいたことがある。その時の森の中の様子が今回のランウェイで再現した散歩道に似ているな、と後から気づいた。僕は、美しい秋の森が大好きなんだ。
そんな彼が秋の森からインスピレーションを得た最新コレクションは、シックなカラーパレットを軸に展開。構築的なフォルムのモノトーンのロングコートを纏ったモデルたちがオープニングを飾る。マスキュリンな印象のテイラーコートには、フェザーのディテールやショルダーを飾るドレープなど、フェミニンなテイストを忍ばせる。さらには、森を彩る木々や木の葉など、植物モチーフをプリントや刺繍などで、今季らしいムードを添えた。
ショーの後半に登場した繊細なレースを用いたブラックドレスのシリーズには、ビビッドカラーのレザーグローブやカラフルなバッグで色をプラス。なかでもキルティングやスムースレザー、そしてエナメルなどを使った新作バッグ「31」は、そのポップな配色でコーディネートのアクセントとしても強い存在感を放つ。
このコレクションは、とてもシャネルらしいと同時に、私の好みや経験を強く反映していると思う。
シャネルの森に集ったセレブリティたち。
今回もシャネルの最新作を見ようと、世界中からセレブリティたちが駆けつけた。メゾンのアンバサダーであるヴァネッサ・パラディを筆頭に、現代のイランを代表する女優、ゴルシフテ・ファラハニなど、その顔ぶれも豪華だ。「構築的でマニッシュなシルエットと流れるような柔らかい女性らしいシルエット。このふたつを組み合わせたクリエイションはまさにカールの真骨頂。本当に素晴らしいわ」とは、女優のキーラ・ナイトレイ。
texte : TOMOKO KAWAKAMI, graphisme du titre : KAORU MASUI ( [tsukuru] )