オルセー美術館『オペラ座のドガ』展とオペラ座バレエ団【後編】

パリとバレエとオペラ座と。

前編はこちら

2.イべント『ドガ・ダンス』。

オルセー美術館での展覧会はパリ・オペラ座350周年記念プログラムの一環である。10月11日、12日にパリ・オペラ座バレエ団の芸術監督オーレリー・デュポンがアーティスティック・ディレクターを務めた特別なイベントがオルセー美術館内で開催された。エドガー・ドガの絵画にインスパイアされたクリエイションが館内の複数の場所でオペラ座のダンサーたちによって展開され、来場者は小さなグループとなって移動してそれらを鑑賞するという趣向。小品のクリエイションをデュポン芸術監督から託されたのは、ニコラ・ポール(オペラ座スジェ)だ。ドガはなぜオペラ座に通ったのか。展覧会のテーマに沿って、観客としてのドガの視点で距離を置いてバレエ、劇場を観察するという視点をベースにニコラ・ポールは小作品をクリエイトしたという。展覧会の鑑賞時間と合わせて合計2時間のプログラムは、なかなか充実したものだった。

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オーレリー・デュポン芸術監督のコンセプトにより、展覧会の入口でオペラ座のエトワールであるエミリー・コゼットが画家たちのモデルを演じた。彼女をとりまき、デッサンし続けたのはボ・ザールの生徒たちだ。photo:Benoîte Fanton/ Opéra national de Paris

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彼女が着ているのは、2019〜20シーズン開幕ガラで踊られたセルジュ・リファールの『ヴァリアション』のために、シャネルによりデザインされた衣装だ。photo:Mariko Omura

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オーレリー・デュポン芸術監督自身がクリエイトしたのは、ドガの作品へのオマージュ。バー・レッスン光景を踊った若いダンサー3名は、ポーズも衣装もドガの絵画から抜け出したよう。photo:Benoîte Fanton/ Opéra national de Paris

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この晩、立場が逆転して観客が舞台にあげられ、ドガの観客としての視線をテーマにした作品がエトワールのステファン・ブリヨンによって観客席で踊られた。photo:Benoîte Fanton/ Opéra national de Paris

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1900年当時の装飾が残るパーティルームの広い空間を利用したニコラ・ポールの小品を踊ったのは、キャロリーヌ・オスモン、ジュリエット・イレール、イダ・ヴィイキンコスキー。photo:Benoîte Fanton/ Opéra national de Paris

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3. オペラ座のサードステージでもドガ!

パリ・オペラ座のバーチャル・ステージの3e Scèneでも、エドガー・ドガを主人公にした短編作品『Degas et moi(ドガと私)』がスタートした。

20分の作品で、監督はアルノー・デパリエール。88歳の年老いたドガが過去の仕事を回想する語り、そしてダンサーの語りに、オペラ座の小さな部屋での稽古のシーンが重なる。ドガの作品でおなじみの、首に黒いリボンを巻いたダンサーたちだ。監督がこの作品を捧げたのは、ドガの彫刻『14歳の小さな踊り子』モデルを務めたマリー・ヴァン・ゴーテム。作品の締めくくりのシーンで、バレリーナのひとりが稽古を終えてオペラ座から向かう先はホテル……と、マリーの人生、当時のダンサーの暮らしを彷彿させる。

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©Cécile Burban

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©Cécile Burban

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大村真理子 Mariko Omura
madameFIGARO.jpコントリビューティング・エディター
東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。フリーエディターとして活動した後、「フィガロジャポン」パリ支局長を務める。主な著書は『とっておきパリ左岸ガイド』(玉村豊男氏と共著/中央公論社刊)、『パリ・オペラ座バレエ物語』(CCCメディアハウス刊)。

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