髙橋海人と創造の世界へ。

フィガロオム 2026.04.03

天は髙橋海人にいくつの才能を与えるのだろうか。歌唱、ダンス、演技に加えて、アートワークの才能も続々と発揮し、その勢いは年々熱を帯びている。今回はそんなアーティスト、髙橋の創造の扉を開いていく。

せっかくこの世に生まれてきたんだから、出し惜しみはしない

260313_homme_04.jpg
「自分の感性を信じてエゴイスティックになる瞬間もあるけれど、やっぱりみんなで物事を動かしていくことが好き。いいバランスが取れるようにできればと考えています」。そう笑って話す。個性的でアンバランスな感覚こそが独自性を引き出す鍵なのかもしれない。シャツ¥161,700、パンツ¥137,500、スカーフ¥33,000、左耳に2つ着用したピアス各¥71,500、シューズ(参考商品)/以上エトロ(エトロ ジャパン)

表現の糸口を絶えず探し、愉しみ、楽曲やMVで、世間にリリースしている髙橋海人。類いまれなるそのセンスは、どこからやってくるのだろうか。

「いい意味で僕らは決定的な色がないんです。さまざまなカルチャーを吸収して、毎回、楽曲でKing & Prince色を生み出していく。それが強みなんです」

永瀬廉とのユニット「King & Prince」について語る髙橋。楽曲やジャケ写を並べてみると、なるほど、ジャンルに一定性はない。昨年リリースした「Theater」は、MVがミーム化。「月火から水木にお疲れ」の歌詞を覚えている人も多いだろう。

自分たちが信じる方向に向かって走り続ける。

「そもそも楽曲って、独り歩きをするものだと思っているんですけど、この曲で実感できました。グループが2人体制になって、廉といろいろ話して。周囲の評価は気にせず、自分たちが信じる方向に突き進むことにしました。その結果、人がついてきてくれたことに(ハイタッチのジェスチャーで)『やったな! 廉!』って。皆さんが話題にしてくれた振り付けの部分も、アドリブだったんです。ほかの動きだったら、また違ったのかもしれません」

バズが起こるその様子を髙橋自身もSNSで眺めていたそう。King & Princeは3月に新曲「Waltz for Lily」をリリース。今回は幻想的かつ、壮大なラブバラードを歌い上げている。

---fadeinpager---

「相方が主演する映画『鬼の花嫁』の主題歌です。タイトル決めで難航していたとき、僕から廉やみんなにタイトルを提案しました。ジャズピアニストのビル・エヴァンスが好きで、彼が過去に出したアルバム『ワルツ・フォー・デビイ』から着想しました。廉も『あ、ええやん』っておもしろがってくれて。僕らにとっても、いままでにない新しい楽曲になったと思います」

永瀬の名前を出す時は、とてもうれしそうだ。その様子からふたりのチームワークの良さがうかがえる。

「僕はいまのスタッフを含めたKing & Princeのチームが大好きなんです。おしゃれなものが好きで、クリエイティブの才能があって、みんながKing & Princeを愛してくれている。だから熱量のある現場を作ることができるし、アドリブがそのまま使われることだって起きる」

彼のトークには淀みがない。常に心に興味や希望をストックしているように、彼らしい言葉がついて出てくる。

「僕自身が結局、音楽や絵画、ダンスとか、何かを創る、表現をすることが好きなんですよね。何かが浮かんできたら、出し惜しみをすることなく、どんどんアウトプットしていきたい。せっかく、この世に生まれてきたんだし!って」

アイドルとしての活動だけでなく役者、テレビ番組への出演と、スケジュールは依然多忙を極めている。ものづくりが好きとは言えど、アイデアが枯渇する瞬間もあるのでは?と問うてみると「ないですね」とひと言。

「もしアイデアが浮かばなかったら、よし、じゃあ摂取しに行こうとか、視点を変えてみようとなるだけ。街を歩いたり、感情や記憶を掘り起こしたりしていくと自然と新しいものが浮かんでいるんです」

いちばんのイマジネーションスポットになっているのは、移動車の中。「マネージャーさんと話していると、どんどんアイデアが湧いてくる。『今日はダメだったな』という日があっても会話していると、気が付けばまた創る話をしているんです。何かを創る話を。マイナスだった感情をもワクワクに変える天才(笑)。そう思える感覚や周囲との関係は本当に自分の財産。大切にしていきたいです」

---fadeinpager---

手がけたものには魂が宿っている、だから、手放せない。

1200-re-RS-2.jpg

青空と海人。「自分を楽しめるようになってきた」、そう語る彼の背中には、澄み切った蒼天と勇ましいレオパード刺繍のライダース。猛々しいコントラストが少年から大人へと変貌を遂げた彼の心情とリンクする。ジャケット¥1,461,900、ジーンズ(参考商品) 、ネックレス¥115,500、ピアス¥71,500/以上エトロ (エトロ ジャパン)

ユニークな感覚や視点は、幼少期からスタートしている。

「小学生の時から、授業で使った厚紙なんかを余分にもらって帰ってきて、家でオリジナルのロボット作り。泥団子もほかの子よりも、ずっと丁寧に作っていましたね。一緒に作っていた子は、泥団子をすぐに壊していたけど、僕はできなかった。これは現在も同じで、創作物はどうしても壊せなくて、大事に取ってありますね。手をかけたものには、魂みたいなものが伝わってくるから。そのせいで、いつも自宅は物だらけです(笑)」

昨年は、グローバルブランドアンバサダーを務めるエトロで、カプセルコレクションのデザインを手がけた。ほかにも、『HOKUSAI―ぜんぶ、北斎のしわざでした。展』のアンバサダーを務めるなど、近年アートとの関わりが深い。

「僕にとってアートは『好き』の気持ちが先行するものなので、事前に準備をして、さあいま描いて!は苦手で。頭に浮かんだ瞬間を描いています」

髙橋といえば、卓越したダンススキルも外せない。保育園期から始めて、もう20年以上。彼のテクニックにはダンサーや振付師など、プロの間でも関心が高いと聞く。

「ダンスに恐怖感を覚えた時期もありました。ずっと踊ってきて、いろいろと模索して、いまは自分なりの表現方法を導き出せたかな。とはいえ『ちゃんと努力しなさい』という、両親の教えは、いつも心に染みついています」

---fadeinpager---

感情と技術を爆発させるものと、感性のままに紡ぐもの。

260313_homme_03.jpg
「自分はアイドルだから。いろんなものを大切にしながらアイドル兼クリエイターみたいな感じで、自分を信じて、創ることを楽しみたい」。感性の赴くままにカラーペーパーを纏いカラフルな世界を堪能して。ジャケット¥344,300、シャツ¥245,300、ショーツ¥148,500、左耳に2つ着用したピアス各¥71,500、シューズ¥93,500、腰に巻いたスカーフ(参考商品)/以上エトロ(エトロ ジャパン)

「創作することが好き。だけど、僕の中でそれぞれの創作は全部違うんです。たとえばダンスや歌、お芝居は感情や技術をどんどん爆発させるもの。身体を動かす技術だったり、心を操ったり......頭も身体も使って操作していく感覚なんです。だからもっと練習を重ねて、磨きをかけていきたい。突き詰めれば突き詰めるほど絶対に上手くなると信じているから」

その練習は確実に結果を出している。出演したドラマや映画は毎回、彼の演技や憑依力が話題の的に。

「お芝居だと自分の経験や味わった感情を掘り起こす作業をすることも。『だが、情熱はある』(日本テレビ系・2023年)でも、自分が苦しかった過去をこじ開けて、思い出してメモして、演じていた若林(正恭)さんに、感情を擦り合わせていく感覚でした」

対するようにデザイン、アート、そしてKing & Princeのクリエイティブは、楽しさを追求していく感覚だと話す。

「こちらはもう気持ち重視。内側から出てきた発想や想いを思いきり楽しむ! アートに関しては、自分でもまだ分析できていなくて、どこからともなくふっと出てくるもの。だから、インスピレーションを探そうとしても必ずしも『こういうものを描きたいな』という気持ちになれるわけでもなくて。自宅にいる時に自然にふと湧き出てくることも多いです」

自分と向き合い創作する、その欲望の噴泉は止まらない。

「いまは、造形をしてみたい。思いついたものを立体で創ってみたいんです。グッズや、なんなら車だってデザインしてみたいし、お店も構えてみたい。あ、サッカーもやりたい!(笑) 世の中、やりたいものばかり。いろいろな経験をして死にたい、まで考えています。だって、走馬灯はロングフィルムでありたいじゃないですか」

---fadeinpager---

『当たり前』のものはないだから周囲を守っていきたい。

自らを語る彼には、理性的に物事を捉え咀嚼する側面と感覚的な部分が、真摯な姿勢の中に共存していることに気が付く。

「おっしゃるとおりで、僕もそう思います。性格は、真面目で不真面目かなぁ。『かいけつゾロリ!』みたい(笑)。真面目すぎたかも、と適当すぎたかも、の繰り返し。性格の属性が時間ごとに変わるから、いつもマネージャーさんにチューニングしてもらっています」

4月3日の誕生日を迎えると、27歳になる。年を重ねるごとに自分のことを好きになっていると続ける。「二十歳くらいは、このままどうなっていくのだろうと、不安なこともありました。そこから頑張って手にしたものもあるけれど、手放したものもある。でもね、トータルをすると、ぜんぶ財産になっていたんです。あとは周囲を守りたい。King & Princeも、廉もスタッフのみんなも、ファンの方々も自分のことも、ぜんぶ。ここまで経験や心情の変化を重ねてきて『当たり前』ってないなと思ったんです。だから僕がみんなを守りたい」

そう、ゆっくりと言葉を紡ぐ彼は、凛々しかった。とはいえ、20代の現役アイドルだ。今回の撮影現場で、彼のフランクな一面が飛び出した。ペーパーを使ったシーンでは自ら「これ、俺が破っちゃってもいいですか?」と、提案。私服のベストを可愛いと褒めると「実はボタンが取れちゃったまま着ていて」と笑う。とあるコーディネートでは、撮影がスタートしてすぐに「あ! (パンツの)チャック開いたまんまだった!(笑)」と、スタッフも巻き込んで、現場の爆笑を誘う一幕もあった。

「まだ詳しくは言えないんですけど、みんなに楽しんでもらえるようなおもしろいことをたくさん考えている......とだけは言っておきますね」

ラストに、何かを匂わせるように言葉を残した髙橋。いったい次は何を披露してくれるのか。数多の才能を掲げて、多くの人をインボルブしていく青年が、また明るい未来へと羽ばたいていく。

Kaito Takahashi
1999年4月3日生まれ、神奈川県出身。2018年『シンデレラガール』でCDデビュー。ドラマ「DOPE 麻薬取締部特捜課」、映画『君の顔では泣けない』、『おーい、応為』(25)などに出演。幼少期から培ったダンススキルに定評がある。3月25日に18枚目のシングル「Waltz for Lily」を発売。永瀬廉と吉川愛がW主演を務める映画『鬼の花嫁』の主題歌として書き下ろされたこの楽曲は、大人びたワルツに和のエッセンスが加わったラブバラード。

「タイトルの通りワルツの楽曲です。メロディーにキャッチーさと遊びもあって、ロマンチックで切実な、素敵な曲です。King & Princeとしての新しさをまた生み出せました」と語るのは、タイトルの生みの親である髙橋。

問い合わせ先
エトロ ジャパン
03-3406-2655
https://www.etro.com/

*「フィガロジャポン」2026年5月号より抜粋

photography: Shun Komiyama styling: Mana Yamamoto hair & makeup: Takae Kamikawa(mod’s hair) text: Hisano Kobayashi

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest
minori-kai
パリシティガイド
フィガロワインクラブ
Business with Attitude
BRAND SPECIAL
Ranking
Find More Stories

Magazine

FIGARO Japon

About Us

  • Twitter
  • instagram
  • facebook
  • LINE
  • Youtube
  • Pinterest
  • madameFIGARO
  • Newsweek
  • Pen
  • CONTENT STUDIO
  • 書籍
  • 大人の名古屋
  • CE MEDIA HOUSE

掲載商品の価格は、標準税率10%もしくは軽減税率8%の消費税を含んだ総額です。

COPYRIGHT SOCIETE DU FIGARO COPYRIGHT CE Media House Inc., Ltd. NO REPRODUCTION OR REPUBLICATION WITHOUT WRITTEN PERMISSION.