シャネルの扉 #02
シャネル2016春夏オートクチュールコレクションの舞台裏。
Toc Toc Chanel
February 24, 2016パリで開かれるオートクチュールコレクションの前日。パリ・カンボン通りのシャネルのアトリエには、本番さながらのメークとヘア、そして最新作に身を包んだモデルたちが集まって、フィッティングを行っていた。最後の最後まで、クリエイションの精度を高めるカール・ラガーフェルドの細かい注文に応えるべく、アトリエ中のスタッフが奔走する。世界最高峰の職人技術が集結し、美しいハーモニーを奏でるオートクチュールコレクションにおいて、カール・ラガーフェルドの役割は、さながら指揮者といったところだろうか。
「コレクションのおよそ1カ月半前に、最初のスケッチをアトリエに渡します。製作するスタッフは、どのようにスケッチを形にするのか知り尽くしています。私の意図と違うデザインになることはありませんが、フィッティングの際に、気が変わったり、新しいアイデアが湧いたりして、変更や作り直しをすることがあります」とカール。ショー当日、幕が上がるまで終わらない、妥協なきものづくり。そこで生まれたアイデアや技術がシャネルをさらなる進化へと導く。
Le Savoir-Faire
卓越した職人技が光る。
カールのスケッチをもとにキャンバス地を使ってシルエットを形にする。そして、今回、カールがこのミツバチのモチーフを散らしたドレス用に選んだファブリック、シルクチュールとオーガンザで実際の服作りがスタートする。
texte: TOMOKO KAWAKAMI