シャネルの扉 #04
シャネルの2016/17秋冬 プレタポルテコレクション。
Toc Toc Chanel
May 23, 2016ガブリエル・シャネルがパリ・カンボン通り31番地のサロンでショーを開いていた当時の雰囲気を再現した2016/17秋冬 プレタポルテコレクション。カーペットを敷き詰めた会場には、椅子を一列ずつ並べ、すべてのゲストがフロントロウに座れるような配置に。「遠すぎて服がよく見えないという不満を耳にすることがあった。全員、フロントロウに座ってもらうという夢を実現したのが今シーズン。これですべてゲストに新作のディテール、マテリアル、カット、そしてアクセサリーを間近で見てもらえたと思う」とカール・ラガーフェルド。
長いランウェイを颯爽と歩くモデルたちが纏うのは、メゾンのコードを散りばめた最新作。エレガントなミドル丈、またはそれより長めのスカートを合わせた細いシルエットを軸に、クラシカルなツイードにデニムやレザーを合わせるなど、プレイフルなミックスマッチも披露した。そして、その装いを彩るのはボリュームのあるロングのグラスパールの多連ネックレスなど新作アクセサリー。ボーダーハットと乗馬ハットを組み合わせたような特徴的な帽子にビザンチン風の装飾やグラスパール、カメリアなどがついたストラップを飾ったものなど、メゾンの大切なアイコンをモダンに再解釈したアイテムがずらりと並ぶ。
「イブニングドレスにライディングブーツを合わせるミスマッチなスタイルが素敵だと思うんだ。あと、普段は違う素材に使うアイレット(鳩目)を飾ったニットも面白いでしょ。ニットの上に並ぶ鳩目がジオメトリックなパターンを描き出す。ショーのトップを飾ったのはフランボワーズピンクもフレッシュで気に入っているよ」
Celebrities
セレブリティがフロントロウをひときわ華やかに。
すべてのゲストがフロントロウを飾った今シーズン。もちろんその中でもキラ星のような輝きを放つセレブリティたちも多数、ショーに駆けつけた。ファレル・ウィリアムスやアナ・ムグラリス、キャロリーヌ・ドゥ・メグレ、そして日本からは女優の中条あやみさんの姿も。ウィル・スイスの娘で、女優で歌手のウィロー・スミスは「これまでで見たショーの中でいちばん感動したわ。カールの繊細なこだわりが細部まで行き渡ったすばらしいコレクションだった!」と興奮気味に語った。
texte: TOMOKO KAWAKAMI