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シャネルの扉 #05

シャネルの“フロントロー・オンリー”への想いとは。

Toc Toc Chanel

April 13, 2016

その昔、シャネルがカンボン通り31番地のサロンで最新作を発表していた頃の雰囲気を現代的に蘇らせて話題を呼んだ2016/17年の秋冬 プレタポルテコレクション。"フロントロー・オンリー"をキーワードに、すべてのゲストを1列目に座らせた今季は、座席を1列に並べることで、ランウェイの長さも普段よりぐっと伸びて、なんと全長640メートルに。その長いランウェイを女性モデル90人、男性モデル3人が、ひとり1ルックで時間をかけてゆっくりと歩いた。すべては、ゲストにシャネルの繊細な仕事を間近で見て、じっくりと堪能してもらうため。以前から、度々、届いていたファッションショーのときに席が遠すぎてディテールまで見えない・・・という人々の声に耳を傾けたカールのアイデアから生まれた演出だ。「すごく小さな箇所に施している手刺繍まで、しっかり見てもらうことができる。シャネルの服が大量生産では生まれないことがよく伝わると思うよ」とカール。
ガブリエル シャネルが好んだボーターハットとライディングハットをミックスしたようなデザインの帽子を被り、ライディングブーツを履いたモデルたちが一時に、果てしなく長いランウェイを行き交う姿は、まさに圧巻! シャネルだからこそ、実現できた新世代のサロンショーに観客たちも惜しみない拍手を送った。

©CHANEL

ゲストがアクセサリーのディテールまで堪能することができたのも、"フロントロー・オンリー"のショーならでは。ボーターハットとライディングハットの中間のようなハットに、カメリアやビザンチン様式のクロスやコスチュームパールで飾られたストラップが、フェミニンなタッチを加える。コスチュームパールのネックレスはスカーフのように重ね付けして。 シューレースが水平に付いたブーツはカーフスキンにツイード、ヴェルヴェット、デニムなどの組み合わせ。そしてボビンの形をしたイヴ二ングバッグや、絵文字をモチーフにしたコスチュームジュエリーなどウィットに富んだアクセントも楽しい。 ©CHANEL

Pharrell Williams at Chanel
ショーに出席した、ファレル・ウィリアムスに密着。

©CHANEL

シャネルの最新コレクションを"フロントロー"で観るためにアメリカから駆けつけたミュージシャンのファレル・ウィリアムス。ショーの当日、宿泊中のパリのホテルからシャネルブティックへと向かったファレルは、店の中をくまなくチェックして周り、お気に入りのアイテムをピックアップする。そして、ショッピングを楽しんだ後は、シャネルのコートに身を包み、2016/17年の秋冬コレクションをいち早く観るためにグランパレへ。会場の入り口に詰めかけたパパラッチに笑顔で答えるファレル。ショーでは、アナ・ムグラリスやウィロー・スミスなどの女性たちに混ざり、会場を沸かせた。ショーの後には、「もちろんレディスの服だって分かっているよ。それでも僕自身が着たいと思うジャケットがふたつほど、見つかったね。女性のモデルたちが纏った新作は、本当にすべてすばらしかった!」と語った。

texte: TOMOKO KAWAKAMI

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