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シャネルの扉 #08

キューバの色彩を纏った、シャネルの2016/17年 クルーズコレクション。

Toc Toc Chanel

May 25, 2016

毎シーズン、マドモアゼル・シャネル所縁の場所で披露されるクルーズコレクション。今回、2016/17年クルーズコレクション発表の場として、カール・ラガーフェルドが選んだのは、キューバ共和国の首都、ハバナだ。昨年の米国との国交回復を受け、いま世界から熱い視線が集まっている都市、ハバナ。そのメインストリートであるプラド通りに屋外ランウェイを設け、ショーを開催。

フィッティング風景やバックステージ、ショー後のパーティなどをとらえたムービーは必見。 ©CHANEL

1928年にフランス人造園設計士によって改装されたこのストリートは、パリとキューバを結ぶシンボルでもあり、ゆったりと幅を取った美しいモザイク柄の歩道に沿うように瑞々しい葉をつけた木々が並んでいる。キューバとフランスにルーツを持つ双子のボーカルユニット、イベイーの歌でショーが幕開け。白いワイドパンツにブラックのジャケット、そこにパナマ帽を被ったモデルのステラ・テナントが現れる。裾を折り返したパンツに胸元を大きく開いた白いシャツ。そこにブラックジャケットを合わせたマニッシュな中にもフェミニニティが光るスタイルがいかにもシャネルらしい。さらにカール・ラガーフェルドがキューバの正装と呼ぶ、ポケットや肩章、フラットなプリーツが特徴のキューバの伝統的なシャツ"グアヤベラ"がコレクションの軸に。もちろん、キューバの街を彷彿とさせる鮮やかなカラーパレットも特徴的だ。カラフルな配色が賑やかなプリントのドレスがハバナの夜を美しく彩る。パナマ帽や、革命家、チェ・ゲバラを連想させるスパンコールをあしらったベレー帽、そして軽快な足取りのフラットサンダル・・・。心も身体も解放されるようなエネルギッシュでエモーショナル、かつモダニティが満ち溢れるクリエーションはさすがシャネル。フィナーレには、カールやモデル、ショーの観客まで入り混じり、音楽に合わせて、大いに盛り上がった。

左:Look1  中:Look 17 右:Look 37 ©CHANEL

左:Look49  中:Look 57 右:Look 86 ©CHANEL

ハンドバッグには、クロシェのバックパックや"Coco Cuba"と刺繍されたバッグ、シガーボックス型のバッグなどが登場。 ©CHANEL

活気溢れるフィナーレ。 ©CHANEL

Celebrities
シャネルのアンバサダーや女優たちもハバナに集合。

豪華な顔ぶれ! ティルダ・スウィントンやジゼル・ブンチェン、キャロリーヌ・ドゥ・メグレ、アナ・デ・アルマス、ヴァネッサ・パラディらセレブリティのインタビュー。 ©CHANEL

左:ティルダ・スウィントン 右:シャネルのアンバサダーを務めるギャスパー・ウリエル(写真右)とモデルのガエル・ピエトリ(写真左) ©CHANEL

「毎回、次の都市はどこ?ってインビテーションが届くのを楽しみにしているの。まるで家族旅行か学校の遠足みたいな感じね。それが何と今回は、キューバ! ショーが始まって音楽が鳴り出してすぐ、その世界に入り込んでしまったわ」と女優のティルダ・スウィントン。もちろん、ティルダのように今回のキューバでのショーを楽しみにしていたセレブリティが世界各国から集まり、このエモーショナルなファッションショーを体感した。「とてもフェミニンでアクセサリー使いもすばらしかった。ドレスにジャケット、そこにパナマ帽を合わせたスタイルが気に入ったわ。色も綺麗だった。特にステラ・テナントが着たマルチカラーのドレスはキューバらしくて力強いイメージね」とは、シャネルのアンバサドレスであるヴァネッサ・パラディ。

texte: TOMOKO KAWAKAMI

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