LIST IMG

シャネルの扉 #13

シャネルとカンヌ映画祭の素敵な関係。

Toc Toc Chanel

August 10, 2016

今年5月、第69回目を迎えるカンヌ映画祭が華々しく開催された。話題の映画が続々と出品されることはもちろん、そこに出席するスペシャルなセレブリティたちの豪華絢爛なドレススタイルにも毎年、注目が集まることでも知られている。今年もシャネルのアンバサダーであるヴァネッサ・パラディやその娘、リリー=ローズ・デップ、そしてクリステン・スチュワートなど多くのセレブリティがシャネルのドレスをまとって、会場に華を添えた。

メゾンの歴史を紐解くと、そこにはマドモアゼル・シャネルとさまざまなアーティストたちとの間には、深い絆があることがわかる。時代を賑わせたジャン・コクトーやイーゴリ・ストラヴィンスキーなど、才能豊かな芸術家がまだ駆け出しだった頃、そして苦悩している時、マドモアゼル・シャネルは、いつも影から彼らのことを支えてきた。その彼女のマインドは、現在も受け継がれており、シャネルはいまも若い刺激的なアーティストを積極的に支援しているのだ。

左:ヴァネッサ・パラディはマルチカラーのレースに刺繍を施したドレスで登場。肩に飾ったコサージュがアクセント。中:パリジェンヌを代表するスタイルアイコン、キャロリーヌ・ドゥ・メグレは、ブラックシルクのドレスのウエストをベルトでマークして、こなれた印象に。右:クリステン・スチュワートは、シルクのシースルーのブラウスに、ペールグリーンのフラワーモチーフを刺繍したスカートをコーディネートしてシックに仕上げた。 ©CHANEL

左:今春夏のフード付コットンニットを着たリリー=ローズ・デップ。カジュアルな中にもモード感のあるデザインは、フレッシュな彼女のイメージにぴったり。中:スモーキーな目元がクリステンの魅力を引き立てるメイクアップもシャネルによるもの。右:クロエ・セヴィニーが着用したレザーに刺繍を飾ったドレスは2015/16年のメティエダールコレクションから。ウエストのリボンがガーリーな印象。 ©CHANEL

Cafe Society
ウディ・アレン最新作『Cafe Society』(原題)に衣装協力。

映画界とも密接な関係を築いているシャネル。5年ぶりにカンヌ映画祭に参加したウディ・アレンが監督を務める映画『Cafe Society』(原題)に出演したクリステン・スチュワートの衣装の一部も、マドモアゼル・シャネルのデザインアーカイブがヒントになっている。1930年代のアメリカ西海岸と東海岸を舞台に上流社会の人々のライフスタイルを描いた本作品。その歴史背景を鑑みれば、ハリウッドとニューヨークで社交界デビューを果たす秘書役を演じたクリステンが属するソサエティを表現するためにも、シャネルのエレガントな世界観は欠かせない重要な要素のひとつなのが伺える。また、この映画でクリステンと並び、もうひとりのヒロインを務めるブレイク・ライブリーが着用するショートパンツやシューズ、ジュエリーなどもシャネルのアトリエが本作品のために、アーカイブから忠実に再現したもの。この作品では、シャネルが提供する衣装、ジュエリー、そしてメイクアップに身を包んだクリステンとブレイクのファッションも見どころのひとつと言えそうだ。

『Cafe Society』(原題)より。 ©courtesy of Cafe Society

『Cafe Society』(原題)より。 ©courtesy of Cafe Society

Personal Shopper
『Personal Shopper』(原題)ロケをパリ・カンボン通りで敢行。

マドモアゼルのスピリットを引き継いで、いまも若い芸術家をサポートしているシャネル。その中のひとりが映画監督のオリヴィエ・アサヤスだ。1986年に手がけた初めての長編映画『無秩序』を発表して以来、精力的な活動を展開。2014年に発表した長編作品『アクトレス~女たちの舞台~』では、シャネルが初めて資金援助をすることに。そして、2016年、女優のクリステン・スチュワートを主役に据えた最新作『Personal Shopper』(原題)でカンヌ映画祭に参加。この作品への資金援助はもちろんのこと、シャネルはヒロインの衣装をいくつか提供し、数日にわたり、カンボン通りにあるアトリエも撮影のロケーションとして提供している。その重要なシーンは、パリに移住し、セレブリティたちのワードローブを管理する職を得た、クリステン演じる若いアメリカ人女性の姿をよりリアルに描くことにひと役買っている。

『Personal Shopper』(原題)では、クリステン・スチュワートがシャネルの2014/15年クルーズコレクションのドレスを着用した。 ©CHANEL

『Personal Shopper』(原題)撮影は、カンボン通りにあるシャネルのショールームでも行われた。 ©CHANEL

texte: TOMOKO KAWAKAMI

BRAND SPECIAL

    BRAND NEWS

      RECOMMENDED

      madame FIGARO.jpではサイトの最新情報をはじめ、雑誌「フィガロジャポン」最新号のご案内などの情報を毎月5日と20日にメールマガジンでお届けいたします。