ウィリアム皇太子夫妻を支える広報担当チームとは？

広報、コミュニケーター、秘書、アシスタントなど。ウィリアム皇太子夫妻のために働いているのは全部で50人ほどである。そのチームメンバーを紹介しよう。

ホワイトホース国際空港の駐機場にいるケンジントン宮殿のメンバーたち。（カナダ、2016年9月27日）photography: ABACA

キャサリン皇太子妃が加工された家族写真を公開し、英国中に衝撃が走ってから1ヶ月以上が経過した。しかし、これはキャサリン皇太子妃だけのせいではない。ケンジントン宮殿の広報担当チームにも疑問が投げかけられている。キャサリン皇太子妃の健康状態に対する不安が高まるなか、なぜ誰も写真の矛盾に気づかず、これから起こる論争を予想できなかったのだろうか？

英国のタブロイド紙「ハロー！」によれば、ウィリアム皇太子夫妻の広報、コミュニケーター、秘書、アシスタントを含め、全部で50人ほどが働いている。つまり、物議を醸している写真の公開を個人あるいは集団で阻止することができたかもしれない立派なチームなのだ。この「ケイトゲート」と呼ばれる騒動は、ケンジントン宮殿の運営や従業員の問題点を浮き彫りにするという点で、重要な意味があると言える。従者からスタイリスト、子どもたちの乳母に至るまで、ウィリアム皇太子夫妻の側近を詳しく見てみよう。

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信頼の女性、ナタリー・バロウズ

ナタリー・バロウズは、キャサリン皇太子妃の公式な予定を編成し、皇太子妃が公務で会う人々に関するブリーフィングを行い、さらにはスケジュールを管理し、旅を計画し、郵便物の整理も行う。公の場では、ハンドバッグや花束、グリーティングカードなど、一般人からの贈り物を運ぶ必要がある場合に備えて、常に皇太子妃の数メートル後ろに立っている。キャサリン皇太子妃の公務の間、ナタリー・バロウズはさらに大きなハンドバッグを持ち、その中に皇太子妃が必要とするかもしれない貴重なアイテムを大切に保管している。しかし、この控えめなスタッフの過去についてはわかっていない。リンクトインのプロフィールからも何もわからない。初めて世間がキャサリン皇太子妃の信頼を勝ち得た彼女の存在を知ったのは、2018年11月のことである。彼女はキャサリン皇太子妃に最も近い立場になったとさえ言われている。

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新秘書、トム・ホワイト

トム・ホワイトは、キャサリン皇太子妃を見守るチームの一員にわずか1か月ほど前に就任した。2022年に辞任したハナ・コックバーン＝ロジーの後任を探していたのだ。彼女の後任であるトム・ホワイトは2月22日に着任し、すぐにメディアの嵐に巻き込まれた。偽造写真事件が起こり、事態はさらに悪化した。ちなみに、トム・ホワイトは自国では戦争の英雄とみなされている。ロジャー・フェデラーに似たこの男性は、若い頃からアフガニスタンで働き、勇敢な行動で頭角を表した。わずか20歳で英国海軍の一部である英国海兵隊に入隊した彼は、22歳でアフガニスタンでの任務に従事した。同年2009年3月、彼は同国南西部のヘルマンドにある学校への攻撃未遂事件を阻止し、数十人の命を救った。タリバンの戦闘員によって、教室のひとつに爆発物が隠されていたのだ。「何が起きていたかと思うと吐き気がする。大勢の子どもたちが吹き飛ばされていたかもしれないのに、彼らは気にも留めず、命の大切さも知らないのです」と、彼は報道陣に語ったと、後に雑誌「ヴァニティフェア」が報じた。彼は後に中佐に昇進した。

2020年、トム・ホワイトはついにエリザベス女王の従者としてバッキンガム宮殿に入宮した。2022年9月にエリザベス女王が96歳で亡くなるまで付き添い、王室メンバーの信頼を得た。ハナ・コックバーン＝ロジーが「個人的な理由」で辞任して以来、私設秘書がいなかったキャサリン皇太子妃が彼に声をかけることは当然のことだった。試用期間を経て2023年11月に公式に昇進し、キャサリン皇太子妃の公的および私的な業務を管理するよう任命された。彼の重要な任務の中には、皇太子妃のスケジュール調整と、公共の場での彼女の露出度の管理が含まれている。

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控えめなイメージコンサルタント、ナターシャ・アーチャー

アッサム空港の駐機場にいるナターシャ・アーチャー。（2016年4月12日）photography: ABACA

キャサリン皇太子妃の目を引く華やかな装いの裏には、スタイリストのナターシャ・アーチャーの存在がある。彼女は2014年からこの仕事に就いている。彼女のことはほとんど知られていない。Instagramのアカウントもなく、インタビューも存在せず、社交的な様子もほとんどなく、さらにドラマもない。イギリスのマスコミは、彼女のパートナーのクリス・ジャクソン（ゲッティ・エージェンシー所属の写真家で、数年前からイギリス王室の公式訪問に同行している）との間にもうけた2人の子どもの誕生について、数行を引き出すことには成功した。しかし、彼女はイギリス王室の側近としてふさわしい上品で洗練された経歴を持っていることが明らかになっている。

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デジタル戦略ディレクター、デイヴィッド・ワトキンス

デイヴィッド・ワトキンスは、ハリー王子とメーガン夫人が王室を離れることを決定した際、余剰人員となった15人のスタッフのひとりとして解雇された。しかし、ハリー王子一家とウィリアム皇太子一家の距離はわずかだ。メーガン夫人とハリー王子がアメリカに旅立った2020年、バーバリーで働いた経験のある31歳のアイルランド人男性はキャサリン皇太子妃とウィリアム皇太子の目に留まり、デジタル戦略の責任者として彼を雇った。最近のキャサリン皇太子妃と彼女の3人の子どもたちの合成写真で、彼のチームは苦労しているに違いない。

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ウィリアム皇太子の私設秘書、ジャン＝クリストフ・グレイ

ファーストネームはフランス人だが、実はジャン＝クリストフはイギリス人だ。オックスフォード大学出身で48歳のジャン＝クリストフ・グレイは、2012年から2015年までデヴィッド・キャメロン元首相の公式スポークスマンを務めた。そして、2021年からウィリアム皇太子の私設秘書としてケンジントン宮殿の重要な人物となっている。ウィリアム皇太子の公務を管理し、ルイス・レイノルズなどの副秘書が彼を支えている。彼らもまた、首相府での経験を持っている。

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乳母、マリア・テレサ・トゥリオン・ボラーロ

2014年、数週間の面接の後、ウィリアム皇太子夫妻は最終的に彼女を雇い、彼らの第一子ジョージ王子をフルタイムで世話をすることになった。ウェールズで愛されるこのスペイン出身の乳母は、模範的な経歴の持ち主だ。マリア・テレサ・トゥリオン・ボラーロは、イングランド西部バースにある1892年創立の裕福な家庭に人気の保育園、ノーランド・カレッジで保育士としての訓練を受けた。そこで、彼女は激しいパパラッチを扱う方法やあらゆる気象条件下での高速運転を学んだ。また、料理、裁縫、護身術、応急手当も学んだ。最近ではそのようなスキルは貴重なものとなっている。キャサリン皇太子妃の入院とアデレード・コテージでの療養開始以降、彼女はこれまで以上に存在感を増していると複数のタブロイド紙は伝えている。

左からキャサリン皇太子妃、ウィリアム皇太子、マリア・テレサ・トゥリオン・ボラーロ、エリザベス女王。(サンドリンガム、2015年7月5日)　photography: Abaca

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ウィリアムの耳元でささやく従者、ロブ（ロバート）・ディクソン

ジョニー・トンプソン中佐、オリバー・プランケット少佐とともに、ロブ・ディクソンは王室ファンを沸かせるウィンザーの従者トリオのひとりだ。彼は2020年9月以来、王室海軍での輝かしいキャリアを一時中断し、ウィリアム皇太子に仕えている。何しろ、この英国人の経歴は素晴らしい。英国海軍で23年以上を過ごし、ヘリコプターの教官を3年間務めた。現在、彼はウィリアム皇太子の従者として働き、厩舎を管理している。18世紀にさかのぼる歴史的な役割だ。「従者は君主の目と耳である」とよく言われる。それぞれに信頼できる相手がいて、ウィリアム皇太子にとってはロブ・ディクソンが頼りの存在なのだ。

ロイヤルアスコットでのロバート・ディクソン。 (サンドリンガム、2023年6月23日)　photography: Getty Images

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ヘアスタイルを支えるアマンダ・クック・タッカー

最後になるが、アマンダ・クック・タッカーは英国王室専属のヘアスタイリストでウィンザー家のメンバーをよく知る。ウィリアム皇太子とハリー王子が子どものころには彼らの髪の手入れをしていた。彼女はキャサリン皇太子妃の親しい友人のひとりだと言われている。

ホワイトホース国際空港の駐機場にいるアマンダ・クック・タッカー。 (2016年9月27日) photography: Abaca