高校時代の仲良し4人組、小さな町から世界へ! サマソニにも来日したガールズバンド、フローレンス・ロードに注目。

Culture

フローレンス・ロード/ミュージシャン

Florence Road/フローレンス・ロード
ミュージシャン
2019年、16歳の時に結成。写真左からアルヴァ・バリー、ハンナ・ケリー、リリー・アロン、エマ・ブランドン。バンド名は高校のあった通りの名前から。オリヴィア・ロドリゴのツアーのオープニングアクトを務めたことでも脚光を浴びた。サマーソニック2026で初来日。

高校時代の仲良し4人組、小さな町から世界へ。

アイルランド出身のガールズバンド、フローレンス・ロードは、高校在学中に友人同士で結成。楽器初心者がいたにもかかわらずTikTokなどで注目を集め、結成から6年後にプロデビューを果たした。音楽に囲まれて育った4人はジャムセッションから楽曲を生み出すが、その魅力を支えているのは、とにかく仲のいいメンバー同士の関係性だ。

「最初は好きな曲を演奏するだけで楽しかった。でも、ハンナや私が12歳から曲を作っていたので、自然と自分たちの曲をやるようになった。ウィックロウ州のすごく小さな町で、どこにでもいるような女子が結成したバンドがプロになれるとは思っていなかったけど、音楽を通して自分たちを表現することが大好きで、やり続けていたの」(リリー/Vo&Gt)

オリジナル曲を初レコーディングした17歳の時に、うれしさのあまりTikTokに投稿したのが始まりだった。「5人くらいしか見ないと思っていた」が、予想外の反響を呼んだ。

「2曲目の『Heavy』がヨーロッパやオーストラリアでも聴かれていることがわかり、そこから『カバー曲をやめて自分たちの曲で勝負していこう!』となったの」(ハンナ/Dr&P)

なかでも声色を自在に変化させるなど圧倒的な歌唱力を誇るリリーは、合唱団に所属する母やバンドをやっている父の影響で「歌いながら生まれてきた」と話すほど歌うことが大好き。その解き放つ感情は、「多分フラストレーションを全部吐き出すカタルシスのような感覚」と話し、混沌とした思いと対峙する歌は観客の心と共鳴し、ライブ会場で大合唱となる。曲作りのジャンルは多様で、展開が予想できない「Miss」のような曲も魅力のひとつ。リリーの揺れる感情に寄り添うエマは、ギター選びにとてもこだわったという。

「使用しているギターは、温かみがあるけど少し暗いサウンドも出せて、バンドの音に合っていると思った。ソフトな曲調からヘヴィな音に切り替えられるし、多彩なトーンをこれ一本で出せるところが特に気に入っている」(エマ/Gt)

ハンナはクラシックピアノもギターも弾けるなど音楽的素養が豊かで、アルヴァ(Ba&Cho)はセッション中にリリーが何げなく口にする言葉を歌詞へと整理する才能も持つ。4人を姉妹にたとえるとハンナが長女、アルヴァが末っ子、5歳から幼なじみのリリーとエマはやんちゃな双子のようだという。

最後に、バンド活動において心がけていることを聞いた。

「みんなが気持ちよくこのバンドに取り組めるようにしっかりとコミュニケーションを取り、また、楽しめるようにお互いの空間を尊重すること」(リリー)

「友だちでいることを大切にする。ただバンド活動するだけではなく、食事に行ったり、散歩をしたりね(笑)」(エマ)

『ビトウィーン・シーズンズ』¥3,410/ワーナー・ミュージック

『ビトウィーン・シーズンズ』
これまでにリリースした2枚のEP『Fall Back』(2025年)と『Spring Forward』(26年)を合わせた日本独自の編集盤。代表曲「Hanging Out To Dry」をはじめ、イギリスでSound of 2026にノミネートされた話題の彼女たちの魅力が満載。

  • photography: Kate Poling-Cummings
  • text: Natsumi Itoh

*「フィガロジャポン」2026年11月号より抜粋