翼に2500個のダイヤモンド! ローズベリー伯爵夫人が身に着けたカルティエのティアラ「ヴァルキリー」が話題に。

Culture

10月17日、大英博物館のチャリティーガラに出席したハリエット・ド・ローズベリー伯爵夫人は、ジュエリーメゾンのカルティエが手がけた、ダイヤモンドをあしらった翼のようなデザインのティアラを身に着けていた。豪華さ、その歴史、そして独特のデザインという、いずれの点でも際立つ類まれなジュエリーである。

2026年、大英博物館チャリティー・ボールでのローズベリー伯爵夫人。
photography: Darren Gerrish / Getty Imagesfor The British Muse

「ヴァルキリー(Valkyrie)」ティアラの魅力は、神話に着想を得た壮麗なデザインと貴族社会に受け継がれてきた由緒ある歴史、その両方にある。10月17日、名門オークションハウス「サザビーズ」の会長を務めるローズベリー伯爵の妻、ハリエット・ド・ローズベリー伯爵夫人が、ロンドンの大英博物館で毎年開催されるチャリティーボールに出席し、この歴史的なティアラを身に着けたことで、再び脚光を浴びることとなった。カルティエが手がけたこの類まれな逸品には、壮麗な翼があしらわれている。ローズベリー伯爵夫人は、イタリアのクチュールメゾン「ガレッロ・アトリエ」に特注したロングドレスを合わせた。赤い生地を用いた、流れるようなシルエットが美しい一着で、夜会のテーマ「レッド」にちなんだ装いだった。

「ヴァルキリー」ティアラは、類まれなジュエリーである。1935年、ロックスバラ公爵未亡人メアリー・ゴレットが、ひとり息子である第9代ロックスバラ公爵とメアリー・クルー=ミルンズの結婚を祝して、花嫁となる彼女に贈ったものだ。

2500個のダイヤモンド

19世紀を代表する革新的で影響力のあるジュエリーを数多く生み出し、「ダイヤモンドの改革者」と称された、ベルギー出身のフランス人宝飾職人オスカー・マサン。1880年代に彼が制作した、取り外し可能なダイヤモンドの壮麗な翼は、後にフランスのジュエリーメゾン、カルティエがデザインした同じ意匠のヘッドバンドに取り付けられた。この翼は、神々の主オーディンに仕える北欧神話の女神ヴァルキュリーを思わせると同時に、リヒャルト・ワーグナーのオペラ作品『ニーベルングの指環』に登場するヒロインたちが身に着ける、翼のある兜をも連想させる。ティアラには、ブリリアントカット、ローズカット、バゲットカットのダイヤモンドが合計2500個以上あしらわれ、金と銀のフレームにセッティングされている。カルティエが手がけた、このタイプのティアラの最後の作品である。

From madameFIGARO.fr

※この記事は、フランスの新聞社「Le Figaro」グループが発行する「madame.lefigaro.fr」で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。

  • text: Bénédicte Magen (madame.lefigaro.fr)
  • translation: Hanae Yamaguchi