東京オリンピック期待の星、サーファー五十嵐カノア。

インタビュー

「平成」が終わりに近づき、来年には東京オリンピックを控えるなど何かと変化の多い昨今。そんななか、海を愛し、世界中を旅してサーフィンと対峙してきた男がいる。弱冠21歳、カリフォルニアに生まれカリフォルニアに育った日本人、五十嵐カノアだ。

生まれた場所は南部のサーフシティ、ハンティントン。すぐ近くにビーチがあり、呼吸するのと同じくらい当たり前のこととして、サーフィンが生活に根ざしていたという。

東京オリンピックに向け日本代表として参加する意向を表明し、いまその活躍に目が離せない五十嵐が緊急来日。サーフィンのことからプライベートまでインタビュー。動画で6問6答にも答えてもらった。

さらに今回は特別に、フィガロ読者のために用意してくれた直筆サイン入りポスターを抽選で3名様にプレゼント! 記事の最後に応募詳細があるのでお見逃しなく。

五十嵐カノア 01

ーー自分にとってサーフィンはどのような存在ですか?

サーフィンはライフスタイル。父と一緒にできる趣味として始めてみたら、おもしろいなって。カリフォルニアに住んでいたら毎日できるスポーツだし、朝起きたらサーフィンして、学校が終わったら友達とサーフィンに行って。いつの間にか生活の一部になっていました。

ーー数々の大会に出場されています。心身のコントロールの秘訣は?

プレッシャーが好きなんです。勝つチャンスがあるというだけでモチベーションになります。負けず嫌いというわけではないのですが、勝つことが好きです。

朝早く起きてトレーニングに行って、友達からの遊びの誘いを断って練習をして……。犠牲、といったら言葉が強すぎるかもしれないですが、いろいろなことを我慢してサーフィンに時間を捧げてきたので、結果として勝ちにつながると本当にうれしいです。あの時朝早く起きたから勝てたのかもしれないとか、日々の積み重ねが結果に表れると思うので。

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五十嵐カノア 02

ーー試合に入る前のルーティーンはありますか?

試合が始まる前は、必ず音楽を聴きます。ブラジルにいる時はブラジル音楽だったり、たまにラジオで流れてくる曲も聴きますし、ハウスもヒップホップもジャンルは問わないです。その日の気分で聴きたい曲を聴いています。

あとは、友人のヤング・ピンチ(YUNG PINCH)が作った曲もよく聴いていますね。レコーディングしているところも見ているので、それが形になった曲を聴くのがおもしろくて。世に出るまでのストーリーというか、過程が自分の経験と似かよっている部分も多いので、そういった意味でもヤングの音づくりにはシンパシーがあるんです。

ーーテニスプレイヤーの大坂なおみさんや、野球選手の大谷翔平さんなど、いま日本人アスリートの活躍に注目が集まっています。彼らの活躍を見てどう思いますか?

自分のモチベーションになりますし、特に歳が近い人の活躍を見ると、頑張らなきゃと思います。サーフィンなら、大原洋人、村上舜とは去年一緒に日本代表として戦って、チームで金メダルをとりました。日本人サーファーはこれからどんどん活躍すると思います。一緒に頑張っていきたいですね。

ーー今後、チャレンジしたいことはありますか?

サーフィンをもっと世の中に広げたい。特に日本の子どもたちに、サーフィンがどんなに素晴らしいスポーツか知ってもらいたいです。ネクストジェネレーションですからね、彼らは。近い将来、日本はサーフィンが強い国と言われるくらいに盛り上げていきたい。もちろん、2020東京オリンピックでは金メダルをとりたいです。

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五十嵐カノア 03

ーー休日は何をしていますか?

サーフィンです。いまのような取材とかが仕事の時間で(笑)、リラックスしたい時はサーフィンをしています。海に入ると気持ちよくて、温泉に入っているみたいな感覚。友達と一緒に過ごせますし、サーフィンが仕事っていう感覚はありません。

ーー地元のカリフォルニアでおすすめのお店は?

最近、「パシフィック シティ」というモールができて。カリフォルニアのスタイルとは違う、少し変わったオルタナティブな店があるんです。あとは、コスタメサにある「ザ・キャンプ」というモールもオレンジカウンティなスタイルで好きです。

ーーいつもはどんな服を着ていますか?

シャツを着ています。クイックシルバーの服が多くて、ヨーロピアンテイストやロンドンっぽいムードがあるスタイルが好きです。ヨーロッパのクイックシルバーの店に行くと、テイストがカリフォルニアとは少し異なるので、おもしろいですね。

五十嵐カノア 04

ーー好きな映画は?

サッカープレイヤーのドキュメンタリー映画『ペレ 伝説の誕生』です。レジェンドだからペレ本人のことはもちろん知ってましたが、自分のストーリーと重なるところもあるので好きです。

ーー世界中で、いちばん好きな海はどこですか?

ポルトガル、リスボンの海ですね。海とシティが歩いて15分くらいの距離にあって、本当に近いんです。海の目の前に東京があるような感じなんです。ヒッピーなサーフタウンも好きですが、僕はファッションとか音楽も大好きなので、海が近いのにシティのカルチャーを感じられるリスボンが好きです。

ーー何度も読んでいる本はありますか?

クリスティアーノ・ロナウドとか、テニスプレイヤーのドキュメンタリー本を読みました。タイトルを忘れてしまったのですが、やっぱり実人生の物語が好きなので。

あとは、スポーツをやってる人が書いたビジネスの本。トップクラスのビジネスパーソンはなぜ普通の人と違うのか、とても勉強になりました。

五十嵐カノア 05

ーーいま夢中なことは何ですか?

フィールドは違うんですけど、同じく世界のトップを目指して頑張ってる友達と話すのが楽しいです。たとえば、最近レコードレーベルと契約をしたミュージシャンの友達からは、いまタイミングが悪いから新しいアルバムを出せないとか、別レーベルのアーティストとコラボしたいけど色々な事情でやらせてもらえない、とかの苦労話を聞いて。

サッカー選手の友達は、新しいチームに入って、いいチームだけど優秀なプレイヤーが多いから自分は選ばれない、やりたくてもやれないのが悔しい、とか。

それぞれのプロセスやフィールドは違うけれど、みんな世界のトップを目指して努力していて、考え方がすごく似ているんです。モチベーションにもなりますね。

ーー最後に、恋愛は……?

彼女はいないです。東京オリンピックのこともあるので、いまはそこに集中したくて。仕事をしない日は友達や家族とも一緒にいたいですし。しばらくはサーフィンに集中したいと思っています!

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五十嵐カノアに、6問6答!

Q.1 好きな色は何ですか?

Q.2 何時に起きて、何時に寝ますか?

Q.3 フランス語で好きな言葉は?

Q.4 最初に好きな女の子にプレゼントしたものは?

Q.5 好きな動物は?

Q.6 言われてうれしい言葉は?

直筆サイン入りポスターを3名様にプレゼント!

フィガロ読者のために用意をしてくれた、五十嵐カノア選手のサイン入りポスターを抽選で3名様にプレゼント。詳細は下記の応募フォームをチェックしてみてくださいね。(※締切は3月12日(火)となります)

プレゼントのご応募はこちら

Kanoa Igarashi
1997年生まれ。カリフォルニア・ハンティントン出身。両親は日本人で、現在も米国に在住するサーファー。2016年より、世界で活躍するトップサーファー34人のみが出場を許されたWSLチャンピオンシップツアー(CT)に、最年少、かつアジア人で初めて参戦。17年2月、2020東京オリンピックの日本代表として出場の意を表明。18年のCTより、日本人選手として出場し3年目のシーズンに参戦中。CTランキング10位、QSランキング1位(2018年12月現在)。木下グループ所属。

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photos : TETSUO KASHIWADA (KiKi inc)

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