Music Sketch

MUSIC SKETCHのプレイリストで日々の生活に潤いを♪④

Music Sketch

SpotifyのmadameFIGARO.jpのチャンネル内でスタートした「MUSIC SKETCH」のプレイリスト、聴いてくださっていますか? 隔週金曜日に更新して、たまに週明けに曲順を入れ替えることがありますが、3月は変更なしで進めています。

■ 曲優先でセレクトしたら、実は日本人だったANIMAL HACK

今はオルタナティヴR&Bと呼ばれるものを含め、R&Bがヒップホップはもちろん、ダンス系のクラブミュージックやベースミュージック、エレクトロニカにも浸透しているため、そのあたりはざっと続け(繋げ)やすいのですが、一方で浮いてしまいがちなのがロック。ロックをもう少し加えてほしいという要望があったので、201803 Vol.1は意識して3曲目から持ってきたのですが、いかがでしたか。

180222_spotify_02.jpg

オープニングはANIMAL HACK「LETTER」。選曲する際は、新譜情報や各国のチャート、そしてSpotifyのニューリリースのハブにあがってきた曲を中心にチェックしています。この1曲はそのハブで聴き、すぐに気に入り、思い切って最初に持ってきました。目覚めにガツン!と効くし、オープニングにふさわしい華やかさも感じたからです。あとから、メンバーの方からリプが届いて知ったのですが、日本人2人組のユニットでした。これまでもuchuu,やUQiYO、The fin., yahyelほか、日本人アーティストの曲は入れてきましたが、「LETTER」は全くそれを意識しないで選んだので驚きました。

メールで訊いたところ、日本語歌詞ではないダンス・ミュージックを作ろうと意識した理由は、「世界中の人に自分たちの音楽を届けたいと思ったときに、このジャンルの音楽に、ストリーミングサービスや各種大型ダンスフェスなどを通してライトなリスナーも取り込んでいく裾野の広さを感じ、そこに大きな可能性があると考えたから」だそう。

ANIMAL HACKは2人ともロックミュージックが好きということもあって、シューゲイザーやエモ、インディ・ポップなどのアプローチも取り入れるようにしているそうで、そこに私も嵌ったのだと思います。曲作りでは自分たちが触れてきた映画や写真、文学などから得たものを反映することを心がけ、例えば映画では『ガタカ』『TIME/タイム』『わたしを離さないで(Never Let Me Go)』 等を挙げていて、「未来ないし、現在とは違う社会状況・設定の中での人間模様やタブー視されていることに切り込んだ、“現在の社会”を相対化してみることができる作品が特に好き」とのこと。どれも私の好きな映画だし、他にもやりとりしていて、瞬時に「LETTER」を気に入ってしまった理由がわかるような気がしました。

なお、この曲名は「アルバムジャケットの風船に対し、届けたい場所だけでなく予想もしない場所にいるより多くの人に届ける括り付けられた手紙を想定して決めました」とのこと。過去には『(500)のサマー』やJ.D.サリンジャーの『フラニーとジョーイ』からインスパイアされてできた楽曲もあるそうで、今後の活躍が楽しみです。

180323-ms-01.jpg

ANIMAL HACKのアルバム『GIFT』のジャケット写真。

ハイ・タイド、ドリーム・ワイフ、シェイムの3バンドが続いた後のリタ・オラからは、通常の緩めのチューンが続きます。グラミー賞でプレゼンターとしてのスピーチのインパクトを残した、ジャネール・モネイのニュー・アルバムは今から楽しみだし、公開から大ヒット・ロングランになっている『グレイテスト・ショーマン』や、『ブラックパンサー』『シェイプ・オブ・ウォーター』のサウンドトラックからも選曲しています。日本人ではyahyelの他に、女性シンガー・ソングライターの優河、iriのアルバムがとても良いので、そこからも選んでいます。終盤はキンブラの新曲も含め、心地よく眠りに誘ってくれると思うので、聴きたい曲を気分に合わせて流してみてください。

■ エレクトロニカ系の曲を中心にした201803 Vol.2

201803 Vol.2は、オランダのプロデューサー/DJのR3HAB(リハブ)の「Hold Me (AmPm Remix)」から。R3HABの楽曲はこれまでも取り上げていますが、ブチアゲ系のEDMに多い先鋭的なサウンドではなく、優美な音色を弾ませるバウンス系なので、寝ぼけ眼で聴いていても心地いいですよね。続いては、前からアルバート・ハモンドJr.(ストロークス)の最新アルバム『FRANCIS TROUBLE』が非常に素晴らしく、そこからどうしても曲を入れたかったのですが、ようやく「Stop and Go」で嵌りました。

アウスゲイル 「I Know You Know」 こちらはオリジナル・ヴァージョン。地元のアイスランドで撮影している。

この回はリミックスを多めにし、アウスゲイル、ソンといったエレクトロニカ系をいつもよりも増やすなどして、緩やかな流れにしています。

ロイル・カーナーはアデルやエイミー・ワインハウスが在籍したことで知られる名門ブリット・スクールを卒業した新人ラッパー(キング・クルールが同級生)。2018年度Brit Awardsで2部門にノミネート、NMEアワードではエド・シーランやリアム・ギャラガーを抑えて最優秀ブリティッシュ・ソロ・アーティスト賞を受賞し、今最もイギリスで注目されている1人です。サーペントウィズフィート(serpentwithfeet)はボルチモア出身のエクスペリメンタルR&B,ゴスペル・シンガー/パフォーマンスアーティスト。こちらもぜひ注目してほしいアーティストなので、何かの機会にしっかりご紹介したいです。

最後の曲は公開中の映画『リメンバー・ミー(原題:COCO)』の主題歌「Remember Me」のララバイ・ヴァージョン。メキシコを舞台としたディズニー/ピクサーのアニメーション映画とあって、ガエル・ガルシア・ベルナルが声優として参加し、この曲でも彼の歌声を聴くことができます。この映画の共同監督をインタビューした時の記事を前回の「MUSIC SKETCH」に書きましたが、こちらの映画もオススメです。

180222_spotify_01.jpg

アーカイヴはこちらに入っています。

*To Be Continued

伊藤なつみ

音楽&映画ジャーナリスト/編集者
これまで『フィガロジャポン』やモード誌などで取材、対談、原稿執筆、書籍の編集を担当。CD解説原稿や、選曲・番組構成、イベントや音楽プロデュースなども。また、デヴィッド・ボウイ、マドンナ、ビョーク、レディオヘッドはじめ、国内外のアーティストに多数取材。日本ポピュラー音楽学会会員。
ブログ:MUSIC DIARY 24/7
連載:Music Sketch
Twitter:@natsumiitoh

RELATED CONTENTS

BRAND SPECIAL

    BRAND NEWS

      • NEW
      • WEEKLY RANKING
      SEE MORE

      RECOMMENDED

      WHAT'S NEW

      LATEST BLOG

      FIGARO Japon

      FIGARO Japon

      madameFIGARO.jpではサイトの最新情報をはじめ、雑誌「フィガロジャポン」最新号のご案内などの情報を毎月5日と20日にメールマガジンでお届けいたします。

      フィガロジャポン madame FIGARO.jp Error Page - 404

      Page Not FoundWe Couldn't Find That Page

      このページはご利用いただけません。
      リンクに問題があるか、ページが削除された可能性があります。