「グラマー」を「無邪気な視点」で描く、2027年春夏ドリス ヴァン ノッテン。

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2026年9月30日(現地時間)に開催されたドリス ヴァン ノッテンのショーの招待状は、まるで映画のポスターのようなデザインだった。タイトルは『ON EVERYONE’S LIPS』。口元をクローズアップしたヴィジュアルと共に、クリエイティブ・ディレクター、ジュリアン・クロスナーとメンズのショーのスタイリングを務めているロビー・スペンサーの名も記載されていた。

会場の入り口にもたくさんのポスターが貼られており、ハネ・ギャビー・オディールがトップを飾ったランウェイでも、ポスターのビジュアルがいくつか用いられていた。

レディライクなスタイルでありつつも、ベーシックなポロシャツやTシャツなとをスタイリングし、色柄もミックスマッチさせている。

ショー終了後、取材に応じたクロスナーによれば、今季は「グラマー」が出発点になったという。

「着飾ることは、時に少しネガティブに捉えられるかもしれません。でも、誰でも “すごくグラマーな気分を味わいたい”時があることを、素敵だな、と思っているんです。そこで、私たちは“無邪気な視点”でどんな時に“グラマー”を感じるか、ブレインストーミングしてみました」。

そこでは、「ベルトをきゅっと締めた時」「きらめくブローチを付けた時」「タイトなグローブをした時」「華やかな色を身に纏った時」などが挙がったよう。

「昔から持っている服でも、一瞬で“グラマー”にしてくれるから私はブローチが大好きなんです」。

華やかさの象徴であるフラミンゴ、ドレスアップして臨むカクテルアワーを連想させるマティーニ・グラス、アイラインを効かせた目、キスマークといったモチーフも「グラマー」から。

さらに連想したのが「映画」だったという。

「たとえば1枚に物語が凝縮されている1950年代の映画のポスターをイメージしたヴィジュアルを制作し、コレクションに用いました。映画のポスターは、独特のグラフィック言語と色彩を持つ、ある種の“アート”だと思っています」。

加えて人物像は「完璧にドレスアップして役になりきる一方で、撮影の待ち時間を過ごしたり、あるいはプライベートで街を歩いたりしてオンとオフを行き来する映画スター」に。音楽は、多くの映画音楽を手がけたイタリアの作曲家ピエロ・ウミリアーニ(1926-2001)の作品を採用した。 

映画だけではなくカラーパレットについても1950〜60年代を参照したようだが、「ワードローブのお気に入り」と呼んでいるというポロシャツやメンズのシャツ、Tシャツといったベーシックアイテムをスペンサーが巧みに組み合わせ、着方にニュアンスを持たせていた。結果、さまざまな要素を融合させ、いまの気分に沿うスタイルに着地させるというブランドらしさを表すことに。

バックステージで、歯切れ良くテーマについて語り、質問に対してもよどみなく返していたクロスナー。クリエイティブ・ディレクター就任から2年近くを経たいま、確かな道筋が見えているのに違いない。

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  • photography: GoRunway
  • text: Itoi Kuriyama