「間」が織りなす、イッセイ ミヤケの2027年春夏コレクション「Figure of 𝙈𝙖」。
イッセイ ミヤケは、パリのフランス柔道連盟本部柔道場(Dojo de Paris)にて、2027年春夏コレクション「Figure of 𝙈𝙖 ―間のかたち―」を発表した。人が布を纏うとき、そこに生まれる目に見えない「間」。それが身体と出会い、呼吸するように動き出す——そんな詩的な一節から、今シーズンは幕を開ける。

ショーの冒頭を飾ったのは、巨大な一枚布を使ったパフォーマンス。振り付けと演出を手がけたのはテス・ヴォルカーで、彼女自身もダンサーとしてパフォーマンスを行なった。会場を覆うほどの布が、まるで生き物のようにゆったりとうねり、ダンサーたちの動きとともにかたちを変えていく光景は、今季最大の見せ場として話題を呼んだ。布と身体のあいだに生まれる「間」そのものを動きで体現した、劇的な幕開けとなった。

1枚の大きな布と戯れるところから始まったという今コレクション。「衣服」という概念にとらわれない、もっとも原初的な「間」を見出すこと——その実感こそが、今回の服づくりの拠り所になっている。感覚をかたちにしていく過程では、ピアニストの中野公揮を迎え、「豊かさ」をめぐって作曲と服づくりが呼応し合う対話を重ねた。聴覚と視覚を結びつけるその交流が、浮遊するように軽やかで、包み込むように朗らかなコレクションを生み出した。
ラインナップも、「間」をめぐる探求に満ちている。
水の流れを無縫製のニットで表現した「FLUIGLYPH」。



大きな布が波を打つように空気をたたえるさまから着想を得た「BALLOON TWIST」。


横方向のプリーツが動きに合わせて弾む「TEMPO PLEATS」。



京都の職人が水面に顔料を垂らして一枚ずつ手描きした「BUBBLE(INK MARBLING)」は、空へ上昇する風船が描かれ、絵柄のひとつひとつがまるでシャボン玉のように違う表情を見せる。


そして、前後の身頃に長さの差をつけ、着る人の動きに合わせてふんわりと膨らむ「BALLOONING」まで、どのシリーズも身体と布の”間”を、素材と構造の両面から探り続けている。


さらに今季は、ワコールとの協業による新しいボディ「COCOON BODY」も登場した。蚕が繭を紡ぐように、溶かした樹脂を吹き付けて成形されたこの彫刻的なボディには、「着ることの記憶」そのものが宿る。

フットウェアでは、カンペールとのコラボレーション第4弾「Peu Lift」「Peu Formula」も発表。日本の伝統的な履き物をユーモラスに解釈した1足と、履き込まれた協業第1弾の「Peu Form」の歪みや痕跡までをデザインに落とし込んだ1足が、両ブランドに通じるものづくりの精神を静かに物語っていた。

- photography: IsseyMiyake Filippo Fior(GoRunway) Salvatore Dragone(GoRunway) Andrea Adriani(GoRunway) Stefania Danese(GoRunway)
- text: Akiko Mizuguchi
- edit: フィガロジャポン編集部