清涼な水を纏ったようなシャネルの最新コレクション。
Le cercle Chanel
エアポートやスーパーマーケットが舞台になったり、ロケットが登場したりと話題に事欠かないシャネルのランウェイショー。そんなシャネルによって今回、パリのグラン・パレに再現されたのは、岩肌に囲まれたいくつもの滝。水が流れ落ちる大きな滝をバックに設置されたランウェイを、2018年春夏コレクションに身を包むモデルたちが闊歩する。
©CHANEL
細かい水しぶきが舞うマイナスイオンたっぷりのショーでは、まさに観客の度肝を抜く、シャネルの真髄が見え隠れ。オープニングを飾ったのは、あの歴史に残るスーパーモデル、シンディ・クロフォードの愛娘、カイア・ガーバーだ。メゾンのコードであるツイードのジャケットは、透明感のあるビニールのハットやサイハイブーツとミックスされ、斬新なスタイルへと昇華される。
「フローレンス・アンド・ザ・マシーンの曲『What The Water Gave me』が今シーズンのヒント。シャネルのクリエイションは、ファンタジーとリアリティが半々でなくてはいけない。実生活でまったく着ることができない服をデザインすることは、シャネルの哲学に反することだからね」とカール・ラガーフェルド。その言葉どおり、最新作でも、現代を生きるさまざまな女性たちのワードローブにフィットする、夢もあるけれど、リアルに着られる力作がずらりと並んだ。
フローレンス・アンド・ザ・マシーン「What The Water Gave me」
フロントローを彩った国内外のセレブリティ。
10月初めに開かれたパリコレクション。その最終日に行われたシャネルのショーには、最新のクリエイションをこの目で見ようと世界中から多くのセレブリティが集まった。もちろん、愛娘がオープニングを飾ったシンディ・クロフォードの姿もフロントローに。さらには、フランスの女優でシャネルのアンバサダーでもあるマリーヌ・ヴァクトやアナ・ムグラリス、さらには日本から中条あやみも駆けつけた。Kポップのカリスマ、BIGBANGのG-DRAGONは「透明なハットが気に入ったよ。いまの僕のピンクに染めたヘアにも似合うよね」と語った。
texte : TOMOKO KAWAKAMI, graphisme du titre : KAORU MASUI ( [tsukuru] )