沖縄に静岡、地域の食材を活かした手土産。【クッキー缶手帖】

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見て楽しい、食べておいしいクッキー缶。小さな箱にぎっしり詰まったクッキー缶は、おすすめの手土産です。もちろん、自分で味わうたのしみも。文筆家・甲斐みのりさんが教えてくれたクッキー缶をご紹介します。


◆店名:おやつの実 Lafra
◆製品名:OKINAWA ARTISANAL COOKIES 沖縄素材の手作りクッキー ¥2,970(税込)

色とりどりのスリーブから缶を抜き取り、珊瑚色のふたを開けると、有機的で幾何学的な形状の手作りクッキーが。国産、沖縄県産、うるま市産の素材をふんだんに使った、ヘルシーで優しい味わいの詰め合わせ。“小さなお菓子にワクワクの魔法を”テーマに、2011年沖縄県うるま市で創業した焼き菓子店「おやつの実 Lafra」と、デザイン会社「seeemwhyk」の松丸三枝子さんとのコラボレーションで誕生した、沖縄ならではのクッキー缶。うるま市のふるさと納税の返礼品にも選ばれる、2025年誕生の新たな沖縄みやげだ。

Lafraのお菓子は、沖縄県産の黒糖、浜比嘉島の塩、沖縄のフルーツと、地域の素材を活かし、一口ごと沖縄の恵みがじんわり伝わる。農家の人たちのこだわり、身近な事業者の想い、地域の文化や歴史、それらすべてをすくいとり、丁寧にお菓子作りを続けている。

そんなLafraが、現在は恩納村で活動をおこなうデザイナーの松丸三枝子さんと出会い、松丸さんの代表作「Shapes」をイメージしたスリーブやクッキーの形が完成。定番の沖縄土産とはひと味違った味やデザインに、地元のみなさんも「おみやげにしたい」と喜んでいるという。Lafraの他にも、「暮らしの発酵 STORE NAHA」「うるマルシェ」「まつだ商店」などでも購入できる。

沖縄の素材をつかったクッキーは8種類。使用素材はどれも、体に優しく栄養価が高いものばかり。

・ココアシナモン/抗酸化作用の高いココアとシナモンに、ミネラルをたっぷり含んだ浜比嘉島の高江洲製塩所の大粒塩を加えている。
・津堅人参ちんすこう/面積の80%を畑が占める津堅島。さらに畑の60%がニンジン畑。カロチンやカルシウムの他にも、潮風を受けて、たっぷりのミネラルを含んだ甘いニンジンを素材に。
・モリンガ/ワサビノキ科の木で、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、タンパク質と、栄養素をたっぷり含むことから、「奇跡の木」と呼ばれ注目を集める「モリンガ」の葉のパウダー入り。抗酸化物質が豊富で、美容と健康への効果を期待できる。
・塩バター/浜比嘉島産の海水100%の天然塩を使用。表面の大粒の粗塩は職人が丁寧に炊き上げたもの。
・バタフライピー/抗酸化作用の効果があるハーブ「バタフライピー」。天然の着色料として利用される青色が特徴。
・シークヮーサー/沖縄を代表する柑橘。酸味が強く、血糖値の上昇を抑える働きがあるとされるノビレチンを含む。
・紅芋/沖縄を代表する伝統食材。鮮やかな色の招待は、ポリフェノールの一種・アントシアニン。沖縄県民の長寿に寄与していると言われる。
・黒糖全粒粉/沖縄県産の黒糖と「島麦かなさん」という全粒粉を使用。

おやつの実 Lafra
沖縄県うるま市宮里201−8
営)12:30~18:30
休)火・日・祝日
取り寄せ可
https://lafra.jp

◆店名:お菓子と珈琲 赤池商店
◆製品名:富士山のおすそわけ。¥3,219(税込)

富士山の麓のまち・静岡県富士宮市で人気の「赤池商店」は、フードペアリングをコンセプトとした自家焙煎珈琲店&パティスリー。夫の赤池拓さんが珈琲の自家焙煎職人で、妻の美佳さんがパティシエ。単に素材を扱うだけでなく、生産者や地域へ深いリスペクトを抱き、テロワールを大切に引き出しながら日々の仕事を続けている。

実は私が生まれ育ったのも富士宮市で、赤池商店のご夫婦とは同世代。帰省したとき「ステキなパティスリーができたよ」と勧められて訪れて以来ファンになり、すっかりと地元の誇りと仰いでいる。ショーケースの中はいつも美しく華やかで、ケーキも焼き菓子もうっとりとする味わいだけれど、お菓子と同じくらい店主2人の実直で柔らかな人柄が魅力的だ。

近年、富士宮は、“スイーツのまち”と称されることがあるが、それというのもお菓子作りにかかせない牛乳や卵の生産が、富士山麓の朝霧高原で盛んにおこなわれているから。そこで私も昨年、市内外のみなさんに新たな銘菓を考えていただく「富士宮スイーツ会議」というワークショップを開催した。赤池拓さんにもアドバイザーの立場で参加いただき、高校生を含む地元住民と、市外からの参加者、一緒になって生まれたアイデアのひとつが、地元の食材を使った「富士宮万博」というお菓子。

さらにその発想を赤池商店がブラッシュアップし、誕生したのが、このクッキー缶「富士山のおすそわけ。」だ。

1種類目は、富士山の伏流水でのびやかに育ったニジマスの燻製を、黒コショウや青のりと合わせた旨みいっぱいのクッキー。2種類目は、富士宮市のクラフトビールブランド「FUJIYAMA HUNTER’S BEER」のホップ、チョコレート、ニブとの重奏で、香りと食感を楽しめるクッキー。3種類目は、富士山麓で生産される良質な牛乳を使用する「七富チーズ工房」のチーズをトマトと合わせた、コクが際立つ濃厚な味わいのクッキー。4種類目は、富士宮の名物・落花生を使ったピーナツクッキー。

「お菓子にこれを使うの?というユニークな素材が、遊び心あふれる絶妙なペアリングによって、互いの美味しさを引き立て合う見事な一品に仕上がりました」と拓さん。なんと缶のデザインも拓さんによるもので、一枚ずつ自らの手でシルクスクリーンを施し刷り上げているというから驚きだ。

どれも噛むほどに力強い素材の風味が身体中に広がる。ワインやビールによく合う、大人好みのクッキー缶。お取り寄せもできるけれど、富士山が間近に迫る富士宮へもぜひ!

お菓子と珈琲 赤池商店
静岡県富士宮市弓沢町924
営)10:00~18:00(café L.O.17:30)
休)不定休(営業日はInstagramにて更新)
取り寄せ可
https://akaikeshouten.stores.jp/

甲斐 みのり

文筆家/エッセイスト

文筆家。旅、散歩、お菓子やパンや手みやげ、クラシックホテルや建築、雑貨や暮らしなどについて執筆。地方自治体の観光案内冊子も手がける。著書は『歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ』『にっぽん全国おみやげおやつ』『愛しの純喫茶』など50冊以上。

  • photography: Yuko Sayama