「日日の料理 びおら」で味わう、丁寧な家庭料理。【広尾／フィガロ東京レストラン】

日日の料理 びおら
［ 広尾 ］

￥12,100のコースから「水ナスと牛肉のサラダ」。大葉や枝豆の緑が映えるトルコブルーのうつわは荒木義隆作。

モダンな空間で楽しむ、丁寧な家庭料理。

武者小路千家13世家元有隣斎と料理研究家・千澄子の長女として、茶懐石の文化を長年伝えてきた後藤加寿子。その料理を未来に繋ぐ場として、娘のすみれが和食店をプロデュース。コースの内容は椀物や「水ナスと牛肉のサラダ」などの小鉢6品前後と、5種からチョイスできるメイン、ご飯、香の物、味噌汁、甘味。初夏のメニューには「ハモと淡路玉ネギのすき焼き」や「フライの盛り合わせ」など、旬の食材を生かした温かみのある料理が並ぶ。選び抜かれた作家物のうつわで供される料理の背景には、見えない部分に手間を惜しまぬ茶懐石の精神がある。

メインの一例「ハモと淡路玉ネギのすき焼き」。メインはコースに+¥2,200で2品チョイス可。日本酒1合￥2,310～。徳利は陶芸家の加藤静允作の李朝写し。ぐい呑みは故西岡小十作の唐津焼。

選べるメインの一例「フライの盛り合わせ」。右は挽肉ではなく牛肉のすき焼きをジャガイモで包んだ"すき焼きコロッケ"。左はアジフライ。うつわは昭和初期の伊万里焼。

スミレの花を模った照明やモダンなアートが映える空間は、デザイナーの柳原照弘が手がけた。

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＊「フィガロジャポン」2025年7月号より抜粋