発売中の「フィガロジャポン」5月号の特集は「おいしいパリ」。食の最旬トレンドから定番料理まで、いまのパリの“おいしい”がぎゅっと詰まった1冊。ブログ「パリ街歩き、おいしい寄り道」でもおなじみのパリのフードライター、川村明子さんが、この特集号を持ってひと足先にパリの街を巡りました。あえて旅人気分でパリの食と景色を存分に味わう、3つのコースを提案。第2回は、パリジェンヌたちが日々お買い物をする食料品店やマルシェ巡り。シンプルなパリスタイルの朝ごはんを食べたら、シャルキュトリーやパンの買い出しに出発! 夜はホテルの部屋で、パリのおいしいものだけの晩餐を楽しんで。
9:00 ビストロ・サン=ドミニク Bistro Saint-Dominique
(レストラン/本誌115ページ)
↓
10:30 買い出し① ラストル・サン・ザポストロフ Lastre Sans Apostrophe
(シャルキュトリー/本誌106ページ)
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10:45 買い出し② ストレール – ア・ラ・メール・ドゥ・ファミーユ Stohrer – à la Mère de Famille
(パティスリー/本誌122ページ)
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11:15 買い出し③ サックス・ブルトゥイユのマルシェ Marché de Saxe-Breteuil
(マルシェ)

9:00
ビストロ・サン=ドミニク Bistro Saint-Dominique(レストラン/本誌115ページ)
なかなかうまく時間を取れないけれど、朝ごはんを外で取るのは好きだ。
パリでも旅先でも、朝の忙しない街の空気を感じると、少しワクワクする。
その、どこかで朝ごはんを食べる時間を取れた時点で、きっとほんの少し心に余裕が生まれているのだろう。
自宅近くには、木曜日にマルシェが立たない。
それが最近になって、いつも野菜と鶏肉を買っている農家が、7区のAvenue de Saxeに木曜と土曜に出るマルシェに出店するようになったと教えてくれた。
これまでは土曜日に16区のイエナのマルシェに出ていたのだが、度重なるデモの影響から、場所を変えたのだそうだ。
じゃあ久しぶりにサックス通りのマルシェにも行ってみよう! せっかくだから朝ごはんを食べてから行こう、とコースを組み立てた。

「フィガロジャポン」のパリ特集を見ていたら、「朝食からディナーまで静かに楽しめる穴場スポット。」の一文で始まる記事が目に止まった。ビストロ・サン=ドミニク。7区だ。
私はこの店の隣にあるラ・フォンテーヌ・ドゥ・マルス(本誌113ページ)が好きで、食事はもっぱらそちらなので、ビストロ・サン=ドミニクには行ったことがなかった。
朝ごはんから開いているなんて! それはうれしい。行ってみることにした。

朝のメニューはふたつ。パリスタイルで、ヴィエノワズリーひとつに、バゲットのタルティーヌが付いたもの、もしくはそれに卵料理の付いたコンチネンタル。
シンプルにパリスタイルにした。
最近、プレジデントのバターをちらほらレストランで見かける。
本誌114ページに掲載のオ・ボン・クリュもそうだ。
クロワッサンもバゲットも優しい味のもので、主張の少ないプレジデントのバターに、ボンヌ・ママンのジャムと庶民的な朝ごはんスタイルにほっとした。
131, rue Saint-Dominique 75007
tel:01・45・55・80・42
M) ÉCOLE MILITAIRE
営)7時30分~11時30分L.O.、12時~23時30分L.O. ※7時30分~11時30分は朝食のみ
不定休
カード)MASTER、VISA
予約したほうがいい
www.bistrostdominique.com
10:30
ラストル・サン・ザポストロフ Lastre Sans Apostrophe(シャルキュトリー/本誌106ページ)

マルシェまでの道筋に、ちょっと横道に入ると、クレール通りという商店街がある。そこを通って行くことにした。
クレール通りに行くまでにも、寄り道スポットがある。
以前ブログでも紹介したことのある、ラストル・サン・ザポストロフ(本誌113ページ)。パテ・アン・クルート(パテのパイ包み)が看板のお店だ。

ここはいつだって、ショーケースの中に、端正な姿で並ぶパテ・アン・クルートに見惚れて、怪しいくらいに立ち尽くす。
初めて午前中に行ったら、やはりとても美しい、細長く切られたキッシュもたくさん整列している。

さんざん外で眺めて、よし買おう!と入店。
イースターの前で、定番の鶏&豚肉のパテの真ん中にゆで卵を入れたものがあったので、それに決めた。
でも、この店で買うものはほかにもあるのだ。

店舗を持たないパン職人、ティエリー・ドゥラーブルのブリオッシュとパン・オ・ルヴァンを、ここでは扱っている。
値段のラベルには生地の60%がバターという、知りたいような知りたくないような情報も書かれている、大きなブリオッシュ。
ふわっふわで軽やか、卵の味がたーっぷりなのです。
これももちろん買うことに。

お会計を待っている間に、魅惑的なものを見つけてしまった。
アーモンド風味のパルミエ。これは店の自家製らしい。
パイが好きなのだ。こんなふうに目の前に現れたら、買うしかない。
一見高級そうな店に見えるけれど、野菜の惣菜など、良心的とも思える価格で、そしてパテと同じように丁寧な仕事が伺えるそれらはまた美しい。
この日はマルシェに行くし、と思い買わなかったけれど。
188, rue de Grenelle 75007
tel:01・40・60・70・27
M)ÉCOLE MILITAIRE、LA TOURMAUBOURG
営)10時~14時、16時~19時30分(火~金) 10時~19時(土)
休)日、月
カード)AMEX、DINERS、JCB、MASTER、VISA
https://lastre-sans-apostrophe.business.site

クレール通りに入ると、搬入の車が止まっていたり、商品ストックの棚が出ていたり、まだ朝の気配が残っていた。
空気も日陰は冷たいものの、空は真っ青!
10:45
ストレール – ア・ラ・メール・ドゥ・ファミーユ Stohrer – à la Mère de Famille(パティスリー/本誌122ページ)

そして、老舗パティスリー・トレトゥール、ストレールとの合同店舗となったストレール – ア・ラ・メール・ドゥ・ファミーユに。

このサントノレ(シューを組み合わせたお菓子)をショーケースの中に見たら、引き込まれちゃうなぁ。
ストレールの本店のほうは、ここまでケーキが外から見えない。

店内は、イースター前で、卵型のチョコレートがいろいろ。
せっかくだから(私はこの、“せっかくだから”というのがとても多い)ストレールのケーキと、ア・ラ・メール・ドゥ・ファミーユのチョコを買うことにした。
パテもあるし、夜はごちそうだ。
35, rue Cler 75007
tel:01・45・55・29・74
M)ÉCOLE MILITAIRE、LA TOUR-MAUBOURG
営)9時30分~20時(月~土) 9時~19時30分(日)
無休
カード:AMEX、MASTER、VISA
www.stohrer.fr

この店の斜め前に、近くに来ると何か買って帰ることの多いシャルキュトリー、ダボリがある。
生ハムを買おうかと思ったけれど、さすがにこの日はやめておいた。

マルシェに向かう途中、レトロな構えのお肉屋さんを見つける。
好きな色合いだなぁ、このまま残るといいなぁ。

avenue de Breteuilに出ると、アンヴァリッドがどどんと構えている。
ここを通りたくて、マルシェに行くのにはもう少し近道があったのだけれど、遠回りした。
なぜか私は、この場所からアンヴァリッドを見ると手を合わせたくなる。

うららかな春の日差しのなか歩いていたら、やっぱり待ちきれなくて……

ちょっとかじることにした、パルミエ。
コーヒーと一緒に、と思っていたのだが、ひと口だけ先に。
なるほど、アーモンド風味というのは、アーモンドのエッセンスを入れているようだ。杏仁豆腐の香りがたまにした。
11:15
サックス・ブルトゥイユのマルシェ Marché de Saxe-Breteuil(マルシェ)

avenue de Saxeにぶつかるとそこがマルシェのはじっこ。
ここからはエッフェル塔が見える。
木曜日は混んでいなくて見やすい。土曜は大変。


いつもの生産者さんを見つけた。
彼らはノルマンディーから来ている。
よく会うね、と笑われた。
アンディーブと平茸を購入。

いつものリンゴ農家さんもいた。
ちょうど切れかかっていたので、ミラベルのジャムを買う。
この生産者さんのミラベルは絶品で、それで作ったジャム。
写真のリンゴは、焼きリンゴを用意するときに選ぶ品種。
普段そのまま食べるのにはゴールドラッシュという品種を買っている。

すっごく気をつけていたつもりが、帰ってケーキの箱を開けたら、私は一体どこで何をしたのか?と自分を疑うくらいに、ひっくり返っているだけではなく、くっついていたはずのシューが全部バラバラになっていた。
ということで、ケーキは箱のまま写真撮影。
この日に買ったもの全員集合の図。
パルミエは、そうです、ちょっとちぎってます。

ブリオッシュは翌朝食べました。
#01【おいしいパリ巡り】ブイヤベースとセーヌ川散歩。
#03も近日公開予定。お楽しみに!
「フィガロジャポン」2019年5月号 / No.515 2019年3月20日発売
おいしいパリ。
モードにアートに手仕事やブロカント、いつだって自然体なパリジェンヌ。
パリの魅力は数えきれないほどあるけれど、いまも昔も私たちを惹きつけてやまないのが、この街のグルメ。
街のアイコンであるブラッスリーやビストロは伝統を生かしつつより進化し、
食卓を彩るスイーツやシャルキュトリーは、ますます美しく洗練の極みに。
パリを愛してやまないフィガロだからこそ、今号ではグルメを大特集!
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毎週更新! 川村明子ブログ「パリ街歩き、おいしい寄り道」
素敵な彼女たちのライフスタイル。「パリジェンヌファイル」
photos et texte : AKIKO KAWAMURA
この記事の元URL: https://madamefigaro.jp/paris/190418-paris-gourmet-akiko-kawamura.html
