パリ12月のマルシェ 「寒空のパリ、甘いものでひと息」
パリのマルシェとレシピ。
「ああ~今日は本当に寒いね!」パリ12区クール・ド・ヴァンセンヌのマルシェに入ると、皆口々に。
出かけるのも億劫になるようなグレーの厚い雲に覆われた空ですが、いざ来てみると、どんどん元気になってくるからマルシェは不思議。
寒中に入って美味しくなってきたもの、食べたいものが溢れています。
Nation広場側から入って右にあるMarinetという近郊農家のスタンドには、買いたくなる野菜がいっぱい。
立派なキャベツと冬が旬のブレット。
疲れてきたら、必ずこのBette rave(ベットラ―ヴ)ビーツを。久々に美味しいものを見つけました。すでに茹でてある大きな塊をスライスして、ヴァニュルス・ヴィネガーを振りかけてから、梅酢の塩気を加えると、さらにビーツの甘みが引き立つ。オリーブ油も入れてマリネしたものは常備菜にしています。
Pain de sucパン・ド・スック、チコリの一種だそうですが、白菜とレタスを足して割ったような見た目。今度試してみます。
ビオのスタンドには、美味しくなってきた根菜がズラリ。(左)Panaisパネはポタージュが美味しい。(中央)ペルー原産のOca (オカ)も最近ではフランスで栽培されています。(右)Topinambourトピナンブール(菊芋)はキンピラにすると病みつきに。
いつも、リンゴや梨を買うピカルディ地方の農園Les Vergers de Picardieレ・ヴェルジェ・ド・ピカルディには、珍しくチョロギが。すぐに、来年のおせちを思い浮かべます。
その斜め向かいの肉屋には行列が。「ここ、いいのよ~」という近所のおばさまが、バシッと力強くウインク。それにつられて並んでみると、なるほど美味しそう!スペシャリテの白いブーダンやパテ、ハムなどは、全てMaisonメゾン(自家製)です。
煮汁のコラーゲンがプリプリに固まったハムを切ってもらい、ポテ(煮込み)用に塩豚を一塊買いました。この寒さでは、とにかく肉!がないと北国の寒さを乗り切れません。
西洋ごぼうSalsifiサルシフィ。これが出てくると、ああ、もう真冬だな~と実感します。
そういえば、今年は、まだジビエをいただいていなかった…ウズラを見てそんなことを。
店先には山鳩やキジが吊るされています。ジビエのシーズンは、1月末まで。
ノルマンディー産の立派な栗とノワゼットの実。(これを使った栗ご飯はインスタで)。
もう30年マルシェで商いをしているというおじさんの小間物屋にはデッドストックのようなキッチン道具やキッチュなものがいっぱい。食材だけでなく、こういうものが揃うのがマルシェの良いところ。
おまけ情報ですが…日曜には、たまに同じ場所でブロカントが開かれています(次回は12月17日)
先日見つけた赤い水玉のホーローポット、これでヴァンショー(ホットワイン)もいいなあ、と気になりました。奥のラタンの椅子も欲しい!
今日は、先日ご紹介したりんごのコンポートを使ったお菓子を。
■『りんごコンポートのヨーグルトケーキ』
Gâteau au yaourt et compote de pommes
-材料(35㎝×11㎝の型1個分)
りんごのコンポート(小) 5~6個
薄力粉 130g
BP(ベーキングパウダー) 小さじ1/2
卵 2個
砂糖(白く精製されていないもの)80g
グレープシードオイル(又は溶かしバター)40㏄
ヨーグルト 120g
レモン皮のすりおろし 少々
粉砂糖 適量
準備.型にペーパーを敷く。オーブンを180℃に予熱。
1.粉とBPを合わせてボールに振るい入れる。
2.別のボールに卵、砂糖、オイルを入れて泡だて器で混ぜる。
3.①のボールの中心から②を注ぎながら混ぜていく。ヨーグルトとレモン皮を加えて、さらに混ぜる。
4.型に流し入れ、水気を切ったコンポートを並べて、オーブンで20~25分くらい焼く。
5.焼きあがって、粗熱がとれたら、粉砂糖を振って切り分ける。
お好みで生地にシナモン、ラム酒やカルバドス(りんごのリキュール)などを入れても。
寒くなってくると、甘いものが恋しい。
熱々のシナモンミルクティーと一緒に、ほっとするひと時を!
■Marché Cours de Vincennes マルシェ・クール・ド・ヴァンセンヌ
Cours de Vincennes 75012 Paris
営)日・水 7時~14時30分
メトロ:1,2,6,9番線 Nation 駅下車
*SAVE THE DATE-2017/12/16
今年もまた東京で“ノエル&新年-パリ風おもてなし”と題して料理教室を開催!
原田幸代料理教室
■日時:2017年12月16日(土)
昼の回:11時00分~14時00分
夜の回:17時00分~20時00分
■場所:AL Tokyo 2F kitchen studio
東京都渋谷区恵比寿南3-7-17 2F
Tel : 03-5722-9799 www.al-tokyo.jp
▶▶詳細とお申し込みはこちらから。
料理クリエイター
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業 適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理 教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。2016年春、ベジタリアン向けの料理本『LA CUISINE VEGETARIENNE』をフランス全土と海外県、ベルギー、スイス、イギリスなどのヨーロッパ各地で発売。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。
Instagram : @haradasachiyo
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