ポルトガル11月のマルシェ「ほっとする味、温かいマンマのスープ」

パリのマルシェとレシピ。

初雪が降ってから、しだいに寒さが厳しくなってきたパリを抜け出し、先日ポルトガルへ小さな旅を。
今日は番外編でポルトガル第2の都市”ポルト”のマルシェをご紹介します。

ずっと楽しみにしていた街の中心にある大きなマルシェは残念ながら工事で仮設営業中。早速、他へ行こうと聞きまわっても、数日間なかなか情報が掴めなかったのですが”マルシェ女”はめげないのです。地図を広げて見ていると郊外にMercadoという駅を発見。それだけを頼りにバスに乗って海岸線を北上してみると……ありました、ありました~~!!

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中に入り魚を見ると、もう嬉しくて笑いが止まらない。この横は漁船が戻ってくる港ですもの。タコも豊富なうえ、太刀魚、サメ、ウナギなどパリでは目にしない種類も多い。

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相撲の優勝力士が持ち上げるような天然の大鯛や立派なカツオもここでは格安。

マルシェで働くのは、逞しく笑顔が美しい女たちです。

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あと10年もすると、こんなカッコいいマンマたちが居なくなってしまう……と思うとやはり何度も来なくては!

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2階に上がると野菜がモリモリ。菜の花やキャベツの仲間、葉物が豊富でいいなあ~!

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スープに使われている青菜は、このCouve galegaコーヴ・ガレガというケール。千切りにしたものも売られています。近所を散策すると八百屋でも山積みになったこれが、大きな一束0,60ユーロ! なんという物価の安さでしょう。

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急にテンションが下がってしまったのはドナドナな、この子達。

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牛タンや内臓がぶら下がる臓物屋。貫禄ありすぎな女主人のシュールな雰囲気に映画”デリカテッセン”を思い出しました。

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マルシェを見終わったらランチを。魚屋で好きなものを選ぶと捌いてくれるので、横のレストランで料理をしてもらう。魚の腹開きが日本風。

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大きな鯵のグリル、小鯵の唐揚げ、イカのにんにく炒め、タコサラダに温野菜。新鮮な材料はシンプルなのがいちばん。これに地酒の緑のワインVinho verdeヴィーニョ・ヴェルデ、微発砲の爽やかさが心地よく昼から飲みすぎました。

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暖かな日に渡し船に乗ってドウロ川対岸のAfuradaに行くと、そこは素敵なタイルを施した家々が立ち並ぶ小さな漁村でした。港には共同洗濯場があり、干している衣類が旗めいているのが、なんだか懐かしい昭和のような気分に。

風情ある街並みやポルトから電車で訪ねたAveiroの風景など、これからインスタで少しずつ紹介していきますね。

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そして、またまたマルシェが私たちを待っていた~! 透き通ったイカやタコにワクワク。なんだ、このカニの安さは! と友人の目が血走る。うう~これはウナギ?? 素通りするのが苦しすぎます。

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どのレストランも昼近くになると店先で炭おこし。迷った挙句、マルシェ向かいでランチを。汗ばむくらいの陽気の中で兄さんたちが魚介を焼いています。

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ここのイワシの塩&焼き加減が絶妙。強火の遠火ね! 実に心得ていらっしゃる。

それから、食後の散策で見つけた地元の民族博物館が素晴らしかった。

ご紹介するのは、パリに戻ってから何度も作っている”ポルトガルの国民食”。これは、毎日のようにレストランで頂いていたものですが、日本人にとっての味噌汁のように、庶民の食卓にはかかせないもの。シンプルですが滋味豊かで飲むとホッとする味。

■『緑のスープ』
Caldo verde

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ー材料 2人分

 

ジャガイモ 350g
玉ねぎ    半分
にんにく   1片
水      600ml
塩      小さじ1/4
オリーヴ油  大さじ1
青菜(ケール、小松菜、水菜など) 100g
チョリソ(またはベーコンなど)  薄切り5~6枚
金柑 少々

1.鍋に、にんにくのみじん切りとオリーブ油を入れて点火、中火で香りを出したら、スライスした玉ねぎを加えて焦がさないように炒める。玉ねぎの強い香りがなくなったら、ざく切りにしたジャガイモ、水を入れ蓋をして煮る。強火にして沸騰したら弱火に。
2.イモが煮えたら、ミキサーで撹拌。チョリソ(これは好みで)2枚くらいと千切りにした青菜を入れて弱火で3分くらい煮てから塩で味を調える。とろみは水を加えて好きなように加減。
3.温めておいたうつわに注ぎ、チョリソ、金柑を飾る。

 

今回、青菜の代わりに入れたのは、残っていた大量の平たいパセリ。
味噌汁が家によってそれぞれ違うように、ポルトガルでも、じゃがいもゴロゴロ、青菜やチョリソたっぷり具沢山と”おふくろの味”のレシピはさまざまあるようなので、豆乳を加えたり自由にアレンジして楽しんでいます。

なるほど! と思ったのは、ポルト名物のもつ煮込みや炊き込みご飯、スープなどにチョリソがダシとして使われていて、それが何とも良い味を出しているのです。

ポルトからパリに持ち帰ったものは、もちろんチョリソ、羊乳のチーズQueijoケイジョ、塩抜きした干し鱈、しし唐辛子、ポルトワインに焼き菓子の数々……美味しいものが盛りだくさんすぎて、まだまだ食べ足りません。

思い出すのは旨いもんと人の好さ。
タコの天ぷらとタコ飯、子豚の丸焼きにありつけたのも嬉しかった。
道を尋ねると世話好きオカンたちは、いつもなぜか手首を握って教えてくれる。みんなとっても優しい目。そんなことで、その一日がべらぼうに楽しくなったなあ……と。
またすぐに行こう! ポルト。

■Mercado Municipal de Matosinhos マトジニョシュ市場
R. França Júnior, 4450-718 Matosinhos, Porto Portugal
営)6時30~18時(月ー14時終了、土ー16時終了)日曜定休
メトロ/A線Mercado駅下車、もしくはバス500番で同駅まで。

<お知らせ>
*SAVE THE DATE デモンストレーション開催 @Paris
左岸の老舗デパートBon marché ボン・マルシェでノエルのおもてなし用のデザートを作ります。
Staubのココット鍋やZwillingの包丁を使いながら料理、そして試食を楽しんでいただけます。
みなさまのご来場をお待ちしております!
■開催日:2018年12月8日(土曜日)
■時間:12~18時
■場所:Le Bon Marché – La Grande Epicerie 1階 Atelier cuisine
           24 Rue de Sèvres, 75007 Paris
SACHIYO HARADA
料理クリエイター

長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業 適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理 教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。2016年春、ベジタリアン向けの料理本『LA CUISINE VEGETARIENNE』をフランス全土と海外県、ベルギー、スイス、イギリスなどのヨーロッパ各地で発売。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。
Instagram : @haradasachiyo

【関連記事】パリ12月のマルシェ 「寒空のパリ、甘いものでひと息」

 

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