パリ10月のマルシェ「秋のフルーツサラダ」
パリのマルシェとレシピ。
しだいに寒くなってきて、もうすぐ冬時間の始まり……と思うだけで、ため息が出てきますが、秋のおいしいものを探しに、パリ19区Marché Place des Fêtes(プラス・デ・フェット)のマルシェに行ってきました。
ここには好きなスタンドが幾つかあります。ひとつはメトロを出てすぐ横にあるパリ近郊農家の直売で、根菜、葉物がいつもシャキシャキ。
そして、そこから進んで先の左角にある、ここも近郊農家のスタンド。裏にある公園の中まで長い行列が続いています。
まだ皮を取り除いたばかりで、乾燥していないくるみは、水分と油分が多くて柔らか。
このふたつの八百屋の間にある養蜂家のスタンドには、この近くにハチの巣箱を置いて採取したハチミツ”Paris 19”(パリ19区)と名付けられたものがあります。ハチミツだけでなく、ここのプロポリスは、これからの季節の風邪予防にお薦め。
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今年は、ぶどうが豊作だそうで、どのスタンドでもモリモリです。
森のキノコはいまが盛り。これから寒くなると冬のキノコが登場します。
ポルトガルのエピスリーのオリーブにも夏の終わりに収穫された新物が出てきました。
肉屋では店主が大鍋をかき回しながら、「この秋、初めて仕込んだシュークルート(塩漬けキャベツを発酵させたもの)で作ったものだよ!」と。
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ここには、わざわざ魚を買いに来る料理人がいると聞きますが、ふたつある”魚のデパート”はいつも賑わっています。最近ビストロでも人気のタコに、巨大な魚は何でしょう?
Sebaste(セバスト、和名メバル)も旬なので、お得。身に水分が多いので、さっと塩してオーブン焼きか、キノコを添えてアクアパッツアにすると豪華な食卓に。大きなものは、身を薄切りにして、しゃぶしゃぶ や天ぷらにするのもおいしそう。
バスク地方の有名な漁港St Jean de Luz(サン・ジャン・ド・リュズ)で水揚げされた秋の戻り鰹もいまが旬です。
冬のごちそう、ホタテのシーズンに入りました。
さて、今日は旬のフルーツを入れたサラダをご紹介します。
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■秋のフルーツサラダ
Salade de fruits d’automne
― 材料
洋ナシ 2個
アンディーブ(チコリ) 2個
ブドウ ½房
チーズ 50g
(フランスではTommeトム、日本ではプロセスチーズ)
*仕上げにトッピング
ハーブ 少々
クルミ 少々
粗挽きこしょう 少々
<ヴィネグレット>
塩(岩塩を挽いたものを使っています) 少々
クルミオイル 大さじ2
ハチミツ 小さじ1
酢(うちでは、ペリゴール地方のVerjus(ヴェルジュ)という青ぶどうを搾って作った酢を使っています)もしくは、穀物酢かレモン汁 大さじ1
― 作り方
1. 洋ナシは薄切り、アンディーブ、チーズは短冊に切り、すべてをボールに入れる。
2. 食べる直前に、ヴィネグレットの材料を入れて混ぜる。皿に盛ってから、くるみ、ハーブ、粗挽きこしょうをのせる。
洋ナシ、チーズとクルミの組み合わせがおいしい。ブルーチーズもよく合います。
同じような材料に絹ごし豆腐とパクチーを合わせた白和えも作ってみました。(それはインスタで)
これからマルシェに出てくるのは柑橘類のほか、パイナップルやマンゴー、ライチなど温かい土地のものですが、たまには、こんなフルーツで秋冬の食卓を彩るのも楽しいですね。
■Marché Place des Fêtes マルシェ・プラス・デ・フェット
Place des Fêtes Paris 75019
営)火・金・日 7時~14時30分
メトロ:11番線 Place des Fêtes駅下車
料理クリエイター
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業 適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理 教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。2016年春、ベジタリアン向けの料理本『LA CUISINE VEGETARIENNE』をフランス全土と海外県、ベルギー、スイス、イギリスなどのヨーロッパ各地で発売。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。
Instagram : @haradasachiyo
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