パリ11月のマルシェ「週末は熱々のクランブルを!」

パリのマルシェとレシピ。

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12区のNation(ナシオン)広場に立つとすぐに見えてくる美しいランドマーク。この先からヴァンセンヌの森の方にパリでいちばん長いマルシェが広がっています。

マルシェに入ると行き交う人もスタンドの人たちも「今日はなんて寒いの!」というのが挨拶。先日パリに降った初雪以来、かなり冷え込んできました。

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少し歩いて右側に見覚えのある名前Le Moulin de l’Abbaye(ル・ムーラン・ド・ラベイ)の農家。”夏に16区のマルシェで買ったハーブの香りが強くてびっくりした”事を話すと、そこに居たのは私よ!と弾けるような笑顔。今日はついてる!

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ハーブは終わったけど、いまおいしいのは水菜!というお薦め。それと上にある白いパセリの根っこも買ってみました。そういえば、タイ人が「パクチーは葉よりも根を料理に入れる方が大事」と言っていましたなあ。

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根菜も豊富なので、今夜はPotée (ポテ・煮込み)にしよう。

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キャベツ、カリフラワーもおいしくなってきました。

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梨とリンゴも、この農家のは飛び切りおいしそうなのでたくさん買おう。

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それから、少し歩いてMARINET(マリネ)という農家のスタンドに寄ってから、Au petit Cochon Rose(オー・プチ・コション・ローズ)という豚肉専門店で、ポテ用に塩漬けバラ肉を切ってもらう。専門店は、豚のあらゆる部位を売っていて挽肉や自家製パテもおいしい。

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ビオのスタンドでは南仏からの柑橘祭り。

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魚屋にはピンク色の鯛が。寒くても明るく威勢よく働いている人たちを見ると元気が湧いてきます。

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こう寒いと、とにかく食べたくなるのは肉!子牛を捌く職人の風情にも惹かれます。

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鶏専門店で、若鶏に詰め物をしてクレピーヌ(網脂)で包み、ベーコンを巻いているところ。

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昼近くになって行列ができているのは、湯気を立てたシュークルート。肉屋はどこも賑わっています。

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そして、縄文人の主食だったナッツやドライフルーツもガシガシ食べたい。

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栗も縄文人にとって、冬のエナジーフード。栄養を蓄えるために身体が欲しているのがよくわかります。

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あまりにも寒いので、つい羊ちゃんからの誘惑で赤いストールを1枚買ってしまいました。

最後の方まで歩いて行くと、マダムがひとりでやっている八百屋が2軒並ぶ。

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ハーブやキノコが得意なところには、Pied de Mouton(ピエ・ド・ムートン)、さっと干してから煮ると、濃厚なブイヨンが出ます。黒いTrompette de la mort(トロンペット・ドゥ・ラ・モー)が出てきたら、冬の足音。

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隣りでトピナンブール(菊芋)をポテとキンピラ用に少し。これは風味よい皮がごちそう。

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Radis Marteaux(ラディ・マルトー)というみずみずしい小さな大根が出てくると本当にうれしい。煮込むとトロトロになってやさしい味。

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買い物後の寄り道コースは、拙著にも載せているのですが、小路に入って家主さんがいつも何か素敵な言葉を壁に書いているお家へ。

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振り返ると、なんとまあ可愛らしい子が、壁にある猫さま用ドアから出て来たところでした。やっぱり今日は、ついてるついてる!

それからNation広場の12番地にあるビオのパンで有名なDépot de Pain de l’Autre Boulange (デポ・ドゥ・パン・ドゥ・ロートル・ブランジュ)へ。 
近くの本店にある100年前に造られた薪釜にカバノキをくべて昔ながらの手法で焼き上げたCampagne(カンパーニュ)を切って貰い家路へ。

さて、今日は小さなリンゴをたくさん買ったので、焼きたて、あつあつを頬張って欲しい簡単なおやつを作ってみました。

■リンゴとナッツのクランブル、ア・マ・ファッソン
Crumble aux pommes et aux noix à ma façon

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Assiettes 皿:Atelier Aonoto
Cocotte 鍋:Staub 

― 材料

 

リンゴ 小サイズ 7個 (りんごの大きさにより適量)

A)
バター(室温に戻しておく) 50g
砂糖(精製されてないもの) 40g
ラム酒(もしくは好みのリキュール) 大さじ1
シナモンパウダー    少々

 

B)
シリアル、クルミ、ヒマワリの種、カボチャの種、アーモンドスライス、レーズン、クランベリーなど、好みのナッツやドライフルーツなどを各20g、合わせて120~150gくらい

 

*豆乳クリーム(もしくは、ホイップクリームやマスカルポーネに牛乳少々を加えて混ぜたもの) 少々

 

― 作り方

 

1. リンゴの芯抜き器を使って芯を抜き取る。(茎は飾り用にとっておきます)
2. ボウルに、A とBの材料をすべて入れ、バターが馴染むように手でよく混ぜる。
3. スプーンを使って、リンゴの中心に②を詰めて残りを鍋や耐熱の器に敷き、リンゴをのせる。
4. 180度に予熱で温めておいたオーブンで30~40分くらい焼く。(ナッツが焦げやすいので、上にアルミホイルかオーブンペーパーをのせてカバー)
5. 竹串を刺して、すっと通れば焼き上がり。皿にのせてクリームを添える。

à ma façon(ア・マ・ファッソン)というのは、”私のやり方”という意。普通のクランブルは、バター、砂糖、アーモンド粉、小麦粉を混ぜて、リンゴの上にのせて焼きますが、これは小麦粉の代わりにナッツ類を入れ、下に敷いて焼き、リンゴと混ぜながらいただきます。リンゴの焼き汁が下に落ちてしんなりしたところ、バターと砂糖がカラメリゼされて香ばしくカリッとしたところが、それぞれおいしい。

*豆乳クリームですが、先日パリ8区のレストランDominique Bouchet(ドミニク・ブーシェ)で、日本の豆乳製品、不二製油さんのプレゼンテーションがありました。豆乳をアレンジしたシェフの眩いようなお料理も素晴らしかったのですが、”進化した豆乳の世界”には招かれていたフランス人シェフ達も驚嘆!
さすがのジャパンクオリティーですね。パリにもヴィーガンのカフェやレストランが増えていますが、日本のこういう味がフランスでも広まっていくのが楽しみです。

写真には、これが大豆なの?まるでクリームチーズ!なものを使ってみました。 (日本での通販はこちら

ほかにも、まるで挽肉な大豆ミートをご紹介いただいたので、なごりの茄子を使った料理にアレンジしてみました。

寒さ厳しくもマルシェには”冬のうまいもん”が続々と。身体も心も温まるおいしいものをたらふく食べて乗り切りましょう!

■Marché Cours de vincennes マルシェ・クール・ド・ヴァンセンヌ
Cours de vincennes 75012 Paris
営)水・土 7~14時30分
メトロ1・2・6・9番線Nation駅下車

SACHIYO HARADA
料理クリエイター

長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業 適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理 教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。2016年春、ベジタリアン向けの料理本『LA CUISINE VEGETARIENNE』をフランス全土と海外県、ベルギー、スイス、イギリスなどのヨーロッパ各地で発売。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。
Instagram : @haradasachiyo

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