パリ4月「私の好きな春のマルシェ」

パリのマルシェとレシピ。

パリのマルシェは残念ながらまだ閉鎖中ですが、今日は気晴らしに、春になると行きたくなる私の好きなところを一緒にバーチャル散歩しませんか? 過去にご紹介したマルシェのなかから、選りすぐりの3つをご紹介してみたいと思います。

長い冬を耐えて3月末に夏時間を迎えると、しだいに日が長くなっていく夏までの間がいちばん気持ちの良い季節。春野菜がどんどん出てくるので、わくわくしながらマルシェに向かう足も弾みます。

NO,1 パリ15区Marché Convention(マルシェ・コンバンション) 

メトロのConvention駅を出ると同じ通りの両側の歩道にスタンドが広がっています。右側から入っていくと、まず魚屋さんが。

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春は、どこも魚卵祭り! 新鮮そうなのを見つけたら、シラタキと一緒に煮たり、タラコやカラスミを作るのがこの時期の愉しみです。

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少し歩いて好きな八百屋へ。キッチンのバルコニーに置く春のハーブの鉢植えをいくつか買っておきます。大きなマルシェなので近郊農家の直売が多く、野菜が豊富。

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さらに進んで右手にある地元で人気のパティスリーLaurent Ducheneへ行きましょう。

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ここでのお薦めは、パリのコンテストで1位を獲得したクロワッサン。う~ん、バターの香りに朝からテンション上がります。

スタンドの端まで歩いてきて、道路の反対側に渡って折り返し。

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いつも長蛇の列ができているチーズ屋さん。春の草を食んだ牛の乳で作ったチーズが気になる。

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それから駅の方に進むと右側に、1889年創業、パリで2番目に古いといわれるコーヒー焙煎の店 Les Caféeries de Paris。ここで煎りたての豆を挽いてもらいます。店主曰く、ここにはパリ市長イダルゴさんもときどき来店するそう。

そしてオマケ。もし、晴天の日曜で元気だったら、散歩がてら古本市を覗いてみるのはどうでしょう。
途中にある公園で、さっき買ったクロワッサンをいただきましょうか。

マルシェからの寄り道散歩コースはインスタへ。

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写真集、18世紀の料理本やポストカードなど、眺めているだけで楽しい気分。

■Marché Convention マルシェ・コンバンション
営)火曜・木曜・日曜  7時~14時
メトロ:12番線 Convention 

古本市
Marché du livre ancien (マルシェ ドウ リーブル アンシアン)
104, rue Brancion 75015  Paris
営)土曜・日曜  9時~18時

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NO,2 パリ19区Marché Place des fêtes マルシェ・プラス・デ・フェット 

ここに足が向いてしまうのは、近郊農家の好きなスタンドが2軒と魚屋がいくつかあるから。さて、行きましょう。

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メトロを降りて地上に上がるとすぐにモリモリの根菜がつややか、葉物はシャキシャキで、思わず笑顔になりますね。

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冬に眠っていた身体を目覚めさせるという春の苦み、タンポポの葉はどうしても食べたい。半熟卵とカリッと焼いたベーコンを合わせたら大ごちそう!

先に進むと右手に、

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この側の公園、パリ市内や近郊の森に巣箱を置いて採取しているハチミツ屋さん。いつも買うのは、もっともパワーがあるという”Miel de Printemps”(ミエル・ド・プランタン) 春のハチミツ。毎朝、これを入れてレモンを搾った水を飲んでいます。

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お隣はオーヴェルニュ地方のソーセージ、チーズやパテなどを扱うスタンド。お気に入りのパテ・ド・カンパーニュを切ってもらいます。

この先の左角に、もう一軒農家のスタンドが。

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いつも近所のお馴染みさんで大人気、長蛇の列が裏の公園まで続いています。秋のりんごや梨もおいしい。

買い物帰りの寄り道は、金曜か日曜日なら歩いて隣駅のJourdainまで。

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イタリアワインのVino Sfusoで気になるものやお薦めを試飲させてもらいながら、爽やかなProceccoプロセッコを持参した瓶に詰めてもらいます。

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それからEpicerie Ô Divinエピスリー・オー・ディヴァンに行って、上質なオイルやヴィネガーを揃えたら買い物完了! 

■Marché Place des fêtes マルシェ・プラス・デ・フェット
Place des fêtes 75019 Paris
メトロ11番線Place des fêtes 駅下車
火曜・金曜・日曜 7時~14時30分

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NO,3 Marché Auguste-Blanqui マルシェ・オーギュスト・ブランキ 

Place d'Italie(プラス・ディタリー)イタリア広場から、Corvisart(コルヴィザ―ル)駅までひと駅分、大通りにマルシェが連なって、なかなか見ごたえがあります。

しばらく歩いて行くと、  左手にRue des Cinq Diamants(リュ―・デ・サンク・ディアマン、5つのダイアモンド)という坂道があります。(ここを登っていくと小さな村のような佇まいのButte aux Cailles界隈が。)

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その道の入り口にある農家のスタンドはいつも感じよく親切。もちろん新鮮! 冬に収穫された根菜もまだまだおいしい。

ほぼ買い物を終えてから、ひと休み。

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Les Cafés de FrançoisオーナーのFrançoisフランソワさんが自ら焙煎して淹れてくれるコーヒーがおいしい。マルシェでこういうのが飲めるなんて! 早速、同じ豆を挽いてもらいました。パッケージがおしゃれな上に、家に帰るまで買い物籠からいい香り。通常の日曜はここ、土曜はパリ南郊外のMarché Coucert de Vanves(マルシェ・クヴェール・ド・ヴァンヴ)に出店しています。現在は、パリ13区とヴァンヴのみ配達可能。

とにかく大きいので野菜や果物、チーズ、肉などなど凄いボリュームですが、魚屋さんで唯一鮮度がいいのは、マルシェの終わりの方にある小さなスタンド。

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通常ならば、5月末頃までありつけるホタテも今年は……秋、10月の解禁を心待ちにしています。

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最後まで歩いて必ず寄るのはBioのおいしいパン屋さん! 現在は、店舗とネットで注文して配達してもらうスタイルで営業しています。

■Marché Auguste-Blanqui マルシェ・オーギュスト・ブランキ
Bd Blanqui 75013 Paris
営)火・金・日 7時〜14時30分
メトロ:5・6・7番線Place d’Italie駅下車
または、6番線Corvisart駅下車

今日は農家のスタンドで見つけた小玉ネギを使ったピクルスを。

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■小玉ネギのレモン・ピクルス
Pickles d'oignons au citron

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― 材料

小玉ネギ 300~500g
レモン(無農薬) 1個

☆マリネ液
酢(米酢、穀物酢、ワインビネガーなど) 1カップ
水  2カップ
キビ砂糖(精製していないもの) 40g
ハチミツ 大さじ1
塩 大さじ1
丁子 3〜4個
ローリエの葉  2枚
粒こしょう  小さじ1
コリアンダー・シード  小さじ1

*スパイスは好みでキッチンにあるものを。レモンの替わりに梅酢もおいしい。

― 作り方

1. 鍋にマリネ液(丁子とレモン以外)の材料をすべて入れて弱火にかけ、砂糖と塩が溶けたら火から下して、レモンの薄切りを入れる。
2. 玉ネギの皮を剥いて底に十文字に浅く切り込みを入れる。竹串で穴を開けて丁子を刺す。
3. 鍋に湯をたっぷり沸かし塩を(分量外:水1Lに大さじ1/2)入れて、玉ネギをさっと湯にくぐらせ(30秒くらい)ザルに揚げて水気を切っておく(冷水に晒さない)。
4. 玉ネギを容器またはジップロックなどの保存袋に入れて、マリネ液を注ぐ。
5. 粗熱が冷めたら、冷蔵庫に入れて半日~くらいで食べごろになります。

フランスではラッキョウが手に入らないので、これをカレーライスやアペロに使っています。これからの季節なら、大きなサイズでも新玉ネギがおいしいですね。

先日感動したのは復活祭の晩、いつも20時に起こる医療者への声援の時に、昨年の火災以来、懸命な修復が続くノートルダム寺院の鐘が一年ぶりに鳴らされたこと。窓を開け近所の人たちの喝采の奥から響いてくる鐘の音を聴きながら、じわーっと涙が出てきました。

その時”英知”という言葉が浮かんできて、数世紀もの長いスパンで考えると、人はそれを持ってしていろんな辛苦から抜け出して来たのではないかしら、と思ってみたり、どの人も喘ぎながら暮らしているいま、鐘の音が、”一寸先は光よ”と励ましてくれているような気がしたのです。

再生への祈りを込めた復活祭のミサの様子は、こちら

落ち着かない日々を過ごしていましたが、少し前から”ニュース断食”を始めてネガティブな情報をシャットアウト。(どうにもならないことに悩まない!と決めて)お陰で心鎮まり、頭もスッキリとしてきました。いまは早起きして平安な気持ちで読書することから1日をスタートしています。
これ、お薦めですよ!

みなさま、おいしいものを食べながら、少しでも心穏やかにお過ごしくださいね。

SACHIYO HARADA
料理クリエイター

長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。2016年春、ベジタリアン向けの料理本『LA CUISINE VEGETARIENNE』をフランス全土と海外県、ベルギー、スイス、イギリスなどのヨーロッパ各地で発売。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。
Instagram : @haradasachiyo

【関連記事】オレロン島 4月のマルシェ「アペリティフで復活祭のお祝い!」

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