次のパリ旅行、新しいオテル・グラモンに泊まってみる?
PARIS DECO
パリに行きたし、パリは遠し……といういま。架空の旅の予定を立ててみると、気持ちだけでも少しパリに近づけるのでは? まずは、宿泊先を決めてみるところから始めよう。
6月27日、パリ・オペラ座やギャラリー・ラファイエットから徒歩で10分とかからない場所に「Hotel Gramont(オテル・グラモン)」がオープンする。ここのところパリにできるホテルにはちょっと無理やり?という感じもあるような小さなジムやスパがあることが多いけれど、ここは快適な滞在を確約する25部屋の等身大の4ツ星ホテルである。
エレベーターは5エム・エタージュまで。6階の左右の部屋へはヤシが茂るカーペットに覆われた階段で。
地上階のインテリアは、旅好きなパリっ子が愛するフレンチ・リヴィエラの雰囲気を取り入れた折衷スタイル。室料は1泊180~350ユーロ見当ということだが、オープニング期間はサービス価格で宿泊できる。
ふたつの大通りを繋ぐ静かな細道に面したエントランスを開くと、正面にフロントデスクが見える。その右手に朝食&ティータイムのスペース、左にオネスティ・バーという造り。真鍮のパームツリーの装飾、カナージュの壁や椅子……ちょっぴりレトロなリヴィエラ風の内装で地上階はまとめられている。初めての滞在でも、ホテルの開放感あふれる雰囲気に出迎えられ、すぐにリラックス!
地上階のカフェスペースは宿泊客でなくても朝食、ティータイムに利用できる。
ビュッフェ朝食は1名18ユーロ。パンはGrand Moulinのビオだ。
自己申告制のオネスティ・バーで、食前食後にちょっと一杯?
---fadeinpager---
ホテルの内装を任されたオーレリー・ランベールは、個人宅を多く手がけているインテリアデザイナー。快適な時間を過ごせる空間をつくることを最優先する彼女は、その腕前をオテル・グラモンでも発揮した。内装は各フロアに4つの異なるタイプ。茶系のアフリカ風、グリーンでまとめたアクアティック、ブルーが静かなアジアン、そして淡いベージュはインドの街ベンガルール・スタイルだ。シンプルで機能的なバスルーム、そして内側に照明をセットした広めのクローゼットはどのタイプの客室にも共通している。最上階の2部屋はどちらもテラス付きで、うち1部屋はパリの自宅気分が味わえる落ち着きのあるデュプレックスだ。その下のフロアにもテラス付きの部屋がある。お向かいの1883年に完成した見事なオスマニアン建築の建物や遠くに見える灰色の屋根といった眺めは、パリ滞在にひとつ思い出をプラスしてくれるだろう。
茶系でまとめられたアフリカ風客室。ここは最上階のデュプレックスだが、下のフロアにはアフリカ風の普通タイプの部屋も。
水中の世界が描かれたエルメスの壁紙。淡いグリーンのカーテンがハーモニーを添えている。
中国の景色を思わせるブルーの部屋には、静けさが漂う。
インドの街ベンガルールにインスパイアされた部屋。メインの寝室に加え、3~4名での滞在が可能なソファベッドが置かれたファミリータイプもある。
左:グレーの御影石の洗面台に置かれたボディソープやハンドウォッシュは、オレンジの花が香るグロウン・アルケミストのもの。右:パリ滞在をより豊かにしてくれるホテルのテラス。
madameFIGARO.jpコントリビューティング・エディター
東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。フリーエディターとして活動した後、「フィガロジャポン」パリ支局長を務める。主な著書は『とっておきパリ左岸ガイド』(玉村豊男氏と共著/中央公論社刊)、『パリ・オペラ座バレエ物語』(CCCメディアハウス刊)。
Instagram : @mariko_paris_madamefigarojapon