次のパリ滞在、オテル・レ・ドゥ・ギャールに絶対泊まる!
PARIS DECO
北駅と東駅の2つの駅に近いことから“2つの駅”と命名されたドゥ・ギャール通り。その通りの2番地にもうじき4ツ星の「Hotel Les Deux Gares(オテル・レ・ドゥ・ギャール)」がオープンする。このホテルのちょっぴりエキセントリックでチャーミングなインテリアは、これまでパリのホテルには見られなかったタイプだ。
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ストライプのひさしを掲げているオテル・レ・ドゥ・ギャール。室料は120ユーロ〜。 photos : Benoït Linero
デザインを任されたのはイギリスで注目される若手デザイナーのルーク・エドワード=ホール。セントマーチン 校出身で今年30歳の彼はイラストも描けば、インテリアデザインも手がけ、昨年の彼とHabitaのコラボレーションは発売開始48時間で完売!という話題を呼んだ。その彼が初めてホテルを手がけたのである。彼を指名したのはホテルのオーナーのアドリアン・グロガン。オテル・パラディはドロテ・メリクゾンに、オテル・パナッシュはクロエ・ネーグルに、というように若手の才能に開花の機会を与えることで知られるアドリアンの新たなチャレンジである。
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ルーク・エドワード=ホール、ホテル1階にて。彼がデッサンしたランプシェードがベッドサイドを飾る。photos : Benoït Linero
一歩足を踏み入れた瞬間、カラフルな世界に包まれるオテル・レ・ドゥ・ギャール。まるで物語の世界に紛れ込んだようだ。シンプル、ミニマルといった世界とは対極で、ポスターやポートレート、ストライプのカーテン、トワル・ドゥ・ジューイの壁紙、デッサンが描かれたランプシェード……イギリスとフランスの魅力が巧みに華やかに混じり合ったインテリアが、1階のサロンから最上階の客室まで続く。ジャン・コクトーのファンだというルークの趣味とアールデコ・タッチが随所に感じられるホテルだ。グリーン、ピンク、ブルー……というようにフロアごとに壁の色が変わるので、滞在のたびにフロアを変えるのも楽しそう。なお、地下にはミニスポーツルームとサウナが。壁一面が花のデッサンで覆われたチャーミングな空間でランニング?
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エントランスから、コントラストが絶妙のびっくりするようなカラーミックスの世界に誘われる。photos : Benoït Linero
1階のサロン。この向かい側のソファはパンサー柄。キッチュ&シックで英国的エキセントリックなインテリアが魅力的だ。photos : Benoït Linero
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客室の額はルークによるデッサン。また廊下には彼の友人の版画によるココ・シャネル、フランシス・ベーコンなどのポートレートが飾られている。photos : Benoït Linero
フロアごとに壁の色が異なる客室。窓の下に広がる東駅の眺めに圧倒される部屋も。photo : Benoït Linero
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バスルームもカラフル。部屋によってはダブルシャワーが備えられている。カップルの滞在では楽しく時間節約できて重宝では? バスタブを備えた部屋も3室ある。photos : Benoït Linero
オーナーのアドリアンがどのホテルでも大切にしていることは、感じのよさ、手頃な価格、きれいなインテリア、快速wi-fi、そしておいしい朝食である。このオテル・レ・ドゥ・ギャールではホテルでクラシックな朝食がとれるだけでなく、彼が経営する向かいのビストロ「Café Les Deux Gares(カフェ・レ・ドゥ・ギャール)」でカフェ気分の朝食、というチョイスがあるのがうれしい。以前このホテルはいかにも東フランス的なKUNZという名前で、東駅に到着するアルザス地方からの人々を多く迎えていた。カフェ・レ・ドゥ・ギャールはその向かいでシュークルートなどフランス東部の料理を出してアルザス地方からの旅人に喜ばれていたビストロだったが、いまはホテルのインテリアの延長のような内装で、ワインビストロ的モダンで軽快な料理。ホテルのすぐ近くにおいしいランチ、ディナーがとれる気軽な場所があるというのは、なんとも心強いことでは?
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ホテルの向かいのカフェ・レ・ドゥ・ギャールはべっこうのような天井とチェリーレッドのペイントが印象的だ。毎日午前7時から営業。セットメニューは19ユーロ。photos : Benoït Linero
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