サステイナブルな暮らしで何より大切なのは、 安易にものを捨てないこと。使い古したうつわや服も、 伝統技術で魅力的に生まれ変わるのだから。
[ KINTSUGI ]
クリエイターたちが注目する、洗練された金継ぎデザイン。
藤田美穂 金継ぎカジュアルコース
うつわ収集癖が高じて、金継ぎを始めたという藤田美穂先生。金継ぎとモダンアートを交えたような表現方法が注目され、海外や日本各地のイベントにも多く参加する。仕上がりを計算し、銀や赤など金以外の色を取り入れたデザイン性の高い金継ぎは、クリエイターからも注目されて いる。新漆を使って1日だけで修復するカジュアルな金継ぎワークショップから本格的なコースまで、東京や湘南エリアを中心に不定期で開催。

筆の置き方ひとつで仕上がりが変わる。

材料は用意されているため修復したいものを2、3点持参して。

金継ぎと相性のよいアスティエ・ド・ヴィラット。マットなうつわは、パフでねじりながら銀継ぎしたもの。
もっとも伝統的な本漆で、うつわへの愛着も倍増。
堀道広 金継ぎ部
漆塗り職人として活動した後、漫画家、イラストレーターのかたわ ら、13年前から金継ぎ教室を主宰。金継ぎに関する著書も出版する堀道広先生は、もっとも伝統的な本漆の技法を教える。漆を乾かしながらじっくりうつわを直していくため、全5回コースで最短3ヵ月ほどかかるが、時間をかけるからこそ修復後の愛着もひとしお。身体に害のない材料を使うため、子ども用のうつわにも安心。

小さな箸置きやレンゲ、修復が難しいと言われるグラスまで、熟練の技で生まれ変わる。
[ DYE ]
花の端材で古着を染める、 究極のサステナビリティ。
ザ・リトルショップ・オブ・フラワーズ ボタニカルダイ
インテリアや PR 業界を経たオーナーが 営む花屋。飲食店も併設のため、植物と食材を使いきることが課題だったという。ドライフラワーやコンポストなどの工夫 の後に辿り着いたのが、ボタニカルダイだ。青や赤、ピンクなど花の端材が生む色で、客が持ち込んだ衣類を染めるプロジ ェクトを試験的にスタート。残った植物を使って古い服が生まれ変わるサステイナブルな試みが素晴らしい。

ボタニカルダイはほんの少しだけ化学染料を加える。彩度が高く、洗濯にも強い。

ダリアだから赤というわけではなく、花の端材は予想外の色が生まれる。
tel:03-5778-3052
休)不定休 ※事前予約制
●ボタニカルダイ 500g ¥3,000
www.thelittleshopo owers.jp
※オンラインで申し込み後、染めたいものを郵送もしくは店舗へ持参
奄美の自然原料で、自宅で染色体験。
金井工芸 泥染めキット
奄美大島で42年間、古来より伝わる泥染めをはじめ天然染色を行う金井工芸は、ファッションブランドやアーティストとのコラボでも注目される。新たに発売した自宅でできる染色キットは、島で採取した車輪梅から抽出したテーチ木染料と泥田からの泥水の2種。しっかりと揉み込み、時間をかけて色を寝かせることが染色のコツだという。着古した衣類を自らの手で生まれ変えていく手間を楽しんで。

奄美大島の工房で は染め体験も提供していたが、コロナ渦もあり自宅で気軽に染色を体験してほしいとキットを考案した。

左は車輪梅、右は泥染めのキット。
*「フィガロジャポン」2021年3月号より抜粋
photo : AKEMI KUROSAKA (STUH/KINTSUGI), KAKUTA MIHO (DYE)
この記事の元URL: https://madamefigaro.jp/society-business/210307-repair.html