アジア人差別に、声を上げるセレブたち。

3月16日、アトランタでアジア系マッサージサロン３か所を狙った銃撃事件があり、8人が死亡した。これを受けて、ソーシャルネットワーク上には「#StopAsianHate」があふれている。

ヨーロッパとアジアの血を引くアメリカ人モデル・女優のオリヴィア・マンも、#StopAsianHateのハッシュタグをつけて、アメリカに広がるアジア系への人種差別と闘うことを表明。（ビバリーヒルズ、2020年2月９日） photo : Getty Images

３月16日、アメリカのアトランタで、21歳の白人男性ロバート・アーロン・ロングが３軒のマッサージサロンに侵入し、8人を殺害した。殺された7人の女性のうち、6人がアジア系だった。AFPによると、翌日殺人罪で起訴されたロングは、この襲撃は「人種差別ではない」と話しているという。

「潜在的にセックス依存症であるとほのめかしており、過去にこうした場所にたびたび出入りしていた可能性がある」と地元当局は発表した。しかし、このトリプル銃撃に、アメリカ、特に人種差別の標的になったと考えるアジア系コミュニティは大きく動揺している。アメリカの何人ものアジア系、非アジア系のセレブリティが#StopAsianHateのハッシュタグをつけて、意見を発信した。

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白人テロリストを許す

「アジア系アメリカ人が標的になっています。メンタルヘルスについて話したい？　ならば、あなたがあなた自身であるという理由で攻撃される国に住むことが原因のメンタルヘルスの危機について話しましょう。私たちには助けが必要です」とインスタグラムに投稿したのは、ヨーロッパとアジアの血を引くモデルで女優のオリヴィア・マン。

彼女はことに『X-MEN：アポカリプス』で知られるが、「白人テロリストを人間的だと感じさせ、その殺人行為を許そうとする」ことをも糾弾している。

彼女が引き合いに出しているのは、ロングが逮捕されたチェロキー郡の保安官、ジェイ・ベイカーの言葉だ。記者会見で、この保安官は、ロングが銃撃を起こした日は「彼にとって、ついてない1日だった」と発言したのだ。

 

 

 

 

 

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「エミリー、パリに行く」に出演したアシュリー・パーク、2019年にノーベル平和賞にノミネートされたアマンダ・グエン、香港系のイギリス人女優ジェンマ・チャン、アジアとヨーロッパの血を引くイギリス人モデルのアレクサ・チャン、韓国のDJでスタイリストのペギー・グー…。アジアの血を引くたくさんのセレブリティがソーシャルネットワーク上で声を上げた。さらに、アジア系ではない有名人も、多くが#StopAsianHateのハッシュタグを付けて投稿。

カイリーとクリス・ジェンナー、ミッシェル・ファイファー、ダイアン・オブライエン、レブロン・ジェームズ、さらにはミンディ・カリングも、殺戮が行われたジョージア州のAAPI（アジア系および太平洋諸島出身アメリカ人）コミュニティをサポートするための寄付を呼びかけた。

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コロナの影響

アジア系住民の商店の略奪、住居や自動車の破壊、街角での、時に死に至るほどの暴力的な攻撃、さらに最近起こったこの銃撃。アジア系住民に対する攻撃はコロナウィルスパンデミック以来、その数を増やしている。

AFPが引用した活動家の発言によると、こうした攻撃性は、コロナウィルスを頻繁に「中国ウィルス」と呼んだドナルド・トランプ前大統領の演説があおったもの。

テレビシリーズ「ワンス・アポン・ア・タイム」でムーラン役を演じる女優、ジェイミー・チャンは、このことを強く告発している。「歴史的に、アジア系移民は不幸が起こるたびにスケープゴードにされてきた。もうこんなことは終わりにしなくては。そして、物事をありのままに言いましょう。メディアはもっと努力を。そして、物事をそのままの名前で呼んでください。白人による国内テロ、アジア人に対するヘイトクライムと」と韓国系アメリカ人である彼女はインスタグラムに投稿した。

ジョー・バイデン大統領は、就任後すぐにAAPIコミュニティに対する人種差別を弾糾する大統領令に署名している。