気分で選ぶ、私のおすすめ映画。#07

茂木健一郎が選ぶ、元気を出したいときに観る映画3本。

膨大な作品数の映画から観たい映画をセレクトするとき、気分で選ぶこと、ありませんか?ちょっとレディな気分に浸りたいとき、涙を流したいとき、そして思いきり笑いたいとき。そんな気分をインデックスにした、旧作シネマたちをご紹介。第6回目は、脳科学者・茂木健一郎さんのおすすめです。

特集

February 17, 2017

脳科学者として多方面で活躍中の茂木健一郎さん。映画は脳の活動にどう影響しているか、疑問への回答とともに、「元気を出したいとき」に観る映画を3本ご紹介いただきました。名作が名作たる所以も紐解かれた、茂木健一郎さんのおすすめ映画を体験ください。

脳を刺激する名作映画で元気をチャージ。

映画は、それを見ている間別の世界につれていってくれることで、私達の脳の感情の回路を刺激し、働きのバランスを調整し、ポジティヴなエネルギーを与えてくれる。過去の名作には、そのような意味で元気を出してくれる映画が多い。

『ロッキー』には、元気を出す要素が詰まっている。シルベスター・スタローン演じる主役が、完全なダメ人間、落ちこぼれであるところから始まるのがいい。そこから一念発起して、トレーニングをする。図書館の階段を走るシーンや、卵を割って飲むシーンは強烈で余りにも有名だが、実際には短い。感情としてインパクトがあるので、そこだけ拡大されているような気がするのである。

『愛と青春の旅立ち』には、『ロッキー』と同じように、ダメ人間が立ち上がるという要素がある。加えて、恋の要素があるところが良い。恋の奥義は、相手のことをきちんと見て、尊重するということである。原題の意味は、「士官、そして紳士」。リチャード・ギアが演じる主人公が試練に耐えて士官になると同時に、紳士にもなる。士官になるためには厳しい訓練が必要だが、紳士になるためには、他者をリスペクトすることを学ばなければならない。両方の要素が描かれた名作である。主人公を徹底的に鍛える鬼教官が、最後に見せる表情も感動的だ。

続編が公開されるということで改めて注目されている『メリー・ポピンズ』は、人の心を温かくして、元気にするミュージカル映画だ。風に乗ってやってきたメリーが、子どもたちの心を励ます。どんなに辛い仕事でも、「スプーン一杯の砂糖」があれば楽しくなると歌うメアリーは、ポジティヴ・シンキングの先生だ。お父さんのバンクス氏は、仕事ばかりしていたが、最後は子どもたちと凧揚げをする歓びを見出す。同時に、仕事もうまくいくようになる。心の余裕がなければ、良い仕事もできない。ワークライフバランスなど、働き方が見直されている現在、『メリー・ポピンズ』のメッセージは深い。 


01.『ロッキー』

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©2010 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved. Distributed by Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. "Twentieth Century Fox," "Fox" and their associated logos are the property of Twentieth Century Fox Film Corporation and are used under license. 

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©2010 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved. Distributed by Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. "Twentieth Century Fox," "Fox" and their associated logos are the property of Twentieth Century Fox Film Corporation and are used under license. 

三流ボクサーのロッキー・バルボア(シルベスター・スタローン)は自堕落な生活を送っていたが、ペットショップで働くエイドリアンに恋心を抱き、生きがいを見出す。ある日、世界チャンピオンから対戦相手に指名されたロッキーは、かつてないほどの過酷な訓練を耐え抜いて……。

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●監督/ジョン・G・アビルドセン
●脚本/シルベスター・スタローン
●出演/シルベスター・スタローン、タリア・シェイア、バート・ヤング、バージェス・メレディス、カール・ウェザース他
●1976年、アメリカ映画
●ブルーレイ発売中 ¥2,571
●販売元/20世紀フォックス ホーム エンターテインメント ジャパン

 

02.『愛と青春の旅立ち』

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©1981 Capital Equipment Leasring. Ltd. All Rights Reserved. TM, (R) &© 2014 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.

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©1981 Capital Equipment Leasring. Ltd. All Rights Reserved. TM, (R) &© 2014 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.

不幸な家庭環境から逃げるように、アメリカ海軍士官学校に入学した青年ザック(リチャード・ギア)は、鬼軍曹フォーリー(ルイス・ゴセット・Jr)による13週間の厳しい訓練を耐え忍ぶ日々を過ごしていた。ある時、町工場で働くポーラと出会い、愛を育むようになるが……。

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●監督/テイラー・ハックフォード
●脚本/ダグラス・デイ・スチュワート
●出演/リチャード・ギア、ルイス・ゴセット・ジュニア、デブラ・ウィンガーほか
●1982年、アメリカ映画
●ブルーレイ¥2,572、DVD¥1,544 ともに発売中
●発売元/NBCユニバーサル・エンターテイメント
 ※2017年1月の情報です。
 

03.『メリー・ポピンズ』

20世紀初頭、ロンドンに住むバンクス一家は、イタズラ好きの子どもたちのせいで辞めてしまったナニーの後任者を探していた。“優しくて美しく、親切で面白い”、そんな子どもたちの条件に適ったメリー・ポピンズ(ジュリー・アンドリュース)が、風に乗って空からやって来る。

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●監督/ロバート・スティーブンソン
●脚本/ビル・ウォルシュ、ドン・ダグラディ
●制作/ウォルト・ディズニー
●出演/ジュリー・アンドリュース(麻生かほ里)、ディック・ヴァン・ダイク(山寺宏一)、デイヴィッド・トムリンスン(永井一郎)、グリニス・ジョーンズ(天地聡子)ほか
●1964年、アメリカ映画
●『メリー・ポピンズ 50周年記念版 MovieNEX』¥4,320 発売中!デジタル配信中!
●発売元/ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2017Disney

●特集INDEX
●映画監督・俳優の松居大悟が選ぶ、笑いたいときに観る映画

●アーティストのとんだ林蘭が選ぶ、怖くてドキドキしたいときに観る映画
●フォトグラファーシトウレイが選ぶ、おしゃれしたいときに観る映画
●シンガーソングライター石崎ひゅーいが選ぶ、人生を見つめ直したいときに観る映画。
●イラストエッセイスト犬山紙子が選ぶ、疲れたときに観たい映画
●フラワーアーティスト篠崎恵美が選ぶ、部屋の模様替えをしたいときに観る映画。

「フィガロジャポン」2017年3月号は映画特集! 詳細はこちら

茂木健一郎 Kenichiro Mogi
脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。東京大学、大阪大学、日本女子大学の非常勤講師を務める。「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードに脳と心の関係を研究している。

selection et texte:KENICHIRO MOGI, texte:ERI ARIMOTO

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