気分で選ぶ、私のおすすめ映画。♯04 石崎ひゅーいが選ぶ、人生を見つめ直したいときに観る映画3本。

Culture 2017.01.27

シンガーソングライター、そして映画『アズミ・ハルコは行方不明』では俳優としても出演した石崎ひゅーいさんがセレクトしてくれたのは、「自分の人生を見つめ直したくなるときに観たくなる映画」。ミュージシャンとしての石崎さんの人生と呼応するかのような作品たちをご紹介してくれました。本木雅弘さん主演の音楽映画をはじめ、音楽がカギとなっている作品たちに、心を揺さぶられる映画体験をしてみませんか?

人生のターニングポイントで観たくなるのは、心に刺さる映画。

音楽モノの映画の中で一番好きな映画が『ラストソング』です。中学の頃めちゃくちゃ見てました。とにかく名シーンばかりの映画です。
その中でも本木雅弘さんが演じるシュウちゃんが今まで苦楽を共にしてきたバンドメンバーを自分の成功の為に裏切るシーンが僕の辿ってきた音楽人生と重なってそのシーンを思い返すだけで泣いてしまうし、シュウちゃんが吉岡秀隆さん演じるカズヤをバンドメンバーに入れるために口説くシーンで『そのカンテラ、俺が持ってやるよ、その光で俺がお前の道を照らしてやるから、な?』というセリフがあるのですが、一時期このセリフのモノマネが中学のクラスで大ムーブメントを巻き起こしていました。
栄光と挫折、夢と現実、欲望と失望、普遍的なテーマでありながら泥臭く作られていて大好きです。音楽を一度でも志した人なら尚更胸が締め付けられます。

実家で親がよく見ていて、僕も自然と好きな作品が『ダウン・バイ・ロー』。トム・ウェイツの初主演映画だという事もあり、気になって何度も見ました。劇中で使われているトム・ウェイツの音楽が素晴らしいのと演技をしている姿もやはりかっこいい。いつまでも憧れのミュージシャン像です。
ダメ人間3人の脱獄珍道中的な内容なのですが、何故だかこの映画を見ると自由に生きれる気がします。人生を見直したい時にぴったりと。

そして最後は、『もののけ姫』。ジブリ作品の中で一番グッときます。
当時米良さんのモノマネをして人気を得ました。
2011年東日本大震災があった時にすぐこの映画が頭の中に浮かびました。
シシガミ様が津波でタタラ場が原発。そう考えてしまいます。
首を狩られたシシガミ様が全てを破壊してめちゃくちゃにする、しかし野に小さな花々を咲かせ去っていくシーンに全てが集約されていて、今後人間は何を大切にして生きていかなければいけないのか、やっぱり考えさせられます。今だからもう一度見たい作品です。

01.『ラストソング』

スターを夢見て、博多でライブ活動を続ける修吉(本木雅弘)は、天才的ギターテクニックを持つ一矢(吉岡秀隆)をバンドに引き入れて上京。レコードデビューを果たすものの、鳴かず飛ばずでバンドは解散。修吉は歌を諦め、才能を開花させた一矢のマネージャーになる。

●監督/杉田成道
●脚本/野沢尚
●出演/本木雅弘、吉岡秀隆、長岡尚彦
●1994年、邦画

02.『ダウン・バイ・ロー』

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©1986 BLACK SNAKE Inc.

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舞台はニューオーリンズ。無実の罪で投獄された落ち目のDJザック(トム・ウェイツ)は、刑務所で出会ったチンピラのジャック(ジョン・ルーリー)、陽気なイタリア人のロベルト(ロベルト・ベニーニ)と共に脱獄に成功。行き当たりばったりの逃亡劇がモノクロで綴られる。

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●監督、脚本/ジム・ジャームッシュ
●出演/ム・ウェイツ、ジョン・ルーリー、ロベルト・ベニーニ、エレン・バーキンほか
●1986年、アメリカ・西ドイツ

●DVD ¥1,944
●発売元、販売元/バップ
©1986 BLACK SNAKE Inc.

03.『もののけ姫』

エミシの村に住む少年アシタカは、村を襲った猪のタタリ神によって、右腕に死の呪いを受けてしまう。呪いを解くべく西の地へ旅立つが、タタラ場と呼ばれる鉄を作る村で出会った女頭領エボシは、山中の“もののけ”たちと対立。“もののけ”の姫サンに、執拗に命を狙われていた。

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●監督、脚本、原作/宮崎駿
●音楽/久石譲
●声の出演/松田洋治、石田ゆり子、田中裕子、小林薫、西村雅彦、美輪明宏
●1997年、日本アニメ
●DVD ¥5,076
●発売元/ウォルト・ディズニー・ジャパン
©1997 Studio Ghibli・ND

●特集INDEX
●映画監督・俳優の松居大悟が選ぶ、笑いたいときに観る映画。

●フォトグラファーシトウレイが選ぶ、おしゃれしたいときに観る映画。

●アーティストのとんだ林蘭が選ぶ、怖くてドキドキしたいときに観る映画。

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石崎ひゅーい Huwie Ishizaki
1984年、茨城県生まれ。2012年アルバム『第三惑星交響曲』でデビュー。 5月にはセカンドアルバム『花瓶の花』、12月7日ニューアルバム『アタラズモ トオカラズ』発売。

selection et texte:HUWIE ISHIZAKI,texte:ERI ARIMOTO

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