パフェ日記 #05 北海道発のパフェはこだわりのアイスクリームを楽しんで。
Gourmet 2017.09.08
パフェが大好きなエディターが、いま食べるべきパフェを厳選して紹介する短期集中連載「パフェ日記」。第5回は、北海道発のアイスクリーム専門店のパフェ。
8月30日
あれが見たい、あそこへ行きたい……そして、あれが食べたい。
先日、友人とともに芸術祭をまわろうと訪れた札幌で目的を揺さぶりつづけたのが食への思い。海鮮物にジンギスカン、スープカレー、ラーメン、そしてスイーツ。限られた滞在ですべてを叶えるのは難しく、いくつも諦めながら帰路へつきました。
けれど東京で叶えられる、いやむしろ東京でこそ叶えられることがある。そうして向かったのが、表参道の「グラッシェル」です。「グラッシェル」は、小樽に拠点をもつ洋菓子店「ルタオ」がプロデュースするアントルメグラッセ(アイスケーキ)・アイスクリーム専門店。札幌駅にも店を構えているものの、時間がなくて諦めた店のひとつ。ただし本店は東京で、全国から取り寄せた新鮮な果物を使って店内厨房でアイスクリームを作っています。これまでフルーツを主体にパフェを紹介してきましたが、今回は口どけ軽やかなアイスクリームのおいしさをお勧めします。
秋の訪れを感じさせる季節のメニュー「シャインマスカットパフェ」は、グリーンとイエローを基調にした目にもおいしいパフェです。シャンティクリーム(砂糖を加えた生クリーム)にかかる淡い黄色のクリームはレモン。そしてクリームを支えるように置かれているのがパフェの主役、生のシャインマスカットとコンポートしたシャインマスカットです。皮のまま楽しめるシャインマスカットの果肉はひと口齧ると瑞々しく弾け、コンポートされたシャインマスカットはじわりと口の中に果実のジュースが広がります。
コンポートされたマスカットの脇にあるパステルグリーンのアイスクリームはシャインマスカット。一粒に濃厚な甘さを閉じ込めたシャインマスカットの果実のあとに、また違う風味を残します。同じく葡萄の脇に添えられたジュレはナイアガラ(ぶどうの品種)のワインを使ったもの。てんとう虫の模したアイスケーキなど、グラッシェルには子どもが大喜びするメニューも多いのですが、パフェに限っていえば隠し味にアルコールを用いた大人向けの味が多いようです。「ショコララムレザンパフェ」もしっかりとラム酒が利いたラムレーズンのアイスクリームやジュレが、ビターな風味のチョコレートとぴったり。アイスクリームに添えられるのはワインやチーズとともに楽しむような良質のレーズン。スモーキーなウイスキーにも似合いそうな大人の味わいです。
もちろん子どもといっしょに楽しめるパフェも。その佇まいに懐かしさを覚えるのが「プリンパフェ」です。とはいえ味は昔懐かしではなく、素材を厳選した本格派。カラメルのビターな甘さとバニラビーンズの香り高いプリンと、季節によって変化するフルーツが美しく盛られて、子どもはもちろん大人まで童心に帰ってしまう幸せな佇まいです。こちらのアイスクリームはバニラ。
こだわりの素材をたっぷり使ったアイスクリームでできたパフェ。素材が重ねられることで生まれる味わいはまさに大人のためのパフェと言っていいでしょう。東京だからこそ食べられる贅沢なパフェをぜひ楽しんでください。
シャインマスカットは岡山県の葡萄園、山雅ファブリカンのものを使います。グラスいっぱいにすり切られているのはフローマージュブランのムース。そのアーモンド風味の生地とシャインマスカットのシャーベットが。カットしたシャインマスカットが並ぶ側面がとてもフォトジェニック。季節限定のパフェ「シャインマスカットパフェ」¥1,836
ラム酒の入ったチョコレートのアイスクリームに添えられたレーズンは、山雅ファブリカンの瀬戸ジャイアンツでつくられたもの。ココアパウダーがかかったチョコレートクッキーの下は、シャンティショコラとチョコレートのクリームブリュレ。ビターなチョコレートの後は、しっかりとラムが香るラムレーズンアイスクリームが登場。サトウキビシロップとラム酒のジュレとともに、チョコレートの余韻をしっかりと楽しめます。「ショコララムレザンパフェ」¥1,620
どこか懐かしいフォルムのプリンパフェは常に旬のフルーツをたっぷり使うので、秋に向けてどんなフルーツが登場するか楽しみ。色とりどりのフルーツの下はカスタードクリームに生クリームを合わせたクレームディプロマットとサクサクのフィアンティーヌ、さらにバニラアイスクリームが敷き詰められています。「プリンパフェ」¥1,620
東京都渋谷区神宮前5-2-23
tel:tel:03-6427-4666
営)サロン ド テ:11:00〜18:00 L.O. ブティック:11:00〜19:00
無休
http://www.glaciel.jp
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photos : TORU KOMETANI, réalisation : YOSHINAO YAMADA