映画界のスターが集結! ケリング「ウーマン・イン・モーション」カンヌの一夜。

Culture

2026年5月17日、カンヌ国際映画祭にてケリング主催の「ウーマン・イン・モーション」ディナーが開催された。この取り組みは、映画業界の多様な分野で活躍する女性たちにスポットライトを当てることを目的に2015年に始まったもの。昨年で10周年を迎え、クリエイティブな業界における女性の評価や影響力をさらに高めていくために対話と行動のための場を提供し続けることをあらためて提示。そんなケリングの姿勢は、カンヌ国際映画祭をはじめ、映画界から強く支持されている。

美しく飾られたディナー会場の様子。 Courtesy of Kering

ディナーの会場となったのは、カンヌの街並みを一望できる高台。日が暮れると、この会場に続々とセレブリティが到着し始める。なかでも、今年最も注目すべきは、世界三大映画祭のすべての女優賞を受賞しているジュリアン・ムーアだ。毎年、映画界で女性のエンパワーメントに貢献してきた人物に「ウーマン・イン・モーション」アワードが贈られているが、今年はジュリアン・ムーアが受賞。ケリング取締役会会長のフランソワ=アンリ・ピノー、カンヌ国際映画祭会長のイリス・ノブロック、そして総代表のティエリー・フレモーから賞を授与された。ジュリアン・ムーアは「このように評価されることは大きな名誉で、ケリングとカンヌ国際映画祭からこのような評価をいただき心から感謝しています。私はこれまで可視性が重要だと常に信じてきました。私たちが選び語る物語は、スクリーンの前、そしてカメラの後ろでも女性や多様な声の可能性を広げていく力があると信じてきました。そうした声を後押しし、次世代のクリエイターを支え続けることは、より開かれ、より多様性が正しく反映された映画文化を育み、真の変化を生み出していくことに繋がります」と、コメント。また、新進気鋭の才能を支援する「ウーマン・イン・モーション」エマージング・タレント・アワードには、映画監督のマルゲリータ・スパンピナートが選出。長編デビュー作『スイートハート』が今年のカンヌで高い評価を受けている。

ジュリアン・ムーアに「ウーマン・イン・モーション」アワードが贈られた。Photo by Anthony Ghnassia/Getty Images for Kering

多国籍な錚々たるセレブリティが集結。

会場には、今年の審査員長パク・チャヌクをはじめ、審査員のデミ・ムーアやクロエ・ジャオも姿を見せた。そのほか、イザベル・ユペール、サルマ・ハエック、グザヴィエ・ドラン、ハリス・ディキンソン、デイジー・エドガー=ジョーンズ、ハン・ソヒ、少女時代のユナなど、多国籍かつ華やかな顔ぶれが集結。日本からも、岡本多緒、是枝裕和監督、本木雅弘、内田也哉子の4人が参加した。

左から、サルマ・ハエック、マルゲリータ・スパンピナート、ジュリアン・ムーア、クロエ・ジャオ、デミ・ムーア、ルース・ネッガ。Photo by Anthony Ghnassia/Getty Images for Kering
イザベル・ユペールも来場。 Courtesy of Kering
昨年に続き出席している韓国の女優ハン・ソヒ。 Courtesy of Kering
少女時代のユナはエアリーなピンクのドレスを纏って。 Courtesy of Kering

日本の4人が語る「ウーマン・イン・モーション」の意義。

岡本多緒は、コンペティション部門で出品されている濱口竜介監督『急に具合が悪くなる』で主演。今回、初めてカンヌ国際映画祭に来場し、数日前にレッドカーペットを歩いたばかりだ。「ウーマン・イン・モーション」にも初めて参加し、「年々、女性の活躍や進出が見られ、私も本当に励まされています。やはりこのような取り組みを続けていくことはとても大切だなと思います。今日はその歴史の一部を垣間見ることができて、胸が高揚しています」と、映画界でキャリアを重ねる女性として共感の意を示した。

グッチのドレスにブシュロンのジュエリーがスタイリッシュな岡本多緒。 Courtesy of Kering

カンヌ常連として知られる是枝裕和監督は、コンペティション部門出品作『箱の中の羊』を携えて参加。今年はカントリー・オブ・オナーに日本が選ばれていることに触れ、日本から多くの監督や俳優、映画関係者が訪れていることに言及し、日本映画がさらに世界で注目を集めていくことへの期待を語った。「ウーマン・イン・モーション」の取り組みについては「いかにこの取り組みが映画界にとって重要なのかということを学ばせていただいています。 こういった活動を持ち帰って、まず自分の制作現場や日本の映画界で、女性の活躍もしくは女性が働きやすい環境を作るため、少しでもお役に立てればいいなと思っています」と、日本の映画界に活かしていく意欲を表明。

是枝裕和監督はブリオーニのスーツを着用。 Courtesy of Kering

そんな是枝裕和監督に誘われてディナーに参加したという本木雅弘。今回、カンヌ・プレミア部門で公式上映された黒沢清監督『黒牢城』で、初めてカンヌ国際映画祭へ参加している。「是枝さんはかねてからものづくりの現場やクオリティがより高く維持できるように、さまざまな形で業界を支援している方です。また、映画制作現場での裏側の状況をより良くしていくということも広く具体的に語りかけている是枝さんに共感しながら、今日は参加させていただきました」と、是枝裕和監督の活動について言及。「 私も是枝さんのもとにいる西川美和さんの映画に出演したことがあるんですが、人間の個性がそれぞれだというのと同じ意味合いで、女性特有の感性や語り口があると感じていて、そういった特別な味わいのある作品がもっと増えればいいなと思います。最近、現場のスタッフの方にも女性がたくさん増えてきましたが、女性の作家さんや監督さんが増えていくことで、より映画業界が豊かになるのではないかなと思っています」と、述べた。

内田也哉子と本木雅弘の貴重な夫婦ショット。 Courtesy of Kering

本木雅弘との夫婦ショットを見せた内田也哉子は、東京国際映画祭とのコラボレーションイベントをはじめ、数年前から「ウーマン・イン・モーション」に何度も参加している。「映画本拠地のカンヌで、このように世界中の映画関係者や文化的、芸術的な世界に生きる人たちが集うこのようなイベントに参加できるのは本当に光栄です。どんな世界でも女性たちが生き生きと社会で活躍できるということを、みんなで一丸となって築き上げていけたらと常々思っています。やはり、こうしていろんな世界で活躍される方たちがそこに目を向けていることが大切だと思います」と、「ウーマン・イン・モーション」の意義を語った。

樹木希林との縁から、是枝裕和監督と親交の深い内田也哉子と本木雅弘。 Courtesy of Kering
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  • text: Momoko Suzuki