【Weekly連載 33】旅先で、息を呑む瞬間。
caoの心の育て方。
こんにちは、caoです
6月は旅先のウフフなことを……
ウフフって何?! と微妙ですが、楽しんでいただけたらうれしいです。
出先でたまにフリータイムをいただくことがある。
思いがけずいただけるから、ご褒美をもらっちゃったみたいでワクワクする。
そんなご褒美タイムの楽しみ方は色々。
パッと外に足が向くときもあるけど、ホテルの部屋の間取りや家具などの配置、色合いなどがしっくりきたときは
ウホッ
部屋での極上のご褒美タイムを過ごすことにしている。
居心地がいい空間ってそうない。
だからそんな空間を見つけたときは、ホテルの部屋で伸び伸びゆったりとした時間を堪能することにしているの。
いつだったか、夜中から翌日の夕方までフリータイムをいただいて、やった〜とホテルに戻ったら、ホテルの予約に行き違いがあって、三日早くチェックアウトしなくてはならなくなってしまった。
でもまっ、こんなことはよくある。
この時のフリータイムは、宿探しをするという目的となった。
明日に備えて、シャワーを浴びて寝るぞっとベッドにゴロン。
その瞬間、トキが止まったのではと思うほどの光景に目が釘付けになる。
部屋にある大きな丸い窓の中に、瞳をキラキラさせたような視線を注ぐお月さまがそこに。
一瞬を切り取ったような、まるで一枚の絵のよう。
さらに、静寂さがあることに息を呑む。
ごめんなさい
なんて言葉でお伝えしたらいいのだろうか、言葉が見つからないな。
ただ、うれしくて、せつなくて、身ぶるいしながら、わたし自身から立ち上がる熱に酔う。
そのまま、丸い窓という額縁の中の絵でどれだけの時間を楽しんだかな。
その絵は、月明かりが楽しめる漆黒から、ほんのりピンクを帯びて蒼が広がる空へと変わり
BGMは静寂から鳥のさえずりやリズミカルな話し声が、エンジンやクラクションの音の響きに変わり
香りは爽やかな風から焼けた土の香りが、食欲のわく香りへ変わり
ウフフ
丸い額縁の絵の中のトキは、豊かさでいっぱい
こんなとき、地球にいま在ることを自慢したくなる
誰に、なんて関係なく無性に “どうだ、いいでしょう” ってね。
あっそうそう、宿探しはね
ダブルブッキングしていたお客さまがキャンセルされたということで、そのまま滞在することができたの。
あのホテルであのお部屋でのフリータイムは後にも先にも、あのときだけ。
いつかまた楽しめることを願って、いまをいそいそふわふわと空回りしながら過ごしていますよっ。
へへっ
みなさんはどうかな?
息を呑む瞬間ってあるかな?
photo : cao, illustration : MARIKO ENOMOTO