静かに心を揺さぶる、歌姫ネナ・チェリーの新作。

Culture

音楽シーンを席巻! 歌姫の会心作。

『ブロークン・ポリティクス』/ネナ・チェリー

トラフィック ¥2,376

R&Bやヒップホップ、英国ブリストル発祥のトリップホップなどを取り入れ、1980年代末から90年代にかけて大ブレイクしたネナ・チェリー。その後もユッスー・ンドゥールからゴリラズまで幅広いジャンルのアーティストと共演しながら音楽シーンの最先端を突っ走ってきた彼女が、4年ぶりに新作を発表した。

フォー・テットのキーラン・ヘブデンをプロデューサーに迎えた今作は、意外にも穏やかな雰囲気を纏っている。ダンサブルなビートもあるが、どちらかというとダブやアンビエントソウルに近く、そのうえでポップなメロディを丁寧に歌い込んでいる印象だ。とはいえ、難民キャンプをテーマにした「Kong」や銃社会に警鐘を鳴らす「Shot Gun Shack」など、社会派の姿勢は不変で力強い。ときには母性さえ感じさせる深みを持つ歌声が、聴く者の心を静かに揺さぶってくれる。

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*「フィガロジャポン」2018年12月号より抜粋

réalisation : HITOSHI KURIMOTO

この記事の元URL: https://madamefigaro.jp/culture/190102-musique-01.html