ガーデニングファン必読、英国の庭を取材した美しい写真集。

Culture 2023.07.21

写真家の戎 康友と、編集者・文筆家の故・鈴木るみこによる写真集『みどりの王国 The Kingdom of Green』が刊行。その記念として写真展『みどりの王国』を7月21日より東神田のminä perhonen elävä IIにて開催。

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『みどりの王国 The Kingdom of Green』戎 康友撮影  鈴木るみこ著  青幻舎刊 ¥5,940(7/21 elävä IIにて先行発売、8月下旬全国発売予定)

本企画は、2018年に逝去した鈴木るみこが、約15年前に「“みどりのゆび”を探しにいく」と戎 康友に告げたひと言から動き始めた。格式ばっていた英国式庭園を、自然に即した庭へと作り変えた庭園家や、芸術の域まで高めたイギリスの女性。その思想を理解し受け継いできた庭師たちの“みどりのゆび”。「変わらずに変わり続ける」庭に胸打たれた鈴木は、数年かけて戎とともにこのシリーズを形にした。

本書は、戎と鈴木のふたりが、雑誌『ku : nel』(マガジンハウス)の庭特集の取材撮影で、2008年、2014年、2015年の3回にわたって渡英し、イギリスの10カ所あまりの庭園を訪ねた記録に、戎が個人的に訪れたデレク・ジャーマンの庭「プロスペクト・コテージ」の写真を加えて一冊にまとめたもの。

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金ぐさりのトンネルが有名なコッツウォルズの名園「バーンズリーハウス庭園」。究極のコテッジガーデン(田舎家風庭園)とも讃えられる庭をもつ「チャールストンファームハウス」。英国でもっとも美しい個人庭園とも称される庭「ウォラートン・オールドホール・ガーデン」。英国現代美術を代表する女性彫刻家バーバラ・ヘップワースのアトリエの庭「バーバラ・ヘップワース・スカルプチュア・ガーデン」。そして、英文学史に特異な地位を占める作家ヴァージニア・ウルフの庭ーー。

綿密な下調べと確かな取材によって、イギリスの庭の考察、各庭の成り立ちやファウンダーの思考、庭師の人々が語る植物への愛などが綴られている鈴木の文章と、庭をゆっくり歩き、じっと眺めて、大判カメラでフィルム撮影された、庭のポートレートともいえる戎の写真は、美と生命力に満ちたこの世ならぬ園が、いまもそこに生き続けていることを教えてくれる。

今回の写真展では、ふたりが訪れ、それぞれの情熱をもって文章と写真に残した庭の姿を真近に感じることができるはず。この機会にぜひ足を運んでみて。

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写真展『みどりの王国』

期間:2023年7/21(金)〜8/12(土)*レセプションは、7/21(金)16:00〜18:00
会場:minä perhonen elävä II
東京都千代田区東神田1-2-11 201号室
tel : 03-6825-8037
営)11:00〜19:00
www.mina-perhonen.jp/elava/elava2

text:Natsuko Kadokura

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