「テレビドラマ、拾い読み！」 年末年始、Netflixで楽しむ映画・ドラマ・バラエティ！ エンタメ作品5選。

1年間を通じて5回以上映画館へ通うと幸福度が上がり、さらに軽い運動と同じ程度の効果が得られるといった良い情報を目にした。さてあなたは今年何回、映画館へ足を運んだでしょうか？ もしくはどれほどの映画やドラマを観たでしょうか？

たかが5回と思われるかもしれないけれど、多忙な現代人にとって『国宝』を鑑賞に行った記憶くらいしかないのでは、と思う。ただ今年の年末年始は近年稀に見る大型連休だと聞くので、この機会にぜひ良作のエンタメを脳内に吸い込んで、新年に向けて幸福度を上げてほしい。そしてこんな時に利用したいのは毎年、話題作を運んできてくれるNetflix。冒頭に"映画"と書いたけれど"非日常に溶け込めるエンタメ作"の視点で、今年面白かった5作品をピックアップした。

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『新幹線大爆破』

137分／出演：草彅剛、細田佳央太、のん

本務車掌として高市和也（草彅）が乗車勤務する新幹線に「爆弾をしかけた」と、連絡が入る。多くの乗客の命を守るために乗員らが犯人と戦う。1975年に公開された同タイトル映画のリブート版。JR東日本が全面協力の撮影など、配信前から話題に上がっていた本作。犯人は誰なのか？ 乗客は避難できるのか？ 犯人の要求通りに新幹線は止まるのか？ 約2時間の上映時間が「......あっという間！」としか表現できないほど、スピード感に包まれていた。尾野真千子演じる、不倫疑惑を挽回しようとする衆議院議員の言動がおもしろかったのでチェックしてほしい。尾野の演技力が光っていた。樋口真嗣監督が2025年のNetflix新作発表の場で「初作に影響を受けてどうしてもこの映画を作りたかった」と興奮気味に話していたのも印象的。熱量はいつか実るのだ。

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「阿修羅のごとく」

全7エピソード／宮沢りえ、尾野真千子、蒼井優、広瀬すず

向田邦子脚本による「阿修羅のごとく」は、性格のまったく異なる四姉妹の生きざまを楽しむドラマだ。初回から最終回まで、ずっとときめきが止まらなかった。まずは長女の網子に宮沢りえ、次女の巻子に尾野真千子、三女の滝子に蒼井優、四女の咲子に広瀬すず......と、豪華なキャスティングにときめく。特にボクサーと結婚し、金満妻ぶりを見せる広瀬の演技がニヤリとするほど、気持ちがよかった。そして舞台の1979年の再現度の高さにもときめく。記憶の彼方にある、古びた（当時は最先端）家電や家具を見ていると、高度経済成長期を経た日本が豊かだったとしみじみ。各家庭が金を支払って、便利さを取り入れようとしていたのだと感じるのだ。そんな時代だからこそ"欲"が剥き出しになる登場人物たち。不倫、金欲、性欲。言葉にすると、ややいやらしい雰囲気になるけれど、当時は普通の感覚。その様子を演じる名俳優たちを見ていると「ああ、こんなふうに欲を前面に押し出すことができたら」と潜んでいた自分の欲に気づく。これもときめきだ。「阿修羅のごとく」はさまざまな感情を想起させてくれる。

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「ラヴ上等」

全10エピソード／MEGUMI、AK-69、永野

ヤンキーの男女11人による、恋愛リアリティーショー。観ていると恋リアという意識が薄れ、「ザ・ノンフィクション」（フジテレビ系）のような、ドキュメンタリー番組を観ているような気持ちになった本作。「少年院」「暴走族の元総長」「早く捕まりたかった」といった、私たちの日常生活には縁のない言葉が乱発する中、参加メンバーがこと"恋愛"となると、純度100％の素直で可愛らしいギャップを見せてくれる。全エピソードのMCを務めるのは自身も元ヤンという、本作の企画・プロデューサーのMEGUMI。ヤンキーの動向について分かりやすい解説をしてくれる、ラッパー・AK-69と、視聴者代表のような立ち位置の芸人・永野の計3人。全エピソードで印象に残ったのは、途中参加のダンサー・あもの登場時に水をかけられた、Babyがブチ切れたシーンだった。映像作品よりも深い非日常空間へ、いざ。

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「匿名の恋人たち」

全8エピソード／小栗旬、ハン・ヒョジュ、赤西仁、中村ゆり

人に触れられない製菓メーカー御曹司・藤原壮亮（小栗）と、天才ショコラティエでありながら、視線恐怖症を抱えるイ・ハナ（ハン）のふたりをめぐるロマンティックコメディ。王道ラブストーリーを彷彿させる展開に「こういうドラマが見たかった！」と、終始笑みが止まらない。そのカギを握るのは、まず主演の小栗旬。数々の平成ドラマで、視聴者の心を鷲掴みにしてきた彼の類まれな存在感を、令和にまた観られるとは思わなかった。そして久々の日本作品出演となる赤西仁の41歳とは思えないエイジレスぶりと、画面からあふれる色気。このふたりを眺めているだけでも、十分に視聴価値のある作品だ。壮亮とハナのなかなか素直になれないじれったさと、ストレートな愛情表現が混じり合う恋愛模様を観ていると、来年は恋がしたくなった。

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「GOOD LUCK!!」

全10話／木村拓哉、堤真一、柴咲コウ

2003年に放送された名作がNetflixで観られるとは！ 飛行機の副操縦士・新海元（木村）と、航空機事故で両親を亡くし、飛行機に乗れない航空整備士の緒川歩実（柴咲）の恋の行方は......？というのが、物語のメイン。もちろんそれだけではなく、空の上で働く厳しさ、人間関係など、さまざまな人の様相が描かれている。当時、オンタイムで観ていたけれど、パイロットの存在が彼の演技を通して、憧れに切り替わったのを覚えている。ドラマの放送後にパイロット志願者が急増したのも納得。

ふと、思い出した番組がある。「HERO THE TV」（フジテレビ系・2015年）で木村出演のドラマを観て育ち、美容師やピアニスト、アイスホッケー選手などの職業に就いた視聴者とのご対面シーンだ。普段クールな木村が涙ぐんでいたのを思い出した。それほどドラマには影響力があり、知らない世界を魅せてくれる様子を本作で確かめてほしい。見終えるころには幸福度が上がっている......はず。