編集KIMのシネマに片想い

LGBTQ映画の新作映画を観るなら!

編集KIMのシネマに片想い

こんにちは、編集KIMです。
思い出せば、連載「シネマに片想い」の初回はLGBTQ映画についてでした。原作者のパトリシア・ハイスミスが亡くなって時が経ち、トッド・ソロンズ監督『キャロル』(2015年)の公開が近い時期だったと思います。
LGBTQ映画の新作を集めて紹介する、「レインボー・リール東京~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~」という映画祭が、毎年夏に開催されています。2019年で第28回! LGBTなんて言葉が世の中に浸透するずっと前から行われていたのですね。7月の第1&2の週末、表参道の東京ウィメンズプラザホールとスパイラルホールが会場となります。
こちらの映画祭に来場する観客のなかには、ご自身がLGBTQの方々も多くいらっしゃいますが、KIMのようにただただ映画が好きで良質の作品を探しにくる観客もたくさんいます。LGBTQを題材にした作品には、本当に秀作が多いのです!

映画祭にかける作品を選んだプログラマーの今井祥子さんのお話をうかがう機会があって、今回紹介される作品のなかから興味をもった何本かに触れたいと思います。KIMも未見なので、さわりのみのご紹介です。実際に会場で観ようと思っています。気に入ったらのちにレビュー書きますね!

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まずは、ニューヨークが舞台の『ジェイクみたいな子』。今井プログラマーいわく、LGBTQ当人の気持ちにフォーカスするのではなく、「もしかしたら我が子はLGBTQかもしれない……」と悩む親の側に焦点を当てているのがおもしろい、ということでした。子どもの未来や、社会との触れ合い方について考えていく親たちを描いた物語。母親役を『ロミオ&ジュリエット』(1996年)でレオナルド・ディカプリオと共演していたクレア・デインズが眉間にしわ寄せながら演じ、父親役を自らも同性愛者であることをカミングアウトしたジム・パーソンズが演じています。『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017年)など名画の脇にこの女優あり!のオクタヴィア・スペンサーもジェイクが通う幼稚園の園長として出演。アメリカ映画やテレビ界の名優たちが集まった、という点でもフィガロ読者におすすめできそう。そして、予告編を観ましたがとても描き方がナチュラルなムードだったことにも惹かれました。まさに日常にある出来事、として描かれているようなタッチです。サンダンス映画祭でも評判だった、ということもポイントですね。

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『ジェイクみたいな子』 ●監督/サイラス・ハワード ●出演/クレア・デインズ、ジム・パーソンズ、オクタヴィア・スペンサー ●2018年、アメリカ映画 ●92分 ●日本初上映、日本公開未定

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次に韓国映画からの出品作『花咲く季節が来るまで』。韓国映画はもともと好きで、以前フィガロ本誌でもホン・サンス特集をやったこともあります。さりげないムードで描かれていても、根本的に人間の情が濃い印象にKIMの目には映るのです、韓国のヒューマンドラマは。『花咲く~』は、カフェでアルバイトを始めた女子高生が、自身を雇ってくれた女性オーナーに恋心を抱く、というストーリーですが、予告編から察するに、明るくさっぱり軽快に、というのとは程遠く、登場人物たちの心の奥底に、ひそやかにしっとりと入っていく描かれ方をしているように思いました。透明感のある、冷たくて静かな画面も気になります。

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『花咲く季節が来るまで』 ●監督/キム・ジュンシク ●出演/ジョン・ユンヨン、キム・ヨンミン ●2018年、韓国映画 ●98分 ●日本初上映、日本公開未定

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この期間中にKIMが観に行くことができなくて本当に悲しい!気になる1本があります。南アフリカの映画『カナリア』です。なんとミュージカル?らしいです。監督の絵作りのこだわりがひしひしと予告編の画面から伝わってきます。「ほぼ」ワンシーン・ワンカットだそうですが、予告編ではまったくそれはわかりません。むしろ、フレームの中の絵がきれいで、人物の配置や、衣装の選び方、色彩なども、考え抜かれたような印象がありました。主人公は、本国南アでは有名なコメディアンらしいです。徴兵制のために軍の聖歌隊に配属される18才の青年が自身の性と向き合う、というストーリー。場面写真からもエネルギーが伝わってきませんか?

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『カナリア』 ●監督/クリスティアン・オルワゲン ●出演/シャレク・ベズィデノー、ハンネ・オットー ●2018年、南アフリカ映画 ●123分 ●日本初上映、日本公開未定

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最後に、まさに「らしい!」作品を紹介します。『ソヴァージュ』。美しくたくましい肉体の男性が出てきて、LGBTQの主人公の心の内側や人生をしっかり描く内容です。孤独な生活を送りながら街娼として働く青年レオが、恋に落ちて人生に変化が訪れるという物語。初長編なのに、カンヌの批評家週間2018にてプレミア上映されたそうです。主演のフェリック・マリトーは、『BPM ビート・パー・ミニット』(2017年)への出演が記憶に新しいですね。

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『ソヴァージュ』 ●監督・脚本/カミーユ・ヴィダル=ナケ ●出演/フェリックス・マリトー、エリック・ベルナール、ニコラ・ディブラ ●2018年、フランス映画 ●99分 ●日本公開未定

今井プログラマーは、過去にベルリン国際映画祭のテディ賞の審査員も務めた経験があります。また、この映画祭で上映すべき作品を探すため、サンダンス映画祭、サウス・バイ・サウスウエスト映画祭、ロンドンやサンフランシスコのLGBTQ映画祭での上映作の情報を集めてチェックしているとか。『君の名前で僕を呼んで』(2017年)だって、とても美しいLGBTQ映画です。世界中から選ばれた、良質な作品が観られるという意味では、東京レインボー・リール映画祭はおすすめです。
全12プログラム16作品! ぜひ、この機会に訪れてみませんか? 
KIMも同じ会場で、何本か観ておりますので!

第28回東京レインボー・リール映画祭~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭
7月5日(金)、6日 東京ウィメンズプラザホール
7月12日(金)~15日(月・祝) 表参道スパイラルホール
前売り券¥1,400、当日券¥1,700 スパイラル4回券(前売りのみ)¥5,200
主宰:NPO法人レインボー・リール東京
rainbowreeltokyo.com

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