【2027年春夏コレクション】下着を出発点に、フェンディが伝えたいメッセージ。
2026年9月23日(現地時間)、フェンディのショーが開催された。2025年にチーフ クリエイティブ オフィサーに就任したマリア・グラツィア・キウリが手がける、プレタポルテコレクションの2回目となるショー。

キウリは、ティザー動画で「I like my body when it is with your body(あなたと一緒にいる時の、自分の身体が好き)」という実験的な作風で知られるアメリカの詩人、カミングス(1894~1962)の一節と、エネルギッシュなイタリアのポップスターで、フェミニストとも評されるラファエラ・カッラ(1943~2021)が着想源であることを明かした。「カッラは自らの身体を熟知したうえで他者に披露し、すばらしいファッションセンスも持っていた」とキウリは語り、官能性にも思いを馳せながら身体に着目。「身体に一番近い」下着を出発点としたという。また、ショーをチームパフォーマンスと捉え、観客も出演者のような気持ちになり、他者の中に自分自身を見出すための装置として鏡を用いたセットになることを示唆した。

予告通り、ランウェイにはイタリアのアーティスト、ルチアーノ・ファブロ(1936~2007)の作品「ミラーキューブ」から着想を得たミラーボックスが。観客たちはそれを囲むように着席した。
ボックスの中に最初に登場したモデルは、肌を大胆に露わにし、すでにアイコンとなっている付け襟とカフス、そしてレースがあしらわれたボトムを着用している。

下着のイメージは、レースや刺繍、多様なカラーを用いて表現していた。





さらに、今季も共通ルックを着用した男女モデルを続けて登場させるという演出が。ジェンダーに基づく服装を超越しようとする姿勢は、新しいフェンディの定番となるのだろう。


ラファエラ・カッラの華やかなスタイルを思わせるピースも組み込みながら、官能的でもあるコレクションを披露したキウリ。

ローマを拠点とし、女性たちが率いてきたフェンディで、心置きなく祖国イタリアのカルチャーを尊重し、信念とするフェミニズムを貫くことができているよう。今季は大胆な演出に取り組むなど、挑戦する姿勢も見られた。今後も価値観が一致している新天地で、ますます創作意欲を高めていくのだろう。

- photography: Fendi text: Itoi Kuriyama
- edit: フィガロジャポン編集部