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より早期の診断が可能に！ 60ユーロでできる妊娠力測定テスト。
Lifestyle 2023.06.21
フランスの大学病院研究グループが血液検査をもとにオンラインで妊娠力を評価するテストを開発した。男性でも女性でも、子作りの計画がある人もそうでない人も、自分の妊娠力を測定できる。
フランスの研究者たちが妊娠力測定テストを開発した。子作りの計画がある人もそうでない人も、オンラインでアクセス可能。photography: Getty Image
不妊はかつてなく深刻な公衆衛生上の課題となっている。昨年2月に連帯保健省に提出された報告書によると、フランスでは330万人が不妊症を抱えている。同年11月15日には、医学雑誌『ヒューマン・リプロダクション・アップデート』に、世界規模で男性の精子濃度が加速度的に減少していると注意を喚起する研究が掲載された。気がかりな傾向にあるのは女性も同様で、女性の3人に1人に不妊の症状が見られるという。
この問題の原因を特定するのは難しいが、多くの研究者たちが、身体を動かさないことや食生活など、生活様式に関連した個人的要因の関与を指摘している。ソルボンヌ大学、パリ・シテ大学、パリ公立病院連合の研究者たちが共同で立ち上げたスタートアップ企業Alifert（アリフェール）が開発した妊娠力測定検査で、血液検査の後に行うオンラインテストは、まさにこうした要因を特定するためのものだ。テストはすでに特許を取得し、運用が開始されている。
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より早期の診断を可能にする
不妊症早期診断への道を開く、それもよりスピーディに。それがこの新しいサービスの狙いだ。不妊症検査のために医療機関を受診するタイミングについて、公的医療保険のウェブサイトには「多くの場合、適切な時期に避妊法を使わずに定期的な性交渉（週2、3回）を持ってから12～24ヶ月経過しても妊娠しないとき」と記載されている。
アリフェールがアプローチするのはもっと前の段階だ。スタートアップ企業はカップルや子どもを作る年齢にある男女に、子作りの予定があるない関わらず、個々人の身体データ（年齢、身長、体重）と血液検査から割り出された、妊娠力の「スコア」を測るサービスを提案する。健康保険は適用されず、費用はひとり80ユーロ（サイト立ち上げを記念して、いまは60ユーロに値下げされている）、カップルで120ユーロだ。
具体的な手順は以下の通り。アリフェールに血液検査（検査の処方も保険対象外）の結果を送ると、測定結果が3日以内にメールで届く。妊娠力の度合いが「妊娠にとても適している」「適している」「あまり適していない」「適していない」の4段階で画面上に表示される。代謝機能と栄養状態に関して改善すべき点の詳細、健康上の一般的なアドバイスも添えられている。
食生活や運動と不妊症には実際に関連がある、とアリフェール共同創始者で、パリのトゥノン病院卵子精子保存研究センター生殖生物学科チーフのラシェル・レヴィ教授は話す。バランスの悪い食生活、抗酸化物質の摂取不足、コレステロール、血糖値、過体重、運動不足、睡眠不足……。こうした状況はすべて「配偶子の質の低下につながるだけでなく、自然妊娠の確率も押し下げ、潜在的に流産のリスクを増加させる可能性がある」と教授は説明する。
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自分の健康と未来の健康を守る
アリフェールの妊娠力測定テストは15年に及ぶ研究の成果だ。2009～2015年の間に子どもを授かったカップルと授からなかったカップル200組を対象に、トゥノン病院生殖生物科、ジョルジュ・ポンピドゥ・ヨーロッパ病院栄養科、サン＝タントワーヌ病院臨床代謝科の研究チームが行った臨床研究が、グループが開発したアルゴリズムのベースとなっている。「男性でも女性でも健康状態が悪かったり、特に心代謝性疾患を罹患していると、エピジェネティックな標識が後代まで受け継がれます。これは本人の生殖能力だけでなく、自分の子孫の健康にもネガティブな影響をもたらします」とレヴィ教授は言う。
このサービスは治療に代わるものではないため、利用者はテストの結果が良くてもそうでなくても、かかりつけ医師に結果を報告し、場合によっては専門医を受診するようにと、アリフェールはサイトで呼びかけている。将来的には、利用者それぞれの健康状態に応じて栄養レシピの提供も行いたいとレヴィ教授は話す。
その一方で、大学病院研究グループは別のツールの開発にも取り組んでいる。こちらは医療関係者向けのもので、「不妊治療を受けている患者に病院で専門のサポートを提供するための国内初のツール」と、アリフェールはプレスリリースで強調している。
text: Tiphaine Honnet (madame.lefigaro.fr)
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