'超現実主義'をご存じですか?
ブティック・スタイルの個性派ホテル
「The Luxe Manor(ザ・ラックス・マナー )」九龍/香港
ホテルへBon Voyage 2010.06.18
考えて見ると、香港に通い始めてすでに38年にも成りました。年齢がわかりそうですが、なんと言っても私の若かりし頃、人生の海外旅行がホンコンだったこともあり、香港には深い思い入れがあるのです。その頃の香港を思い起こせば、九龍地区はまだ怪しげな場所が多く残り、ヌメッとした路地にはたくさんの屋台が出て、朝にはソバや中国粥を食べる人たちでごった返していました。飛行場も九龍島にあり、今は懐かしい'世界一危険で難しい飛行場'と言われていたのを想い出します。
その香港は、あれよあれよという間に世界有数の大都会となり、街角からは怪しい臭いもしなくなり、スタイリッシュで美しい街へと発展してきたのです。香港には世界有数のゴージャスなホテルも勢揃いしていますよね。いつも香港に行くたびにそんな豪華ホテルを楽しんできたのですが、今回は、ブティックホテルに驚かされました。
たくさんのデザインホテルも生まれていますが、ここでは「ザ・ラックス・マナー」をご紹介しましょう。
ホテルの外観
九龍島の中心地、ネイザンロードとオブザバトリィロードを繋ぐキンバリーロードに面し、また九龍公園にも近い便利な場所にあることから、買い物にも観光にも、街歩きにも便利なロケーションです。私が知らなかっただけで、このホテルがオープンしたのはもう4年も前の話。2006年10月だったといいます。「surrealism」(超現実主義)というコンセプトを掲げるだけのことはあり、ロビーからすでに驚かされる空間造りが始まっています。'マジカル・ロビー'と謳うユニークなロビーには個性的な椅子がここそこに置かれ、レセプションも個性的です。
まぁ。写真をご覧ください。客室もおとぎ話のように凄いです。
一般のホテルとは趣の異なるロビー・レセプション
(左)メインロビーの一角、赤と黒の強烈なコントラストにシャンデリアが光る(右)パブリックスペースの一角
テーマスウィート、いかにも北欧をイメージした「ノルディック」
総客室は159室なのですが、とりわけ面白いコンセプトは、最上階にある6室のスィートルームでしょうか。一部屋ごとに違った意匠で、どこにもないようなデザインが印象的です。毎回違う部屋を選んで泊まってみるのも面白いですね。アフリカをイメージしたという「Royal Chic Safari」や、アイスランドのに冬に生まれる'氷のホテル'をイメージさせる「Nordic」、まん丸ベッドの置かれたラブリーな「Liaison」など、自由な発想には驚かされ通しでした。本当に、ひと味もふた味も違う香港が楽しめそうです。同時に、発展と共にすっかり変わりゆく香港も感じ、一抹のノスタルジックな気持ちにも成りました。(K.S)
花に埋もれたパーティールームの名は「エデン」
The Luxe Manor(ザ・ラックス・マナー)
39 Kimbaery Road, Tsim Sha Tsui, Kowloon
Hong Kong, R.O.C
tel (+852) 3763-8888 fax (+852)3763-8899
www.theluxemanor.com
部屋数:159室(内スィートルーム6室)
料金:(室料)HK.$2400~HK$.3000.
テーマスィートHK.$.10000.
日本の連絡先/(予約)SLH/スモール・ラクシャリー・ホテルズ・
オブ・ザ・ワールド 0120-558-673 www.slh.com

Kyoko Sekine
ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。
http://www.kyokosekine.com