私の働き方に影響を与えた3冊。 軽やかに大胆に、働くことを楽しむ女性を支える本。

新しい時代、自分らしく働くことを通して社会をよりよい方向に導く女性たちが集うフィガロジャポンのコミュニティ、Business with Attitude（BWA）。「こうあるべき」にとらわれずに、新しい働き方や暮らしを自ら切り拓くBWAメンバーの「働き方」に影響を与えた書籍とは？

《選者》
BWA Pitch Contest 2022, 2023 Judge
CTIジャパン ファカルティ、プロフェッショナルコーチ
畑中景子

畑中景子（はたなか けいこ）：プロフェッショナル・コーチとして、経営者や起業家、クリエイターを中心にリーダーシップの意識の目覚めと可能性の開花を支援している他、世界最大の体験型コーチトレーニング及びリーダーシップ開発機関CTI（The Co-Active Training Institute）にて、ファカルティとしてトレーナーを務める。CTI認定CPCC。国際コーチング連盟認定PCC。INSEAD MBA。

対話を通して、人が本来持っている創造力や才知を引き出すサポートをする「コーチング」。その魅力に魅せられて、18年半勤めた国際協力銀行を退職し、2019年、プロフェッショナルコーチとして独立した畑中景子。

もともと努力家で完璧主義、けれどいくら頑張っても自分に自信が持てなかったという彼女だが、コーチングを通して、「自分の心の響く方へと向かっていき、仕事も遊びも同じくらい楽しむことができるようになった」と語る。

プロフェッショナルコーチとして「おもしろく生きる」ことを応援しながら、自分の心が震える方に、軽やかに大胆に新たな挑戦を続ける畑中。神保町にある共同書店「PASSAGE bis!」内の「ここみち書店」店主も務める彼女が選ぶ、働き方に影響を与えた3冊は？

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『パパラギ　はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集』

エーリッヒ・ショイルマン著　岡崎照男訳　ソフトバンク文庫刊　¥660-

「途上国と関わる仕事をしていましたが、先進国が"開発"と呼ぶものは、本当に現地の人たちのためになっているのだろうか？ という疑問を抱いた時、職場の先輩がくれた本です。

サモアの酋長が、パパラギ（白人）の国（欧州）を訪れた見聞録。私たちの当たり前が、南国で自然と共生している人から見れば奇妙で非人間的なことばかり。豊かさとは何かを考えさせられます。自分が信じる豊かさに繋がる仕事をしていこうと思いました」

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『ワーク・シフト ー 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図 <2025>』

リンダ・グラットン著　池村千秋訳　プレジデント社刊　¥2,200-

「会社に勤める傍らでコーチングを学び始め、自分の新しい可能性を感じ始めた頃に出合った本です。未来の社会と働き方について、何となく予感していたことは間違っていなかった、と思わせてくれる内容で、興奮しながら読みました。

特に、同じ志を持つ仲間（ポッセ）とともに多様・多才な人たちとおもしろく働く、という世界観に共感しました。いま、そのように働くことができているのは、この本でそのビジョンを具体的に思い浮かべることができたからかもしれません」

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『モモ』

ミヒャエル・エンデ作　大島かおり訳　岩波少年文庫刊　¥880-

「人生という時間の過ごし方を問う名作ですが、コーチを職業とするいまの私には、主人公モモの聴き方・在り方が、目指す姿そのものです。

純粋な好奇心で、相手をじっと聴く。悩みがある時、自分を見失っている時、自由な発想を得たい時、人々の合言葉は、『モモのところに行ってごらん！』

モモに聴いてもらえば、自分に素直になれてモヤモヤが晴れる。生きる勇気と創造性が湧いてくる。モモのような人でありたいなと思います」